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「辺りは、すっかり」
クレーンが、忙しなく動いているのを横目に見ながら、
自転車を走らせる。
あそこでも、ここでもやっている、解体工事。
お陰で、辺りは、すっかり更地が増えてきた。
何が出来るのか、工事案内パネルを見てみるが、
1年後に完成と書いてあって、自分には興味があまりない、
大型のG M Sや集合住宅らしきマンションたち。
それとは別に、道路工事も忙しく行われていて、年度末を感じる。
ガードマンが大声を上げて、大型のトラックが土砂を積んで、
白い幕に囲まれて封鎖された中から出てくる。
黒光りした金属の大きな塊が、もわっと目の前に現れる。
道路を旋回して、勢い良く土砂を運んでいく。
今がピークなのだろう、カタケタと音が鳴り響いている。
いつの日か、この音たちも落ち着くのだろう。
なんだろう、なぜだろう。
静けさがやってくるのが、逆に恐ろしくなってきた。
キコキコと自転車を走らせながら、自分の居場所を探し続ける。
マスク越しに感じる、次の世代へと向かっていく世の中を、
切り離して考える、自分がいるのは確かなこと。
世代交代の喜憂を感じて、文をしたためる。
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