『目に入ると少し痛い』
雪の目薬が目に刺さって
ちくちく痛い
車のワイパーのように
瞬きの回数が増えて
白い世界を真一文字に
自転車に乗って
ぎゅぎゅっと音を鳴らして
雪道を歩く
下を見ながら歩く人人人
転ばないように躱しながら
真っ直ぐ駅へと向かう
吐く息は白く、空高く上っていく
春が待ち遠しい
昨日までの気持ちを逆撫でするかのように
白い世界が一段と、白く積もっていく
雪が降り続く街中で
柑橘系の香りを探していた
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