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言葉の理解があっても視覚支援は必要
発達凸凹さんゆっくりさんの視覚支援に対して、言葉の理解があるから視覚的に表現しなくてもいい。
という考えが多いように感じます。
私は、言語の理解があっても、視覚支援は必要だと考えています。
発達凸凹さんは脳のワーキングメモリー(短期記憶)に特性がある方も多く、言われたことを覚えておくことが苦手だったり、目で見えないものを理解して覚えておくことが苦手だったりします。
言葉をわかっていても、長い文章になると覚えておけないとか、言葉だけでは想像ができないということがあります。
言葉の意味はわかっていても、それを場面が変わると応用できないこともあります。
凸凹の方の感覚を知ると、言葉は曖昧なものであるとわかります。
自閉スペクトラム症の東田直樹さんは“言葉はすぐに消えてしまう“と書かれています。
知的発達の遅れのない方アスペルガーの方の著書を読んでも、言葉を違う意味に捉えたり、言葉がただの音に聞こえて刺激になってしまうことがあったりすると書かれています。
また、気持ちのコントロールが難しい子は、目の前のことに注意が向きにくくなるので、言葉が入らないこともあります。
定型発達でも、耳からの情報をすぐに忘れてしまうことがあると思います。
だからメモを取ったり、メールでやりとりをしたりします。
凸凹さんにとってはそれが日常のことが多いのです。
そのため、言葉の理解があっても、メモに書いて見せるとか、絵や写真などでわかりやすく示すとか、視覚支援は必要です。
また、言葉を伸ばすために視覚的なツールは使わない。
という考えも多いです。
視覚支援をしたら言葉が出なくなるからしないという話もよく聞きます。
私にはその根拠はわかりません。
ただ、絵カードや文字盤を使っていたら、言葉が増えたお子さんの例はたくさん見てきました。
1番大切なのは、本人が、気持ちを伝えられて、伝えられていることがわかって、周りのことがわかって、安心できることです。
安心してコミュニケーションが取れるようになれば、言葉が増えることもあります。
そもそもやりとりがスムーズにできれば、言葉のあるなしは関係なくなると思います。
言葉にこだわるから、コミュニケーションが取れないと感じることもあると思います。
言葉以外で、伝えてくれている方法がある、伝わる方法があると思って、相手の特性に合わせてコミュニケーションをしていくと、やりとりできていると感じられることも増えていきます。
まだ言葉を持たない赤ちゃんや文化の違う海外の人とのコミュニケーションと似ているかもしれません。
周りの大人の考えや都合で言葉にこだわると、今できることを見落としてしまいます。
視覚支援が万能ではありません。
個人にとって合う合わないもあると思います。
必ずしも視覚支援をした方がいい、ということではなく、コミュニケーションでは、言葉にこだわらず、言葉以外の方法を試してみることが必要であると言いたいです。
言葉関係なく、伝わった!わかった!の経験を積み重ねることが、何より大切です。