木と革を組み合わせたアクセサリーケースという名の「USBメモリ&イヤホンケース」
こんにちは。
PLYLISTという屋号で、家具、革小物、金継ぎなどの制作をしています。
小尾口達貴(@plylist.koguchi)といいます。
木と革を組み合わせたアクセサリーケースが欲しいという依頼をいただいたので、
どんなものを制作したのか紹介したいと思います。
アクセサリーケースの用途
そもそも、「アクセサリーケース」といっても
よく分からないふんわりしたイメージしか出てこないと思いますが、
今回依頼されたものは、ずばり
イヤホンとUSBメモリを収納したい
という具体的な要望がありました。
サイズとデザイン
サイズとデザインは、PLYLISTの名刺入れと同じ感じがいいという希望でした。
名刺入れについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ということで、具体的なサイズとデザインは決まったので、
名刺入れのデザインのまま、
内側の収納スペースの設計を修正して制作することにしました。
こんな感じでざっくりとした絵を描いて、相談してから制作に進みます。
木を選ぶ
今回、依頼をしてくださった方は、木が大好きな人でした。
僕が、「好きな木ってなにかあります?」
と聞くと
「栗とか栓が好きですね~。」
いや、渋すぎ!!
と思わずツッコミそうになってしまいましたが、
結局
「めちゃくちゃ渋いですね~。」
と、脳内の思考とほぼ同じワードを発していました。
そして、残念ながら、
手元の在庫には、栗と栓がなかったので、
「他にはなにか好きな樹種ありますか?」
と聞くと
「黒檀とかも好きですね~」
ということで、
どうやら銘木系もお好きなようでした。
在庫には残念ながら黒檀もなかったのですが、
縞黒檀っぽいシャム柿があったので、
それをおすすめしました。
見ていただいたところ、
気に入っていただけたようだったので、
シャム柿で制作することにしました。
ちなみに、シャム柿という名前の木ですが、
柿の木とは全く関係ない木です。笑
木材系のこういうややこしい名前のつけ方、本当にやめてほしい。笑
英語だとziricoteといいます。
収納スペースはしっかり
名刺入れとの最大の違いは、収納スペースです。
今回は、ウェットフォーミングという技法を使って、
革を立体的に成形してみました。
水に浸けて濡らした状態で型にはめ込むと、
くっきりとした立体成形ができるんです。
こんな感じ。
ぷっくりしていて、かわいいですよね。
この後は、革と木を縫い合わせていきます。
すべて手縫いです。
シャム柿×イタリアンレザー(ブラック)×真鍮
この組み合わせは最高に渋くてかっこいい!!
最後にボタンホールステッチをして完成。
できあがり
制作工程は結構ざっくりした紹介になりましたが、
できあがった作品がこちら
作った本人がいうのもあれですが、
「かわいらしいフォルム」と「渋さ」と「かっこよさ」が
うまく共存している感じになったと思います。
サイズは名刺入れよりも、若干大きくなってしまいました。
内側はこんな感じ。
PLYLISTのロゴ入りです。
ウェットフォーミングで立体成形したパーツが特徴的です。
イヤホンとUSBメモリを入れるとこんな感じ。
取り出しやすくていいと思います。
そして、気づいてしまいました。
小さいものなら、なにを入れてもいいじゃないか
ということに。
もちろん名刺も入ります。
なんか、もはやこっちを名刺入れの定番としてもいい気がしてきました。
僕個人的にはこっちの方が好みですね。
あと、うちの奥さんもこっちの方がいいって言ってました。
このケースに入る小さいものだったら、
なにをいれてもアリだと思います。
使う人のアイデア次第で用途が広がる方が、
作り手としてもうれしいですね。
そして、なにより、このケースを使うときに、
ちょっと気分が上がる
というのがいいんですよ。
日常的に使うものは、お気に入りのものにする
とか
毎日使うものは、いいものにする
というのはとてもよく分かりますし、
そうされている方も多いと思います。
今回依頼していただいたケースは、
頻繁に使うものを「収納するもの」を上質なものにする
という考えです。
この発想は僕にはあまりなかったのですが、
めちゃくちゃいいなと思いました。
正直、USBメモリ使うたびにテンションが上がることとか、
USBメモリを抜き差しするたびにテンションが上がることとか、
ほぼないと思うんですよ笑
でも、そのケースを上質なものにすることによって、
USBメモリを出す瞬間とか、
仕事をするときに気分があがるんですよね。
無機質なデスクの上にこのケースがあるだけで、
僕はちょっとうれしいかもしれません。
無駄になでちゃったりして、
デスクワークはかどらないかもしれませんけど。
というわけで、
アクセサリーケースケースという名の、
なにをいれてもいいケース
の紹介でした。
PLYLISTでは、今回のように
オーダーメイドやパターンオーダー、セミオーダー等も受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。