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くものした(千字戦二回戦)
空に雲が浮かんでいて、その雲がうすければうすいほど、宇宙からみた地球を想像してしまう。幼い頃よく眺めた図鑑では、地球の青いすべすべした表面に、白いマーブル模様が渦巻いていた。あの図鑑はどこへいったのだろうか。
祖父の葬式は小さな家族葬だった。自宅から車で二十分ほどいくと、護岸のされていない用水路に沿って田んぼがどこまでも続いていて、ささやかな樹林帯があって、その奥に、白い石造りのどっしりした市
KURAGARI(千字戦一回戦)
とにかく、自分がどちらに進んでいるのかを知らなければならなかった。むやみに歩いているうちに、声の反響さえなくなった。そんなに広い地下室など、ありえるだろうか。
きっかけは蜘蛛だった。守衛室からでて、コンクリート打ちっぱなしの廊下を進んでいると、体長が小さなメモ帳ほどもある蜘蛛が、暗い奥の方から迫ってきたのだった。水風船のように膨らんだ腹部は、工事現場のトラバーを歪めたような模様で、自分は焦って
生態園いったりもして
久しぶりで朝から雲ひとつない。曇りはじめる前までは、心配なほど晴ればかりだったのに。起きぬけの窓に青空ばかり広がっていると、みょうにそわそわしてしまう。それは桜が散りはじめたときの気持ちとも、夜空に花火の音が響いてるときの気持ちとも似ている。
コーヒーを飲みながら机にむかって小説を読んでも、内容が頭にはいらない。そこに書かれた少年は、おばあさんの名の日のお祝いでいっしょに踊った女の子に恋をして
歩き旅から帰ってみて
歩き旅が終わって配偶者と京都で合流して、一日目は清水寺と錦市場、二日目は金閣寺と龍安寺と嵐山と伏見稲荷、行きたいとこ全部行く弾丸ツアーして帰ってきて、そこからまたあれやこれやと動き回ってしまったので、明日はゆっくりスーパー銭湯にでも行こうかしらと思っています。
新しい仕事のスタートする日も決まって少し緊張。そこはなるようになるしかないから。
旅はもともと自分の中のなにかを変えたくて始めたことじゃな