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⑦[病気の壁を越えて~ルワンダでの新たな奇跡の始まり~] 初めてのルワンダへの渡航を終えて
こんにちは、アフリカと子どもが大好きな19歳のハセガワトアです。
前回の投稿で、受験を諦めて夏休みに一人でアフリカのルワンダに行ったというところまでお話ししました。
今回は、その渡航を通してどう心情が変化していったのか、そのあとの高校生活はどうなっていったのかなどをお話していきたいと思います。
KISEKIで出会った方々
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私が滞在していたKISEKIには、毎年100人以上の方が多種多様な目的をもって滞在しに来られます。
私が行ったのは夏休みの初め頃、その時は10人くらいの年上の方々が滞在されていました。
そしてその中には、私が元々目指していたスワヒリ語専攻の先輩や、滞在中お姉ちゃんのように慕っていて今でも交流させていただいている方もいました。
他にも、頼れる優しいお兄さん、お姉さんが全国の様々な大学から来られていました。
この方々のおかげで、私は様々な価値観を知り、多様な選択肢を知ることができたとともに、人の優しさや温かさにたくさん触れることができました。
その中で、スワヒリ語専攻の先輩をはじめ、滞在中の先輩方が口をそろえて言ってくださったのは、
「こんなにアフリカが好きなのに、出願すらせずに諦めるのはもったいない。受験勉強が満足いくように出来なかったとしても、結果がどうであったとしても、とりあえず出願だけでもした方が良い。」
ということでした。
「もう受験はしない、高校卒業すら怪しい人間に阪大に出願する資格なんてない」、そう思い込んでいた私の心は、信頼できる先輩方の言葉で徐々に変わっていったのです。
そして、一週間の滞在を終えるころには、数週間後にある阪大のオープンキャンパスに申し込み、親や担任の先生にも、「もう一度阪大を目指す」と連絡していたのです。
こうして、一度諦めた阪大スワヒリ語専攻合格を目標に、私は改めて受験生になりました。
日本に戻ってきてからの高校生活
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心情に変化はあったものの、一度発症するとなかなか簡単には治らないのが精神疾患です。
勉強に対するモチベーションはまた上昇しましたが、授業中に起こるパニック発作が無くなることはありませんでした。
ただ一つ、自分の中で大きな変化がありました。
それは、完璧でないことを少しは許せるようになったということです。
以前までは、どうせ授業に出るなら一時間出たい、一言一句聞き逃さずに先生の話を聞いていたい、そう思っていました。
しかし、授業には出席を取るためだけに出る、そのためには私の学校は授業時間の半分だけ教室にいればいい、話を聞いていなくても、寝ていても、とにかく25分間座っていればいい、自分はただそれだけに集中しよう、そう思えるようになったのです。
そう割り切れるようになったことで、授業を聞けていなくても高校は卒業できるし、代わりに家やトイレや保健室など、自分の集中できる場所で集中できる時間に勉強していたら志望校合格も夢ではない、とみんなと同じように受験勉強できない自分を、自分自身が許し励ませるようになったのです。
これは確実にルワンダに行き、KISEKIに滞在したおかげだと思います。
ルワンダのママたちは、良い意味で誰一人完璧を求めず、その時に自分ができることを日々こなしていました。
そんな姿を見ていると、なんで自分は日本で誰にも求められていない完璧を目指して、自分のキャパ以上のことをやろうとしていたのだろうと思うようになりました。
また、KISEKIで出会った先輩方は、私の完璧でない部分をたくさん肯定してくれて、認めてくれて、ありのままの私を受け入れてくれました。
そんな素敵な方々にルワンダで出会えたからこそ、私自身もありのままの自分を少しずつではあるものの受け入れられるようになりました。
高校卒業、そして大学入学
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こうしてたくさんの素晴らしい方々に恵まれた私は、ギリギリではあったものの、何とか高校を卒業できることになりました。
余談ではありますが、卒業式でも、座ってさえいればいいと割り切ったことで出席することができました。
そして忘れもしない3月9日、ずっと憧れていたスワヒリ語専攻に合格できました。
ようやくアフリカへの愛が通じた、そう実感した日でした。
この日までたくさん病気に苦しめられていましたが、人とのご縁に恵まれ、アフリカに助けてもらい、ついに私は幸せな人生を送るスタートラインに立てた、そう思っていました。
しかし、人生はそんなにあまくはありませんでした。
憧れの大学に入学した私を待っていた辛く悔しい現実については、また次回の投稿でお話しさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回の投稿もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。