永遠の0を読んで
僕はほとんど昔の話がメインの本は読みません。基本的に現代の時間軸であるものしか手に取らないのです。
しかし永遠の0が学校近くの古本屋にてたまたま目についたので買って読んでみました…。
永遠の0はどこかで聞いた覚えのある程度の本で、戦争の作品で映画化されてるよなぁくらいの関心しかありませんでした。
しかし読んでみてまず思ったのは…
「もっと早くこの本に出会っていたかった….!!」
なぜ今まで聞いたことがあるで終わっていたのでしょう?
ここ半年で読んだ本の中(20冊くらい)で一番衝撃と感動を得れたお話でした。
それと、この作品、どこかと「運命」が語られる部分があると思うのです。
※以下ネタバレを含みます。
この言葉は周りから「臆病者」「恥さらし」「卑怯者」と呼ばれていながらも絶対に死なないという宮部の根本にある心境を表していると思います。
というのは戦時中赤紙が来たら問答無用に受け入れるように祖国と愛するものを守るため命を捧げる価値観がありました。そんな中宮部は家族が悲しむことを一番に惜しみ、避けたいものと考えます。
このシーンは健太郎が祖父である宮部のことを調べているときに出会った、宮部の編隊の一人であった井崎から語られるシーンです。
井崎は宮部が命を捧げないことを言及したとき、宮部にこの言葉を言われます。部下に敬語を使うほど温厚な宮部が唯一井崎に怒鳴ったところでもあります。
このシーン、とても心打たれました。この時代周りの人間は命を賭してでも相手に損害を与えるのが正しいと考えているのに対し宮部は生きろというわけです。これほど自分の考えにそって惑わされず本当に大切なものを見つめられていたのはすごいことですよね。10代の僕には到底語り切れたり分かりきることはできないでしょうが宮部のこの言葉にとても心打たれました。
その後井崎はこの言葉を胸に秘めておりその後の出撃でエンジン不調により海面に不時着した時、鱶に恐れながらも9時間本州まで泳ぎ切り、生きながらえています。
小説を読み終えた後勢いのまま映画も見ました。映画は小説と比べて端折られている場面もありましたがやはり映像となれば頭の中にイメージするのが容易でますます作品に飲み込まれました。
特に宮部が敵艦に突っ込むラストシーンは鳥肌が立ちました。まず小説でも映画内でも語られた宮部の操縦技術が細やかに描かれていました。また最後のシーンは宮部の顔がクローズアップになるのですが最後のほほえみが何とも言えない感情になります。
是非読んでみたり見てみたりしてください