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アマゾンプライムお薦めビデオ④ 171:埋もれた傑作を発掘してこその映画紹介マガジン!、ということで『先生!口裂け女です!』
と、タイトルに書いたように、この映画、何人の人が知っているだろうか。まあ、騙されたと思って観てみて欲しい。本当に騙されたと思う人もいるだろうし、意外に良かった、という人もいるだろう。私自身も「意外に良かった」というか、「むしろ、素晴らしかった!」と思っている一人である。
まあ、正直、いわゆるB級映画ではある。でも、というかだから良い。わざわざ映画館に行って見るほどでもない。長さ的にも長すぎず、気楽に見るのにちょうどいい。実は、というか案外アマゾンプライムビデオに我々が期待しているのは、その手の映画なのではないだろうか。もちろん、見逃してしまったり何らかの理由で観られなかった大作にして傑作を、自宅で観る、という需要は少なからずあるだろう。しかし個人的にはアマゾンプラムビデオもその一つに数えられるネット配信映画には、そこ(気軽に気楽に映画を見て楽しみたい)を期待している人も少なくないと思っている。そう、かつてのVシネの位置である。改めて説明するのもなんだが、VシネとはVHS(今の若い人には伝わらないかもしれないがビデオテープのこと)によるシネマ(=映画)であった。しかしそこから例えば三池崇のような監督もでてきたし、『呪怨』のようなJホラーも出てきた。同じくJホラーの初期の傑作である『リング』がVHSビデオを重要な小道具として使用していることからも、当時のVHSビデオが今のネット映画的な地位を占めていたことが確認出来よう。
と、映画自体の紹介よりもVシネ、あるいはVHSビデオというメディアの説明が長くなったが、この映画、その我らが愛したVシネの系譜として位置づけられる作品と言っても過言ではない。実際、ネタも古い。あの「口裂け女」(これを知らない人はさすがにいないと思うが、もしあなたがその知らない世代の人であれば、是非いろいろと調べてからこの映画を見て欲しい。ちなみにかの『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズでおなじみ?の白石晃士監督も『口裂け女』という作品を撮っている!さらに言えば『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』ファンにはおなじみの大迫茂生氏もこの映画、『先生!口裂け女です!』に出演している)を敢えてこの令和の時代に取り上げているし、しかもその口裂け女が乗っている原チャリはいかにも80年代モデルというこれまた当時を知っている人にはぐっとくるものである(というか当時を知らない人にも「えっ、こんなデザインの原チャリあったの」というインパクトは与えてくれるだろう)。そして何と言ってもここでの主役たちはいまや絶滅危惧種とも言われている「ヤンキー」たちである(というか「ヤンキー」が「原チャリ」に乗っているという時点で既に80年代リバイバルというか80年代レスペクトなのであるが)。と書くと、「何、回顧趣味なの?」と思われるかもしれないが、とんでもない、映画自体はまさに今の時代を描いている。そう、つまりは基本的には今も昔も何も変わっていないのである。ツールやメディアが変わっても、基本的には我々が好きなもの、私たちが好きなものは、何も変わっていないのである。我々はヤンキー映画が好きだし、ホラー(オカルト)映画が好きだし、Vシネが好きだし、B級映画と言われようともその手の映画が大好きなのである。
ということで、この記事を読んで「?」あるいは「!」と思った人にはぜひ見てもらいたい映画であることは間違いない。ちなみにこの映画を配給している「エクストリーム」という会社は、かの『テリファー』を日本に持ってきた配給会社でもある。その点でも期待できる映画であることは保証できるであろう。