イラストレーターが務めるなら大企業?小企業?それぞれのメリット・デメリット
ゲーム会社へ夢のイラストレーターとして就職。
お仕事内容は一見どこでも同じように見えますが、企業の規模によって働き方に様々な違いがあることはご存じでしょうか。
今回はゲーム会社へ入社後、中小企業と大企業の場合でどのようにお仕事に変化があるのか、メリットデメリットを踏まえてざっくりとご紹介したいと思います。
①イラスト1枚に対する作りこみの時間
ほとんどは大企業であるほどイラストを作りこめる時間が多くなり、中小企業であるほど、与えられる時間は劇的に少なくなります。
原因は主に、会社上層部がイラストを描く人間でないことが多いため、1枚のイラストにかかる正常な時間的コストが計算できないせいです。
どのくらい計算できないかというと、厚塗りリアルテイストの背景付きイラストに対してざっくりと「1日1枚描ける」計算をしてくるくらい。
…できるかぁぁ!めちゃんこ乖離してます!
もちろん話せば調整してもらえるのですが…それでもしっかり時間をもらえることは少ないと言って良いでしょう。
それだけ短く設定されがちな作業時間ですが、そんな環境だけにメリットも。
そういった環境を潜り抜けた猛者は手が早く完成度の高いイラストをガンガン仕上げられる方が多いです。
②兼業するお仕事の数
イラストレーターはイラストを描くだけではありません。いろんな作業を兼業しています。
大企業だと赤ペン(添削)やデザイン、イベントスタッフ程度ですが、企業規模が小さくなるとどんどん業界から外れたお仕事を兼業することになります。
お客様のクレーム対応、接客・電話対応等はその筆頭です。
ここらへんは他業種の方と同様ですね。
ただイラストレーターにとって、他業種のお仕事の兼業はそのままデメリットです。
兼業するお仕事が増えるほどイラストを描く時間が少なくなり、イラストに活かせる経験はほぼありません。
この点は兼業の数が少なく専門性が高い、大企業に大きく軍配が上がります。
③こだわりレベル
人件費的な制約を除き、企業の大小で、求められるイラストのこだわりレベルは飛躍的に変わります。
本記事で最も企業規模に左右される項目です。
原因は主に、ゲームで喜んでもらえることが喜びと感じている人が、企業が大きくなるほど多いからです。
と思う方が多いと思います。そのお考え、全然間違っていません。
ゲーム会社員はゲーム大好き!
でもほとんどのケースで、企業規模が小さいほど「大体できてるし、もうこんなもんで良いんじゃない?」と作りこみを断念してしまうことが多いです。
イラストも同様のことが起こりがち。
一方で大企業では1枚のイラストに頻繁に議論が発生し、キャラクターのしぐさや装備に細かな目が入ります。
ゲームの世界観を忠実に再現するイラストの精度には、大企業に軍配が上がるでしょう。
ただ、「自分の自由に好きなイラストを描きたい!」と考えているなら中小企業に軍配が上がります。
こだわりレベルが低い分、自由度が非常に高いのがメリット。
実績を示した分だけ自分好みのイラストを描くことができると思います。
まとめ
肌感ですが、企業規模による環境の差はかなり大きなものでした。
絵描き人生にかなり影響を与えるレベルだと思います。
ただ、入社後配属されるプロジェクトの状況に寄りますが、イラストを描くチャンスの数そのものは企業の大小であまり変わらない印象でした。
きちんと実績を残しつつ描きたい想いをアピールしていれば、企業規模に関わらずきちんとイラストを描かせてもらえることと思います。
企業の大小どちらが環境に合っているかは個々によって違います。
就活での会社選び中の方や、すでに就業中だけど違和感を覚えている方は、その会社の実績だけでなく、ぜひ一度自分のやりたいこと企業規模とを照らし合わせてみてはいかがでしょうか。