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ていねいな仕事をしようね

自分が忙しいとき、「丁寧な暮らし」とか聞くとイラッとすることがある。
丁寧にやってる暇なんて、ないんだよ〜と。

でも、やはり仕事は丁寧にした方がいい。
そう難しいことじゃなく、普通に丁寧にやればいい。

例えば荷物が届いたら、中だけ持って行くんじゃなくて、段ボール箱を所定の集積所に持って行くとかね。
そこに放置しても段ボールは自分で歩いていかないから。

面倒なことをやらないでいると、そのうちみんな気づき始める。

ゴミ捨てくらいならいいけれど、いい加減なことばかりしてると、あーまた彼女?と思われてしまう。

メールでも伝言でも、言葉を尽くさないと伝わらない。
「よろしくお願いします」って、何をどうするのか、ちゃんと言おうよと心でつぶやく。

2日間の休みから戻ると、誰が発注したかわからない荷物が届いて、事務方も先生方も巻き込んで随分混乱したことを知った。

結局うちのアラフォー女子の注文品とわかり、朝からあちこちにお詫びして、「K子先生からも、関係の先生方にひとこと言っておいてくださいね」と伝えた。

あちこちで「やっぱりな〜」「また今度は何なの」と批判の嵐だった。
代わりに謝るのは大したことないのだけれど、こんなに信用されてないんだと思うと心が痛くなった。

「御手洗さんの苦労がわかるよ」という声かけも、喜ぶよりもう私の手に負えなくなっているのを感じる。

少しは気づきになればと、お詫びメールをccで送る。

でもそんなことを「ダメだよ、自分で痛い思いしないとわからないんだから」と言う同僚もいる。
確かにそのとおりだけれど、放っておくと嫌なことはやらないので始末をつける役になる。

結局、その発注者不明の納品は、業者の表記ミスだったことが判明した。

広い学内で、発送伝票の依頼主が間違っていたら大変だ。
受け取った人は送り付け詐欺かと思うし、部屋番号の主は誤発注かとシステム遡るし、みんな自分のミスかと慌てて確認する。

今回はアラフォー女子に落ち度はなかった。
でも、みんな完全に「また?」と思っていた。

そして、納入業者からお詫びのメールが来た。

3行ほどのメールの2行目に、

「この度は、申し上げございません」

お前もかーー!と叫びそうになった。

お詫びはいいから、誤字脱字を確認してから送信してっ!

キィーッと心で叫んでおいた。

自分の仕事が雑なだけなら自己責任だけれど、物に対して、人に対して、お金に対して、雑な扱いをしていたら、やはり人は離れていくと思うんだよね。

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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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