
すべきという言葉の傲慢さ
みなさんには、なにか。
「こうすべきである」
「こうあるべきだ」
という、信念や美徳はありますか?
私にはあります。
助産師として。
人の命を預かる身として。
『自分の持てる以上の働きをする』
限界を決めない。
なんでもすすんで取り組む。
努力や時間を惜しまない。
少しだけ噛み砕いていうならば、
「いつも120%の力で働く」
そういう信念があります。
▼この記事ではもう少し詳しく私の想いについて綴っています。
それは、家庭でも同じこと。
妻として。
夫を支える身として。
『得意な方がやるべきだ』
夫と私は同じくらいの一人暮らし経験があります。
でも、THE O型の彼とTHE A型の私の暮らしには
天と地ほどの差がありました。
綺麗な家で暮らしたいのは私。
バランスのとれた食事を摂取したいのは私。
ゆとりのある生活がしたいのは私。
希望のある方がすすんで家事や家計管理をやった方がいい。
そう”勝手に”結論づけて生活していました。
そうすることを”求められている”とまで思っていました。
私は、私自身に対して「すべき」を押し付ける
とても傲慢な人間でした。
傲慢とは・・・
おごりたかぶって人を見くだすこと。また、そのさま。
ずっとスポーツをしてきたことも、この考えに起因していると思います。
自分で自分の限界を決めず、得意はすすんで伸ばすこと。
努力すればするほど、人の力は無限に伸びていくこと。
そう信じて疑ってきませんでした。
その結果、
「私はこうあるべき」というおごり高ぶった考えは、
私自身を苦しめることになりました。
初めは、「すべきという傲慢な考えは自身に課すものであって他者へ向けるものではない」という結論にしようと思って、この記事を書き始めました。
でも、違いました。
こんな「べき論」は誰にだって向けちゃいけない。
他者も、自分も、
決して見下していい対象ではないのだから。
こうあるべきだと、結論づけるのは簡単です。
でも、ではなぜそうあるべきなのか?理由や目的が付随していないと、本当の理解は得られないのです。
逆にいえば、こうあるべきだと先に結論づけてしまうと、物事の本質を見落とすことになります。
私の仕事で例えるなら、
母子が安全に出産をすることが最終目的なわけです。
つまり、安全に出産を終えられれば万々歳。
私が120%の力を注げなかったとしても、
現場はチームで動いています。
支え合い助け合えば、目的は達成されます。
緊急時の動きがまだわからない新人がいるなら
シミュレーションや復習を通して一緒に勉強すればいい。
そうやってチーム全体の力を信じていれば、
「私が頑張るべきだ」という傲慢な考えには至らなかったかもしれません。
家でも同じです。
夫は、ちょっと(いやかなり)大雑把ではあるけれど、優しい人です。
私が「こうしてほしいな」とお願いすれば、
きっと叶えてくれます。
そうしていれば、清潔でゆとりのある生活がしたいという私の目的は達成できたでしょう。
でも私は、得意なこと、自分がしたいと思っていることは全て自身でするべきだと考えていました。
だから頼めなかった。
それがいつしか「私はこんなにやっているのに夫は何もしてくれない」という不満を生みました。
自分のせいなのに。
いまある「こうあるべきだ」は、
「こうしたい」に変換することにしました。
自分にも他者にも押し付けることなく。
願望として持っておくことにしたんです。
そうしたら、肩の荷がふっと降りたように軽く感じられるようになりました。
その願望は自分で背負うだけではなく、
夫にも「こうしてほしいな」と一緒に背負ってもらえるようになりました。
すべきという言葉は、とてもかっこいいです。
論文にもよく用いられ、私もこれまでたくさん書いてきました。
もしかしたら、教育課程では必要な言葉なのかもしれません。
宿題は期日を守って提出すべき
学校のルールは守るべき
借りたものは借りたときより綺麗にして返すべき
でもそれ、本当に”べき”ですか?
そうしてほしいと思っている人は誰ですか?
べきを論じる前に、目的や意味を理解してもらおうとしていますか?
私は、
したいと思ったことをして、
してほしいと思ったことをお願いする
そういう生き方を、これからはしていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございます。
スキ♡、フォローお待ちしております。
いいなと思ったら応援しよう!
