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[読書メモ]あなたの話はなぜ「通じない」のか

仕事で全く同じことを言っているのに、相手の反応がぜんぜん違うことに対して「理不尽だな−」と常日頃から感じていたので読んだ。

結論から言うと、私のメディア力が足りなかったせいであることが判明した。

実用的な内容が好きなので、私にとっては「【第二章】人を説得する技術」が大いに参考になった。

最初に「話が通じない」という状態は、相手と自分との間に橋がかかっていない(相手からの信頼がなく、共感もない)状態のことを言い、これを「メディア力がない」という。

一方「話が通じる」という状態は、相手と自分との間に橋がかかっている(相手からの信頼があり、共感もある)状態のことを言い、これを「メディア力がある」という。

例えば「この件は、こうしたほうが良いと思います」という意見を言ったとして、メディア力がないと「えー、そうは思わないな」と一蹴されるが、メディア力があると「なるほど!たしかにそうだ!」となる。
全く同じ内容のことを言っているにもかかわらず、だ。

メディア力をあげるには、人と人に「論理」「共感」「信頼」の3つの橋をかける

論理という橋: なるほど!
・自分が言いたいこと(意見)をはっきりさせ、なぜそう言えるのか(理由)を筋道立てて説明していく
・相手が「なるほど!」と思わず口にだしてしまうような、意見と理由の明快さ
共感という橋: そうそう!
・「そうそう!」とか「わかるわー!」みたいに初対面の相手であろうが瞬時に通じあえる。
・理詰めで説得しても動かない相手が「 いいな」とおもってくれる
信頼という橋: 世界が敵にまわっても、俺はお前を愛してる
・「世界中がとう言おうか信じてる」「何も言わなくてもわかってる」というような 互いの内面による絆
・こうした絆ができることで、初対面の億劫さや、通じ合えない数々の傷も心からの満足に変わる
・自分の発言は余計なぶれや誤解という段階を超えて相手に受け入れられ実りを産む

人を説得する技術

■論理

論理で必要なのものとは?
・意見 と なぜ の2つ。
・自分が言いたいこと(意見)をはっきりさせ、なぜそう言えるのか(理由)を筋道立てて説明していく。
・ゴールは相手に なるほど! と思ってもらうこと(説得)。

■考える

考えるとは?
・モヤモヤして言いたいことがわからないなにかを引っ張り出す作業
考えるための道具は?
・問い
考えるスタートは?
・問いの発見
・すぐに答えを探すのではなく、その問題を考えるのに有効な具体的で小さな疑問を洗い出す

■質問

質問に答えてもらうコツとは?
・はじめに、なぜ?を使わない。なぜに答えるのは難しい
    例えば「いつ生まれたか」「どこで生まれたか」は答えやすいが「なぜ生まれたか」は答えにくい
・なぜ?以外の質問から始めて、徐々に難しくしていき、なぜ?は後半に出す。
・問いは、具体から抽象に行くほど難しくなる
・時間の場合は、現在から遠いことを聞くほど難しくなる
・「今まで辛かったことは?」などの問いを「距離のある問い」という
・「距離のある問い」は、未来に向かっていたベクトルを過去へ、ポジティブに向かっていた問いをネガティブへ向かわせる
・問いの配列は、 一方的に傾きすぎ段階を踏みすぎても、視野が狭まり思考が停滞しやすい。距離のある問いを途中に挟むことで動きが出てくる。
・「なぜ」は核心をつくからこそ、ここぞというときに使う

質問するときは、具体的で現在に近い質問からはじめて、抽象的で現在から遠い質問(必要であれば間に、距離のある問いを絡めて、なぜで締める)という流れで進めると、より相手の言葉を引き出しやすくなる。

問いは、立てた問いに見合った意見しかでてこないので、問いがつまらないと、つまらない意見しか出てこない。
なので、いい問いを見つけることが大事
どうやって良い問いを見つけるのか?
紙の真ん中に問題となっていることを大きめに書いて、丸で囲んでおく。タイマーで正確に3分計って、その問題について思いつく限りの問いを書き出していく。
問いの発見力を鍛える方法
面白い!と思った記事に対して「どういう『問い』から出てきたのか、文中に書いてあれば線をひく」。文中に「問い 」か書かれていなければ、意見から逆算して割り出す
・テーマについて問いを100個作る

説得の筋道を作る

抑えておくポイント
・(論点/問い)→なぜ→意見
・なぜの背景に論点がある。実際に人に話すときは、なぜ→意見 を話す
・説得力は「なぜ」の部分にかかっている
・根拠の配列がしっかりしていると説得力が増す

説得の3つのシナリオ

01 問題発見解決型

1. 論点: 自分の関心事をどうするのか?
2. 現状: 〇〇の現状はどうか?
3. 問題発見: 何が問題なのか?
4. 原因分析: 問題はなぜ生じているか?
5. 解決への提案: 解決方法として、今回私が提案したいことは?

問題を発見したときに使う基本的な型。だいたいの問題はこの型にそって提案している。

02 相手優先型(相手が知りたいことから伝える)

1. 論点: 相手の関心事をどうするか?
2. 提案:(まず最初に相手の関心ごとを確認しておく必要がある)相手側の問題解決の方法として、今回私が提案したいことは?
3. 提案理由: なぜ、この方法で相手側の問題が解決できると言えるのか?
4. 提案内容: 具体的な内容、方法は?いつ、どのように、いくらでやるのかを伝える
5. 採用効果: 提案を採用した場合、相手にとってどんないいことがあるのか?例えば、コスト削減などの場合は、いつ、どれくらいの工数が減るのかを伝える

問題発見解決型で提案して上手く行かなかった場合、相手優先型を使う

03 ビジョン実現型

1. 論点: ビジョン実現のためにどうするのか?将来何を目指すか?社会や社内での役割はどう変わるか?を共有する(時間軸、空間軸で考える)
2. 目標: 目指すべき将来のビジョンとは?
3. 課題: そこに向けて何が求められているか?現状はどうか?課題は何か?
4. 提案: 課題克服の方法として、今回私が提案したいことは?
5. 反論想定: この提案にありがちな反論とは?それに対してどう考えるか?
6. 採用効果: 提案を採用した場合、相手にとってどんないいことがあるのか?

主にProjectの今後の方針を打ち出す場合に使用する

最後に

相手に自分の話を聞いてもらうには、メディア力が必要で、メディア力は今日明日で身につくものではなく、日頃の人と人とのコミュニケーションにおいて「論理」「共感」「信頼」の橋をかけることで身についていく。

そして、橋をかけるためには「考える」「問いを立てる」ことが重要である。

問いを立てるということは全く意識していなかったので、さっそくそれ関連の本を読むことにする。


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