『早い早すぎる』

このまま

今の状態を保って

駆け抜けて良いのだろうか

あまりにも早すぎて

身近にあるものが

見えなくなってきた

それを求められて

その先を手にすること

熱いまま持ち帰るように

それだけで良いのだろうか

余計なことなど

考える余裕もなく

なすがままに

今もこれからも

走り続けるしかない

少しのわがまま

寄り添う余裕が欲しい

心の隙間にしまい込む

遠ざかっていき

消えてしまわないように

身近なものたちに微笑み

カサついた肌を

両手でもみ温める

唇が尖らないように

鏡を見て確かめる

なりたい姿を忘れない

温かく優しく柔軟な姿勢

早い早すぎても

変わらないものとして

最後まで守っていたい

大切な人を

いつでも迎え入れられる

準備だけはしていたいから