【捕らぬ狸の皮算用】(新釈ことわざ辞典)記事版
狸狩りのプロセスのうち、最も幸福なSTEP。「皮算用」こそが狸狩りの《醍醐味》と言って良い。
以前、創作型懸賞への応募は、
《ひと粒で4度美味しい》
と書きました(↓)。
「捕らぬ狸の皮算用」は、➂に相当しますが、「狸狩り」の場合は、➀で戦略を立てる以前に皮算用しています。
むしろ、「公募ガイド」を斜め読みしながら《夢を膨らませていた時間》に近いかもしれない(↓)。
このことわざは、従来はネガティヴな意味に解釈されるようですが、とんでもない!
「説明文」に掲げたようにとても幸せな時間であるばかりでなく、たとえばビジネスならば、きわめて重要なステップです。
1.「捕らぬ狸の皮算用」を行う。
2.狸狩りのためのコスト ── 人件費、装備費、消耗品代などを計算する。
3.さらに、狸を捕らえる成功確率と成果頭数を見積もる。
4.コストを大きく上回るリターンが見込める場合のみ、「狸狩り」を実行する。
「皮算用」をせずに「狸狩り」を決行するのは無謀です。
「皮算用」をコストが上回るようなら、当然、「狸狩り」は諦め、勇気ある撤退をしなければなりません。
ですから、STEP1「捕らぬ狸の皮算用」が最も重要です。
どうせなら、ぜひ、
1.「捕らぬ狸の皮算用」を《ワクワク/ニヤニヤしながら》行う。
といきたいものです。
1番《夢が膨らむ》ところ ── なんですから。
でも、プロジェクト概要書の「事業収益予想」を読んで、
「よくできた『捕らぬ狸の皮算用』だね!」
と部下をホメない方がいいかもしれません。