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長良川温泉で《岐阜》を呑み食す(旅で★深読み)

表題は変わりましたが、岐阜で金華山に登り、リスの村長について熱く語った?話の続編です。

金華山から長良川を隔てた正面のホテルに宿泊しました。
この地域の先生が主催する国際会議などでも会場に使われるかなり大きな温泉ホテルです。

チェックインの前、下山後に岐阜公園内を歩きました。
斜面に建つ三重塔は大正6年に岐阜市が建立したもので、すぐ脇をロープウェイが山頂に向かっています。

岐阜公園三重塔・正面
三重塔よりも、紅葉と大岩を主役に。この構図がベターかな。

対岸のホテルの部屋からは長良川越しに金華山がどっしりと見えます(↓)。かつて居城のあった岐阜公園は、この構図から見ると、右手奥にあたります。

長良川越しに金華山。山頂の岐阜城を仰ぎ、
「さあ、どうやって攻め落とすか……」と策を練る。

長良川は鮎の棲む美しい川で、以前書いた清流の街・郡上八幡の街を流れる吉田川も、支流のひとつです。
夏の風物詩《鵜飼》でも知られています。

中学から高校にかけて、私は夏になると白鳥町の民宿に姉と、あるいは友人と滞在しましたが、毎日のように長良川で泳いでいました。

長良川は「本流にダムが存在しない河川」で、そのために鮎や鰻の遡上を妨げない、と言われていました。
けれど、工業用水の取水を当初の目的に計画された河口堰が、需要状況が大きく変わった後も目的を変更して継続され、漁業者や自然保護団体が反対しましたが、ついに建設されてしまいました。
計画を主導した政治家・官僚・ゼネコンのスクラム共同体は、一旦抱え込んだ税金を離すことはないのでしょうか。

大浴場で温泉につかり、登山の疲れを癒した後、ホテル内の日本料理レストランで、岐阜の食と酒を堪能しました。
私は食レポが苦手で、出された料理を撮り忘れる常連ですが、この時ばかりは海外ハードワーク帰りの娘の慰労も兼ねていたためか余裕もあり、ほぼ全て撮ることができました。

岐阜の食は山と川の産が多い。
席に着くと、きれいな和服女性(このホテルの若女将と後でわかりました)から、《おまけ》の辛口清酒・三千盛みちさかりを一杯ずついただきます。
名古屋人は実にこの《おまけ》に弱く、喫茶店「モーニング・サービス」の背景になっています。

前菜の中で、鮎燻製、河海老艶煮、鰻玉子などが川の産。
多治見の三千盛みちさかり・純米大吟醸はオマケ(もう半分呑んだ後)
美濃薬膳飛騨牛スープ。蓮の実、松の実はまだしも、赤い筋のような草が入っていて、これが《夏草花》、いわゆる寄生キノコ《冬虫夏草》を人工栽培したものだとか。
刺身は海のものでしたが、中津川の酒・恵那山でいただきます。
妻と娘は「地酒三種呑み比べ」を注文。
右から、飛騨高山の「氷室」、飛騨下呂の「天領」、そしてメニューにある「三千盛」は既にオマケでいただいたので、若女将の配慮で美濃中津川の「鯨波」に替えていただく。

ここで写真を撮り忘れた、この地の伝統野菜・桑の木豆などの「凌ぎ」に続き、岐阜県で宿泊すると夕食に必ず登場する、4番打者「飛騨牛」。ここはシャブシャブでした。

飛騨はもちろん、ここ美濃でも、和食でも洋食でも、飛騨牛はたいてい登場しますね。うーん……まあ、主役として期待するお客が多いのでしょう……。

飛騨牛が4番なら、飛騨地方でその前後のどちらかを打つのが「朴葉味噌」。もともとは薬味と茸ぐらいを載せるぐらいでしたが、最近では肉なども……。
同じ岐阜県内でも、朴葉は飛騨で必ず打席に立ちますが、美濃はそうでもなく、焼き物といえば川魚が多いようです。

朴葉味噌に豚肉、椎茸、ほうれん草、胡麻豆腐、ネギ
地鶏と百合根の饅頭に生姜味の餡かけ。蓮根饅頭はよくありますが、百合根は珍しいかも。

ご飯に添えて、またまた飛騨牛の、今度は時雨煮が出て茶漬けでいただきました。

洋食系と異なり、デザート/水物があまり甘くないのがありがたい

── ごちそうさまでした。


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