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図書館とひとりランチと餡子自販機Again(街で★深読み)

ライフワークのひとつ、《尾張と三河の文化異質性》について何冊か本を借りるため、図書館に出かけました。

図書館といえば、中学生の頃、貸出係のお姉さん(たぶん20代前半ぐらい?)と親しくなったことがありました。
毎週のように本を借りては感想など話しつつ、ほのかな恋心なども芽生えていました、たぶん。

貸出係には他に30歳ぐらいの男性がいて、お姉さんと仲良くしているせいか、なんだか冷淡で、例えば私が自分を「学生」と表現したら、
「学生じゃない、生徒だ」
と冷ややかに言うような、実にイヤな奴でした。

中3の晩秋だったか、そのお姉さんから突然自宅に手紙が届きました。本田路津子るつこのコンサートに一緒に行きませんか、というのです。
「こ、こ、これは……デートのお誘いなのでは……?」
フォークシンガー・本田路津子は「秋でもないのに」に続き「風がはこぶもの」が大ヒットしていました。

約束の日、お姉さんと待ち合わせして、公会堂の大ホールに出かけました。しかし、本田路津子がステージに立つ前に、かなり時間をとった壮大なセレモニーがありました。
それはちょうど甲子園出場チームが入場行進をするように、ホールの客席階段を、それぞれが大きな旗を持ったチーム(?)が行進し、ステージ上に並ぶのです。
その場になって初めてわかったのですが、各チームは、民青(日本民主青年同盟)の各地区代表でした。
全てのチームがステージ上に勢揃いすると、全員でスローガンを唱え、大きなホール全体がどよめきました。

私はこの(失礼を承知での表現ですが)お祭りのような騒ぎに結構「ハイ」になり、自分もその仲間に加わりたい、と思ったのです。

本田路津子はそうしたセレモニーが全て終わった後に登場し、フォークギターをつま弾きながら、何曲が歌いました。
それはそれで感激しましたが、中3生の心をより惹きつけたのは、「お祭り」の方でした。

「コンサート」が終わった後、お姉さんに、
「ボクも民青に入りたい!」
と素直に言いました。
もちろん、お姉さんともっと親しくなりたい、というスケベ心もあったでしょうが、それ以上に、彼らの思想とはまったく無関係に、あの《高ぶり》に自分も参加したい、と思ったからです。

お姉さんはやさしく言いました:
「そんなこと、今考えなくていいのよ。あなたはまず、高校に受かることだけを考えなさい」

翌春、志望校に合格した後、年度が改まってから報告に行きました。けれど、図書館にお姉さんの姿はなく、例の「イヤな奴」に尋ねたら、素っ気なく、彼女は異動した、と言われました。

異動先の図書館に行こうか、と何度も思いましたが、結局、その日は来ませんでした。

彼女が私を《集会》に誘ったのは、いわゆる《オルグ》行為だったのか、あるいは所属団体から割り当てられたチケットを処分したかっただけなのか ── それはわかりません。

ただ、その後の人生で、── 例えば大学時代、最近話題になっているカルト宗教に同級生が勧誘され、深入りしそうになった話を聞いた時に、この《デート》を想い出しました。

(……まあ、その気になってもおかしくないよな……)

誤解があるといけないので念のため書いておきますが、この団体間に共通点があるわけではなく、思想や教義に共感しなくても、「場」の雰囲気に呑まれ、惹き込まれることがある、と言いたかったのです。

*****

図書館を出てぶらぶら歩いていると、先週家族と訪れたフレンチ・レストラン「Bongarfo」が11:30に開くところでした。
前回は写真を撮り損ねたので、よし今日は、とひとりランチに入りました:

なかなか粋な佇まい

この日は、ひとりなのでカウンターに座りました。
オードブル2種類、メイン2種類からの選択でした。

オードブルはサーモンと地場野菜のテリーヌ

会社勤めをしていた頃は休日の昼メシと共に家でビールを呑んでゴロゴロするのを至福としていましたが、退職後は、昼は呑まないことにしています。……なんせ、毎日が休日ですから。
……けれどこの日は、カウンター越しに生ビールの「タップ」から強く、つよーく誘いかけられ、ついに頼んでしまいました。

キリンのハートランドビール(生)

メインは①雛鳥のローストと②ハンバーグステーキのチョイスだったので、この店の名物らしい、ロティサリーで焼き上げた雛鳥ローストにしました。
(……前回の豚スネ肉の煮物の方が良かったかな……)

ロティサリーで焼き上げた雛鳥のロースト

さて、また「あんこ自販機」の横を通りました。
この日は、のぼりがいくつも出ていた上に、お店の人が販売台を設けて各種の餡子や水ようかんを販売していました。
今日は熱が入っています!

……かなり迷いましたが、again、甘いものがまったく苦手の私は、素通りしました……。
ゴメンナサイ……。

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