“アジアの女性はアジアの叡知でもっとキレイになれる” DAYLILY共代表 小林百絵さん、王怡婷さん
今までなかった、日常の漢方というライフスタイルを提案。日本と台湾から始まるアジアのムーブメントを起こしていきたい。DAYLILY創業の小林百絵さん、王怡婷さんにお話を伺いました。
小林百絵さん・王怡婷さん プロフィール
出身地 小林百絵さん(北海道)、王 怡婷さん(台湾)
活動地域 日本、台湾
経歴及び活動 慶應義塾大学大学院卒業、大手広告代理店勤務ののち、クラウドファンディングでのサポートを得てDAYLILYを創業。2017年3月に第1号店を台湾にオープン。2018年11月、表参道にてPOPUP SHOPイベントを開催。現在日本初のショップを準備中。
記者 よろしくお願いいたします。
小林百絵さん、王怡婷さん(以下、小林、王)よろしくお願いいたします。
”台湾、日本それぞれの漢方に対する大きなイメージの違い”
Q 起業に至るきっかけをお聞かいただけますか?
王 はい。私が日本に留学したときのことなのですが、私にとって漢方は0歳から親しんでいたものだったので、ごく自然に漢方を日本に持ってきていたんです。ですが、日本で友だちに見せると「見たことない」「いいのはわかるけど、漢方ってまずいものでしょ?」と。
一方で、台湾・中国の女性は、「それ、めちゃおいしいよねー!」と、とても盛り上がっている。その時、台湾の漢方と日本の漢方はちょっと違うなと気づいたんです。それで私は、漢方がおいしいものだということを証明したくて、学校で漢方を配っていました(笑)
記者 そのときの反応はどうでしたか?
王 漢方をおいしくないと思っていた友だちの表情が、「え、おいしい!」とガラリと変わったんです。その時、これはいけるかもしれない、と思いました。
例えば、四物飲(しもついん)という漢方があるのですが、日本だったら、黒くて生薬の味だけで不味いのですが、台湾だったら本当においしい。使ってる生薬は同じなのだけど、台湾では、食品にするために黒糖や甘さを加えて、苦くないおいしいものになっているんです。
実は、漢方の文化を薬にしたのは日本人なんです。昔、台湾の漢方はもともとゆるくて、生活の中のものでした。食品とか、スパイスのイメージです。そこから一時期薬に対する法律ができ、いきなり厳しくなって。いろんな漢方が薬屋さんでしか売れなくなり、台湾の会社は、その問題を解決するために、薬効成分をあまり変えずに食品の漢方をたくさん開発しました。日本は薬しかないから、このアイデアに着目して論文にしたところ、小林が声を掛けてくれて。
小林 大学院のとき、王と交流する内に、彼女の内側からつやつやする感じに、日本人と違う何か生活とかあるんだろうなと興味を持ちました。彼女が研究テーマで漢方のことを取り上げていて、漢方が薬だけでなく、生活に根ざしているということを知り、面白いと思ったし、これは続けて行くべきだと思いました。改めて企画書を作って、「一緒に起業しませんか?」と声を掛けたのがきっかけです。
”アジアで新しいムーブメントを作りたい”
記者 そのとき王さんはどう思われましたか?
王 正直、起業は難しいな、大変だなと思いました(笑)。論文を書く中で、薬事法など調べていたので。でも、一人ではがんばれなくても、一緒ならやれるかもしれないと。そこから始まりました。
”自然とみんなが話せるようなそんな場を”
Q どんな夢をお持ちですか?
小林 新しいライフスタイルを作っていきたいですね。例えば、ブランドのサボンさんのような立ち位置みたいに、塩を塗ったりとか習慣になかったものがライフスタイルになったように。それを生活に取り入れることによって、癒されたり、ハッピーになったり。ちょっと元気になったり、次の日の活力になったり。漢方にはそんな力があります。
日本、台湾、中国、シンガポールなどアジアでそんな新しいムーブメントを作れたらと思っています。今よく、未病といいますが、その考え方がもともと台湾にはあって、悪くならないように整えることをします。そこに薬でない漢方が何か役立てるのではないかと考えています。
王 そうですね、台湾ではそういうことをお母さんが家庭で教えてくれます。西洋の薬はずっと飲んでいたら不健康になるけれど、漢方が広がったらみんなもっと健康になれるし、もっと幸せに生活出来ると思うんです。
病院に行くのは大きな病気の時だけで。マイナスからゼロにするのではなく、ゼロのときからもっと良くなるように。そんな風になったらいいなと思います。台湾だと、漢方はコンビニにも置いてあります。薬もいいけど、もっといいのは、病気じゃないときに飲む。そのくらい身近なものになっていけたらいいなと思います。
“日本と日本人に出会って生まれた”
Q 今後の計画について教えていただけますか?
小林 昨年3月に台湾にお店1号が出来て、来年は日本に作れたらと思っています。気軽に雑談できる場所、悩みを言いたくなる場所を作りたい。女性ってそういうのあると思うんですよね。これがあることによって落ち着ける場所、自然とみんなが話せるようなそんな場を作りたいと思っています。ブランドのコンセプトが、“女性の気分と体温を上げる” なので、そのようにライフスタイルをあげていきたいなと思っています。
王 DAYLILYは、日本で、日本人との出会いで生まれました。一方で、実は台湾でも、私たちより若い世代では、漢方離れが起きています。これが広がれば、日本、台湾双方に相乗効果だなと、台湾にお店を出したのもそういう理由があります。
“その考え方は改めた方がいい”
Q どんな認識の変化や心の在り方が今に繋がっていると思われますか?
小林 たとえば、日本では、唇の血色が悪いと思った時、口紅を塗る。だとしたら、台湾では、血が足りてないら補わないと、となる。考え方が根本的に違うんだな、と。目が乾燥していたら目薬、とか、外部的なものに頼るのではなく、内側から変えていく、その意識は日本人にあまりない感覚かもしれないと。その気づきは自分の中で大きかったですね。
王 父は台湾で薬剤師をやっているのですが、その父に、「どうやったらもっとたくさん買ってくれるかな?」と聞いたことがあるんです。そしたら父は、「お客さんは、体調が悪い時、必要なときに買うんだ。自発的に飲むのが良いんだから、その考え方は間違ってないか?改めた方がいい。」と言われて。そこで、思わず忙しくなる中で自分の姿勢にハッとさせられることがありました。
”バランスをコントロールする”
Q 日々実践されていること、大事にされていることはどんなことですか?
王 私の母は昔からよく、“良いもの食べて早く寝て”と言っていました。健康がないと何もないから。その言葉は自分の中に染み込んでいます。日本の社会で生きていくのはバランスを取りづらいなと感じます。上司が言うことはぜったいやらなければならないとか、対応しないと態度悪い言われるとか、夜中まで、残業とか結構あって。
台湾ではそういうことはなく、みんな自分のバランスを大事にしています。自分でバランスをコントロールする、心、仕事、体調、全部。それができるようになると気持ちよく過ごせるんじゃないかなと思います。
ストレスを感じないことかなと。台湾の漢方は、ストレスを感じなくていい。それが台湾の漢方のいいところですね。今日ちょっといらいらしてるな、と感じたら、お茶を飲んだり、スープとかになってるから、飲んでみたり。そんな感じで、ぜったいやらなきゃいけない、ではなく、飲みたいときに飲む。
小林 そう、それはすごく大事なことで。日本人って、すぐストレスに感じたりする気がします。やらなきゃ、とか。
台湾の漢方がそことマッチする感じですね。体調、心、仕事と、バランスを取るみたいに。自分たちでコントロールできる。そうすると日々気持ちよく過ごせるんじゃないかなと思います。そんな人達が増えたらいいですね。そういう私たちも自分たちで試しながらやっています。(笑)
記者 バランスを自分でコントロールできるのって、大事なことですね。アジアの女性から始まる新しいライフスタイルにわくわくしました。今日は貴重なお時間をありがとうございました。
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DAYLILY、小林百絵さん、王怡婷さんに関する情報はこちらです。
◇DAYLILY 公式サイト◇ http://daylily.com.tw/ja/
◇DAYLILY Instagram◇ daylily.tw
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*~* 写真 三笠恵美*~*
◆◇編集後記◆◇
今回インタビューを担当した、玉井、西尾です。日本と台湾の掛け橋となり、その先にあるアジアのムーブメントまで視野に入れて動かれていらっしゃるところに、とても応援したい気持ちになりました。これからのご活躍を楽しみにしています!
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36
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