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『ちぐはぐに見えてしまう』

白鳥はとても大きな白鳥だった

水鳥は水鳥らしく魚を食べていた

道路脇に転がる軍手片方だけ

歩道には子供用の靴が両脚分

河原の草刈音が遠くから聞こえ

鳩や雀たちが刈られた草に群がる

どれもこれも夏の終わりの風物詩


お互いにちぐはぐだけど

実は絶妙に調和された自然体

お腹が空いているから食べて

一生懸命働いて何かを忘れていく

あらゆる生物と夏が通り過ぎた名残


いつも通りに時は流れ

齷齪とした日常を繰り返す

誰も彼も何も無かったかのように

見て見ぬふりを繰り返す

通り過ぎた後に気付く

大切なもの

こと



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