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サンデーパーキングモーニング
冬の倉庫作業。荒れる備品。荒れる手指。荒ぶる男達。
労働終わりの来来亭が沁みる夜に、煙草は美味いに決まっている。
心があったまっているような気がして、啜る汁物は、明日も仕事やんってわかってても、ホッとさせてくれる。
さあ,帰り道。夜の高速をかけるハイエース。騒がしいわけでもなく,ただエンジン音が鳴り響き,ぶっ飛ばす深夜高速で、生きていてよかったと思う。
そんな夜を探していても、それでも人は,限界を超えると,眠くなる。
道が揺れる。地震かと思うくらいの揺らぐネオンライトは、まるで陽炎みたいに見えた。
ただの眠気。心地よいが、車である。止まるしかない。ちょっとした寄り道。バーに寄るわけでもなく、パーキングエリアに行き着いた。
エンジンを切り,静かな時間が流れる。車内は荷物だらけ。運転席を倒し、丸まって、アウターに身を包める。
明け方の男達は、ここから旅立って遠くへ向かう。誰のものかも知らないブツをぶっこみ、生活をかけて滑走する。
気づいた時には日が跨り、土曜日は日曜日に。
ああ、無駄やなあって、思う夜なんて何度もあったけど、生命維持のために眠ることで、本当に生きていてよかったと、体を冷やしながら感じていた。
さあ、帰ろか。あったかくはないけど、安心できる家に。明日も朝からワーキングが待っている。
サンデーパーキングモーニング。
なんのドラマもない、ただのワンシーンやけど、無理は禁物とはこのことやねんなということを、なんとなくオシャレに言ってみた。
家路に着く。家に着く。安心して、明日もがんばろう。
次に気づいた時には、集合時間を遠に過ぎていた。