【#パリでクロッシェライフ】第1回 かぎ針編みとの出会い
1. いつからはじめたのか?私の手芸レベルは?
まずは、私自身の話になりますが、フランスには、2004年9月から住み始めております。当時、今よりもフランス語でのコミュニケーションがうまくできたわけでもなく、本来なら、真面目にフランス語をマスターして。。。フランス社会で、生きていくための術を一刻も早く身に着けるべき時期だったのですが。。。
元来、不真面目で、興味がないことには、とことん、サボり癖のある私が、そんな真っ当にうまくいくはずもなく、フランス語の勉強をサボッていた時期というのもあったんですね。そんなやる気があるわけでもないので、身に付くはずもありません。。。
ただ、それでも、ご近所さんだったり、義理家族とのコミュニケーションは否応がなしに求められるわけで、でも、結局、そこへ放り込まれても、全く、蚊帳の外、つまり、戦力外通告。。。そんな生活に正直、嫌気をさしていたわけですね。。。つまり、当時、フランスで勝手に腐っていたわけです。周りのせいにして。。。(苦笑)よく、思春期の時期に、中学デビューとか高校デビューなんていうのが、ありますが、こうなってしまうと、フランスデビューで、グレていたわけです。。。(苦笑)
そんなわけで、当時、かなり、内に向いていたのですが、家にいても、ただ、中途半端に時間はあるわけで。。。
ただ、性格上、ボーッとすることが苦手な私は、とにかく、何かをしてみないと気が済ままくて。。。当時、現在も続くかぎ針編みの他にも、いくつか、やってみようと手を出したものがありまして、その結果、一番続いたのが、かぎ針編みだった。。。というわけです。まぁ、自分に一番、合っていたんでしょうね。
と同時に、思わぬ収穫も得まして、この手当たり次第、
いろいろ手を出していたこと
↓
自分が興味のある分野
↓
関心があるからフランス語も覚える
という相乗効果もあり、やっぱり、好きなものから入っていくと吸収していく力ってすごいんですね。おかげで、フランス社会でなんとか、生きていく術を見つけることができたわけです。
これは、もう1つの主軸であるカメラも同様です。
↑↑ カメラについてはこちらをご覧ください ↑↑
ただ、カメラの場合は、日本時代から続けてきたことだったので、ある程度、用語や使い勝手がわかっていたので、全く、初見から覚えていった【かぎ針編み】とは、また、1つ毛色が違うとは思っています。
一方、手芸歴は、日本にいたころ、家庭科の授業でやった程度ですが、それでも、相当不器用で、結局、提出日に間に合わず、最後に親にやってもらう。。。更にもっと、ひどい時は、器用な友達に交換条件で、ほとんど手伝ってもらう。。。というとんでもない子でした。。。(苦笑)まぁ、なんという恐ろしい子なんでしょう。。。(苦笑)本当、お恥ずかしい限りです。。。(反省)
そのため、自分はこういうのは、絶対向いていないと思い、日本に住んでいた頃は、全く、興味を示さず。。。女子なら一度は通るであろう【手編みのマフラー】も全く、作ろうとも思わず。。。当然、手芸や編み物で使う道具もフランスにやってくるまで、ほとんど、触ったことがないくらいでした。。。(苦笑)
(ちなみに、今でも、ミシンに関しては、その家庭科の授業で、できなかったトラウマがあり、興味はあるのですが、拒否反応がありまして、手を出せずにいます。。。(苦笑)洋服作る人カッコイイっていう憧れはあるんですけどね。。。その分野に関しては、勝手な妄想が膨らむばかりです。(苦笑))
そんな人間が、かぎ針編みを、今、こうして、やっているわけなのですから、世の中って本当、わからないものです。人生、何が起こるか、わかりません(苦笑)
特に、この事情を知っている私の母親(しかも、娘の家庭科の宿題を押し付けられていたという最大の被害者でもあったので。。。(苦笑))は、のちにフランスで、私がこんなことになっていること、一番、驚いておりました。。。(苦笑)
2. かぎ針編みをはじめようと思ったきっかけ
率直に言ってしまうと、前項でも申し上げました通り、
フランス生活で時間を持て余していたから。。。
この一言に尽きると思います。
実は、かぎ針以外でも他の手芸もやってみようと手を出したことあったのですが、思うんですよね。。。
結局、道具ばかり買って、満足して、それで終わってしまう、それって。。。
という葛藤もあったんですよね。。。それっていかがなものなのだろうか?と。。。
しかし、かぎ針編みは、他の手芸とは違い、そういう側面もなんか、嫌で、針一本、糸一本で形にしていく真っ向勝負できる潔さもよく友人、知人から言われているよくあるステレオタイプのフランスマダムとは対極の男っぽいの性格の自分とあっていたんだと思います。(これは、学生時代からよく知る私の親友は、今でも私がフランスに住んでいることはギャグでしかない!!と笑い飛ばしているし、現に、私もそう思っている。。。(苦笑))
手芸というと、女の子らしい趣味の代表格と言われがちで、私自身も日本にいたときはそのイメージから勝手に嫌煙していたのですが、はじめてみて改めて、開眼したのが【かぎ針編み】だったのかな?と思っています。
それからとにかく、夢中で、本当、毎日、作っていました。ただただ、楽しくて。。。
最初は、私の周りのフランス人は、義理側の親族も含め、
「えっ、編み物?ばあちゃんの趣味じゃん。。。」
と口を揃えて、このような返答で、見向きもせず、最初は、ドン引きされておりましたが(苦笑)、作品ができるにつれ、関心を持ってくださる方も増え、リヨン居住時代、最後の方には、
「あなたの作品を見ると、元気になるのよ!」
とおっしゃってくださった方がいたこと、作品を購入したいとまで、言ってくださった方がいたこと。。。かぎ針編みがもう1つの趣味で続けてきているカメラと同様、私の代名詞として、周りのフランス人とのコミュニケーションを取るきっかけになってくれたこと。。。本当に、このフランス生活16年、カメラとかぎ針編みの2つの趣味には何度、助けられたことか。。。
わかる人にわかってもらえれば、それでいい。。。
うまくいかなくても、絶対、どこかで、誰かが見てくれる日が来る。
というスタンスにもつながっていってくれた私のフランス生活の核を作ってくれた1つだと思います。
更に、好きが高じて、2015年にレースを本格的に技法や歴史など学問として勉強したくなり、ベルギー・ブルージュにある教会が母体となっているレース学校【Kantcentrum】に単身、3ヶ月、乗り込んでしまうまでになりました。(そして、現地語(ベルギー・ブルージュはフランス語ではなく、フラマン語(オランダ語の派生語)なので、本が読みたくて、オランダ語も習得。会話はできないけど、書いてあることは、今では、フラマン語でもある程度、理解できます。)
ここまでくると、完全、レースに狂って暴走した果てのヲタクの発想です。(苦笑)。ですが、ベルギーの先生に自分のレース熱を受け入れて下さり、更に、この熱量に応えて下さった時は、すごく純粋に嬉しかったし、レース続けてよかったと心から思えたのが、昨日のことのように思い出されます。以来、ベルギーとの当時の先生、仲間との交流も続けております。
2016年3月にパリに引っ越してからは一時期、遠ざかっていたものの、今年、2020年に入って、コロナで外出自粛をきっかけに、改めて、再開したという感じです。
3. どうやって覚えたのか?
では、こんな手芸の【手】の字も拒否していたような人間が、どうやって覚えたのか?
という話になると思うのですが、もちろん、マニュアル本片手に。。。と言いたいところなんですけど、実は、これだと私の場合、問題が大概、発生します。その理由は、
私自身、左利きだから。。。
これは、かぎ針編みに限らず、初心者教則本関係で、左利きの方なら、思い当たる節あると思うのですが、無知の状態からだと必ず、ここで壁にぶち当たります。(苦笑)なぜかというと理由はシンプル。。。
教則本、マニュアル本自体、右利き用に作られているから。。。
なんです。かぎ針の場合、それがすごく顕著で、大抵、普通であれば、左手が糸、右手が針といった図で説明がされております。ただ、これだと、すごく左利きの人間は無知の状態だと必ず混乱するのです。もちろん、習得時間もワンテンポ遅れます。。。(それで、子供の頃は、よく、鈍臭い子だと親によく、言われておりました。。。でも、気持ちはわかるんですよね。。。普段、右利きであれば、そんなこと考える必要もないわけで。。。)全く、逆なわけですから。。。なので、私もない知恵を絞り出して、いろいろ考えました。。。例えば、
画像を撮って、鏡で反転させたような図を作り直すとか。。。
しかし、そんな面倒なこともしていられませんし。。。(苦笑)で、そこで出会ったのが、YouTubeです。で、おそるおそる検索をかけてみました。
【かぎ針編み 左利き】
とそうしたら、左利きの先生のデモがヒットするではないですか。。。これで、かなり、初心者の頃はかなり、助けられました。YouTube、こんなニッチなところにまで。。。本当、ありがとうございます!!って当時は思ったものです。しかも、日本語なので、本当の初期の初期は、これで、覚えた方が早かったです。これで、一通り、基本的な技法は学び、本へ移っていったような気がします。
本も、最初のうちは、当時住んでいたリヨンの本屋で、それらしい本を探すのですが、ここでも壁にぶち当たります。意外かもしれませんが、当時、フランスで、かぎ針編み関連の本って、本当少ないんですよね。。。更に、レース編みとなると更に、少ない。。。(今では、あみぐるみなど、多少、増えてまいりましたが。)
フランスの手芸で一番メジャーなものと言ったら、やはり、パッチワーク。あと刺繍。これに関しては、手芸屋さん行っても、道具は良質なものが多く、豊富。特に刺繍は、さすが、刺繍の本場といった感じです。日本だと高価なフランス製の道具もやはり、現地なので、手軽に手に入ります。
ただ、私が求めているのは、そこではなく。。。(苦笑)
一方、私が探している編み物を探すと。。。棒針編みはそこそこあるんです。かぎ針編みも毛糸で編む。。。(特に赤ちゃんの。。。関係が多い)だったら、そこそこあるんです。。。ただ、レースとなると、ほとんどない。。。というのが、私がかぎ針編みを始めた当初の手芸本事情でした。(これがパリだったら、多少、風向きも変わってきたのかもしれませんが。。。当時は、フランスの1地方都市だったので、余計に。。。)
しかし、そんな偏ったジャンルに興味を示す私にも微かな光が。。。
それは、Editions de Saxe社との出会いです。
こちらの会社、リヨンにある手芸関連本を多く取り扱う出版社なのですが、当時、こちらの出版社で取り扱う手芸本、特に、当時は、洋裁関係本が多かったののですが、日本のNHK出版社の手芸本を翻訳したものが多く、取り揃えてあったんです。そこで、当時リヨンに住んでいたこともあり、Editions de Saxe社と直接、連絡を取り、かぎ針編みやクロッシェレースの本、フランス語訳化で販売していただけないでしょうか?と直談判したんです、出版社まで乗り込み。。。(苦笑)
本当、当時としては、かなりの暴挙だったと思います。フランスに住む、ちょっとかぎ針編みに狂った頭のおかしい1日本人のためにお時間を割いてくださったのですから。。。(苦笑)
しかし、当時、受け入れてくださったスタッフの方たちに本当、よくしていただいて、今では、かぎ針編み、クロッシェレース関連の本も取り揃えてくださるようになりました。これは、私のかぎ針編み生活にとっても、かなり、支えとなってくれたように思います。
ちなみに、パリに引っ越した今でも、Editions de Saxe社のその時、取り合ってくださったスタッフの方々とは交流を続けさせていただいております。右も左もわからない1日本人のために、交流を持ってくださったこと、本当に感謝しております。
その一方で、当時、仕事でパリ出張の際には、それこそ、BOOK OFFやジュンク堂書店で、日本のかぎ針編みの本を購入したり、それこそ、日本の実家に里帰りの際には、帰りのスーツケースの1つは、ほとんど、作品づくりに必要なパーツや道具、本いっぱいにしてフランスへ帰るということもしておりました。
そんな出会いやいろんな方々の支えがあり、私のクロッシェライフが成り立っているのだと改めて思います。
本当に、改めて、皆さんに感謝ですね。
次回は、道具との出会いや過去に作った作品などをご紹介していけたらと思っております。次回もお楽しみに。。。
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