本を読める場所をさがして。
本は、どこに行くにも必ず持ち歩いている。家のなかでも違う部屋に行くときも。
スマホとセットで、一緒に移動。
小さいころ、お気に入りのぬいぐるみを、肌身離さず、ずっと抱きかかえていたときのように。
本が近くにあると落ち着くんです。かばんのなかにあるだけでも。
どこにでも、持ち歩くもんだから、読み終えたころには、端に切れ目が入っていたり、表紙がデコボコになっていたりと、結構ボロボロ。
心地いい空間を見つけると、そこにとどまりたくなる。
全身の力が抜けて、その場に、どんどん沈み込んでいく。
その場に、からだをあずけたくて、本から、しおりを抜く。
近所にあるカフェは、何回か行ったのですが、落ち着かなくて、もう行く気がしなくなりました。
しかし、久しぶりに、そのカフェに行ったときのこと。
テトリスがうまくハマったときの様に、カフェの空間と自分の気持ちが、ピタリとフィットした。
その日は、あまりの心地よさに、半額コーヒーをおかわりして、つい長いをしてしまったのだ。
頼んだパンケーキも、しっかり咀嚼して、ゆっくり食べる。
以前、落ち着かなかった場所が、このようにに変わると思うと、肌身離さず、本を持ち歩きたくなる。
今、わたしが、読んでいる本は、原田マハさんの【独立記念日】
ただいま、3度目の再読中だ。
はじめて読んだのが、28才。その5年後読んだ今、明らかに違う視点からストーリーをみている、自分がいます。
あの頃は、この本のストーリーとして どこか、俯瞰してみていました。
本書は、さまざまな女性が自立していく様子を短編小説として描いている。
きっと、28才のわたしは、自立するにいたってないかったんだと思う。また、浅いところまでしか理解していなかったのだろう。
それなのに、今では、ストーリーが、胸に どどど!と、突き刺さるし、とても共感できる。
これが、成長なのか。
今より、何年か前のほうが、心地いい空間が、たくさんあった。あまり、深く考えてなかったのだと思う。
余計なところにまで、気を張るのは、そろそろ疲れてきた。
いつか、この感情を手放して、
こんなときも、あってよかったな、と思える日が来るといいな。
お読みいただきまして、ありがとうございました😊🌸
むぎあじ。