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心のどこかで、ふと…ね
先日、娘のところへ行っていたときのこと。
「この本、よかったよ」と手渡してくれたのは、図書館の本だった。
少しめくってみると、言われたとおりすっと読めて興味をひく内容だった。
孫のお昼寝中に読みきれず、ホテルに持ち帰ったのだが、読み終えられなかった。
あと半分なのに…、図書館の本を持って来るわけにいかず、家に帰ったら予約しようと思っていた。
でも地元図書館の蔵書検索にはなく、よくいく隣町の大きな図書館も貸出中だ。
えーいもう買っちゃえと、近くの書店で買うことにした。
たった今、Kindleで読めたやん?と気づいた。
でも、紙が好きだからなあ。
それはさておき、彬子女王の学生ぶり(研究者ぶり)に、職場のどこかにいそうな親近感がある。
SNSでバズったことで文庫が売れていることは知っていたが、自分は読まないだろうと思っていた。
それが娘に薦められると、その本のどこに何を思ったのかが気になり、読みたくなるのだ。
日本にいる時はおひとりで行動することのない彬子様、オックスフォードでは全て自分でだ。
自炊はもちろん、英語が出来ないことに始まり、論文の指導を受ける様子など、結構大変そうだ。
そこがまるで進学で東京に出てひとり暮らしを始めた子どものようで、しかし宮家の人となればギャップがおかしくて。
当たり前のことだけど、生まれ育った環境が違うだけで、ひとりの女性なんだと思うことばかりだった。
いや、エリザベス女王とお茶するって、やっぱり特別だ。
ただそのドキドキぶりが、かわいい。
軽妙な筆致に、彬子女王お会いしてみたくなる。
読後感は爽やかな風が吹いたような感じだった。
ただほんの少しだけ、詳しくは書かれていなかったけれど、家庭内の問題とだけ触れられていたところがあった。
昨年の百合子様の葬儀で喪主を務められたときの、真っ直ぐ前を見て進まれる様子を思い出すと、ちょっぴり切なくなる。
勝手な想像の域でと承知はしながら。
週刊誌のバッシングもにぎわしい皇室で、制約ある中でも自由に生きる、そんな彬子女王の思いが感じられる本だった。
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