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「夜の散歩道」

夜の散歩道、日中と同じルートを辿ってみる。

街灯が付いていない真っ暗な歩道と、明るい舗道。

足元が見えない分、

足裏に伝わってくる小石の踏み応えを、不意に感じてびくつく。

日中はそうでもないのに、不意に訪れるもの襲ってくるもの、

小さなことなのに、反応してしまう自分がいる。

そう言えば、ホラー映画は好きだが、お化け屋敷は苦手な方かな。

人が少なく歩きやすい夜の散歩道、風は冷たいが左程気にならない。

家々から漏れる灯り、遠くなっていくにつれ、

今日あった出来事も、不思議と遠くなっていく感覚を覚える。

帰り道では、何も無かったかのように、真っ白になっている。

夜空を見上げると、星がキラキラと瞬いていた。

何を伝えようとしているのだろうかと、もう一度見上げて、

瞬く星たちに明日も晴れますようにと、願いを込めて呟いた。

人の笑い声が聞こえ振り返ると、若者たちが外で酒盛りをしていた。

夜の散歩道、視野が狭い分だけ一人の時間を感じやすい。

個に浸り、自分と向き合い、心をリセットして、

人肌の温もりを求めて、明日へと自分のペースで向かっていく。


色のないモノクロの世界にも、輝きを見出すかのように

ひたひたと歩いていく


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