クレームは宝の山-1 〜対応の基本
今週からは、3回に渡り「お客様からのクレーム」について、記します。
「クレームは宝の山である」
こんな言葉を聞いたことがある方も、多いのではないでしょうか。
クレームが発生したことに対して、ネガティブに捉える方は多いですが、対応次第ではお客様の信頼を取り戻し、強い信頼関係を築けることもあります。
また、クレームを言って下さるお客様はごく一部に限られます。
大多数のお客様は、何かクレームを言いたいことがあったとしても、無言で離れます。
このような「声なき顧客」は、「サイレントカスタマー」や「サイレントクレーマー」とも呼ばれます。
以下のグラフが示す通り、不満に感じるがあってもクレームを言ってくださるお客様は一握りです。
日米比較では、日本の方が企業への申し出率が圧倒的に少ないですね。
なぜ、多くのお客様はクレームを言わないのか。
理由として、お客様が商品サービスに不満を感じたとしても、「クレームを言うために使うの労力や時間がもったいない」、「対象店舗や企業に対して無関心である」などが挙げられます。
次に、クレーム対応の基本についてお伝えします。
弊社では、以下の【3つの流れ】を抑えて頂く形をお勧めしています。
基本的には、店頭で受けるクレームも、電話やメールでのクレームについても、この流れで対応することが可能です。
【クレーム対応の3つの流れ】
1.お客様の話を聴く・謝罪をする
2.原因を伝える・再度謝罪をする
3.解決策の提案をする
(2と3は前後する場合があります)
この流れは、お客様のニーズに対応する順番となっています。
クレームを言ったお客様のニーズの多くは、以下の通りです。
まず話を聞いてほしい。指摘箇所を伝えたい。
原因(なぜ起きたのか)を知りたい。
どのように対応してくれるのかを知りたい。
それでは、ある飲食店でのクレームをモデルにその対応について、詳しく見ていきます。
【モデルケース】
店頭のお客様から、接客対応に対する不備についてご指摘があった。
・料理提供までに長時間かかった上に、間違った料理が提供された。
・お客様はお怒りのご様子。
・スタッフから店長へ報告があり、店長が対応する。
1.お客様の話を聴く・謝罪をする
お客様の話をよく聴き、不快な思いをさせてしまったことに対してお詫びをします。
【対応例】
「この度はお料理のご提供につきまして、ご提供にお時間を頂きましたこと、また、別のお料理をご提供しまいましたこと、大変申し訳ございませんでした。」
2.原因を伝える・謝罪をする
正確な事実を確認し、ご迷惑をお掛けしてしまった原因をお伝えします。
【対応例】
「原因を確認しましたところ、オーダーが重なってしまい調理に時間がかかりご提供に遅延が生じてしまいました。また、スタッフの伝票の確認ミスにより別のお客様よりご注文頂いたお料理を誤って提供してしまいました。大変、申し訳ございませんでした。」
3.解決策の提案をする
お客様にご理解・ご納得頂けるような解決策をご提案します。
【対応例】
「今回は、私どもの不備でご迷惑をお掛けしてしまいましたので、該当のお料理のお代をサービスさせていただけませんでしょうか。」
まずは、この3つの大きな流れを頭に入れて頂ければと思います。
クレームの発生は、どのような内容であれ、非常に心苦しいものです。
しかし、不満を声にされないお客様が多い中、クレームはこちらの不備を声にして教えて下さっています。
店舗や企業にとっては、非常にありがたいことです。
店舗や企業は、クレームによって挙がったご指摘から、今後の改善策や再発防止策、予防策を考えることができます。
こういったことから、クレームは「発生して終わりではなく、そこからが始まりである」とも言われます。
次回は、お客様の「心の声」について、深堀りしていきたいと思います。
株式会社JEAN
河上 朗
マッケニーさんのCMC Language ServiceのHPはこちら: