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星組『1789-バスティーユの恋人たち-』大千秋楽をライブ配信で見たんですよという話


宝塚が大好きだし、ライブ配信良すぎるよね問題

2023年8月27日、東京宝塚劇場で星組による『1789-バスティーユの恋人たち-』が大千秋楽を迎えた。

とんでもないチケット争奪戦に参戦する間もなく敗れたわたしは、迷った末、「ライブ配信を見る」ことにした。

どんだけ大げさやねん、と思われるかもしれないが、
正直「ライブ配信ってどんだけよ?」と疑問や不安の方が大きかったのだ。

それに、なんやかんやこれまで、推しの花組以外は劇場で観た経験のない私。
ご厚意で貸してもらったDVDで月組や宙組の過去公演は観ているものの、
基本ライトなオタクゆえに、ジェンヌさんの情報にも疎い。
つまり、星組さんに関しては、申し訳ないことにノーマーク。
「こんな奴がたとえライブ配信でも観るのはなんか失礼な気がする…」と引け目を感じていた。

けれど、やっぱり観たい。なんたって『1789』だ。
ああ、フランスよ。ベルサイユのばらよ。(そこかい)
同じくフランス革命をテーマにした『マリー・アントワネット』もめちゃくちゃ好きだった私にとって、どうしても気になる作品なのだ。

そんなわけで、滑り込みで配信ライブを購入し、テレビで視聴することに。

結果。

観てよかったなわたし!!!

いやほんともう、ね。
楽曲は刺さるわ、ストーリーにぐっとくるわ…

礼さんの歌と踊りに終始感動しまくるわ…
(とんでもなく踊って歌ってらっしゃるのに、いっさい声ブレしないし、伸びの良い歌声にダンスの切れもよく、とにかく完成度が高すぎるのだ)

新しく気になるジェンヌさん(極美慎さん)は見つかるわ、
星組さん全員の気迫あふれるパフォーマンスに圧倒されるわで。

特に今回の公演では、礼さんの体調不良によって急きょ代役公演が行われたこともあり、星組のみなさんはこの大千秋楽をどれほど感慨深く迎えられただろうか。
もちろん、星組を推しているファンの方にとっても特別な日だったと思う。
そのタイミングで、私も関西の端っこから少しでも応援できていたらいいなあ。なんて。

あかんこれ、星組さんに落ちるやつでは?

いや、宝塚は限りなく箱推しに近いので、どの組に落ちてもいいんだけども!
それでなくとも芹香さんトップの宙組が楽しみだというのに、これ以上手を広げてどうするんだ…?

ひとつ確かなのは、やっぱり宝塚は私に欠かせない栄養剤なんだということ。
ああ、もう、いつだって感動とときめきをくれる、あのきらきら輝く舞台が大好きだ。

ライブ配信も、想像以上によかった。
てっきり定点カメラかと思っていたら、めっちゃくちゃ画面スムーズに切り替わりますやん。
メインで歌い踊る出演者にしっかりカメラを寄せてくれるから、見やすいですやん。

舞台を俯瞰したいひとや、推しをオペラグラスで追っかけたいひとにはちょっと向いていないかもしれないけれど…
DVDを見ている気分になるほど、きれいな舞台映像を配信してもらえるのは、すごいと感服せずにいられない。
これで3500円なの…?もっと出しますけど…??
気になるひとは、下記のリンクをチェックしてみてほしい。

現代にも通じる『1789-バスティーユの恋人たち-』のテーマ

フランス革命を背景とする物語だけあって、作中には「自由」にまつわるセリフや歌が多く登場する。

"自由とは、他人の身体と心を害さないかぎり、何をしてもいいということ"

傷つけられてきたロナンの唱える自由は、ちゃんと「誰か」を思い遣っている。
それが純粋にすごい。
ロナンはいつだってまっすぐで、だからロベスピエールやカミーユと肩を組んで、魂の自由を求められたんだと思う。

また、一度はカミーユたちを「ブルジョアの坊ちゃん」として拒絶したロナンがふたたび彼らと手を取り合う展開も、実に熱い。
「俺たちは兄弟」という歌詞に真実味が増して、革命へひた走る若者の熱意がこの胸にひしひしと伝わってくる。
(こういう少年漫画っぽい演出、ツボなんだよなあ…)

ラストに向けて、民衆たちの叫びが高まっていくところは、レ・ミゼラブルを思い出した。
人間はみな同じで、傷つけられることも縛られることもなく、等しく自由なのだと。
声なき言葉が響き合って、やがて明日の歴史を作るのだと、歴史の狭間に消えていくひとびとは歌い上げる。

今の世界には、自由を、いのちさえも奪われているひとたちがたくさんいる。
私ひとりがこの場で何をどう書いても、現実は変わらないし、きれいごとにだってなりはしないだろう。
けれど、明日をよくするためには、声なき言葉までなくしてはいけない。
ロナンたちが最後まで歌い続けたように、わたしも考え続けていきたいと、そう思った。


『1789-バスティーユの恋人たち-』の概要と個人的な希望

最後に、『1789』というミュージカルの補足と、個人的なお願いで締めたい。


フレンチ・ロック・ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』は、2012年にフランスで初演。

日本では、2015年に宝塚歌劇団月組によって初演された。
このときのトップコンビは、龍真咲さんと愛希れいかさん。

そして2016年、2018年の2回にわたって東宝版が上演されている。

主人公ロナンはWキャストで、かつて追っかけていた小池徹平さんが出演されていたのだが、公演当時のわたしは完全にスルーしていた。
最近になってダイジェスト版動画を見て、あんまりにもまっすぐな小池ロナンの歌声にノックアウト。

今となっては過去の自分をしばきまわしたい勢いで後悔している。
東宝さん、再演してくれませんか。本気でお願いします。


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