39歳で特発性間質性肺炎になり10年後生存率10〜20%と医師に言われて、50歳になりました。
私のnoteを開いて頂いてありがとうございます。
私の病気「特発性間質性肺炎」について、年月順に記載しています。国の指定難病(発病の原因が明らかでなく、治療方法が確立していない病気)で緩徐に進行し続けています。
自己の記憶と記録による内容のため曖昧な点もありますが、同様な病気の方の参考になれば幸いです。また、この病気を多くの方に知っていただきたいと思います。その理由は「⑧最後に」の中に書いておきます。約10年の経過の一気読みのため長文になってしまって申し訳ないのですが、よろしければ「⑧最後に」だけでもご覧いただければ幸いです。
①はじめに、治療の経過概要
最初に年齢、病気と治療の経過は次のとおりです。
1970年12月生まれ2010年1月39歳で病気がわかり2020年12月で50歳です。
現在2021年1月までの11年間に病名の変更、病院の転院や担当医の変更もありました。
■病名
特発性間質性肺炎➡︎2010/1〜2015/6
病名変更→慢性過敏性肺炎➡︎2015/7〜2016/4
病名変更→特発性肺線維症➡︎2016/5〜現在
睡眠時無呼吸症候群➡︎2015/7〜現在
■治療等
在宅酸素療法➡︎2018/5〜現在
片肺移植登録後待機中➡︎2018/10〜現在
電動車いす使用➡︎2019/6〜現在
呼吸器リハビリ➡︎2019/7〜現在
■6分間歩行
2017.10.18酸素吸入開始前
501m spo2最低76 脈拍未記録
2018.6.20酸素吸入2L連続
430m spo2最低73 脈拍140
2018.12.10酸素吸入開始後未使用
330m spo2最低67 脈拍160
2019.6.5酸素吸入5L連続
420m spo2最低74 脈拍147
2020.3.23酸素吸入5L連続
360m spo2最低72 脈拍153
■肺活量
2015.4.17 3,750ml
2015.7.3 3,490ml
2016.11.14 3,650ml
2017.10.18 3,490ml
2018.6.19 3,370ml
2018.12.10 2,750ml
2019.4.26 2,940ml
2019.6.6 2,540ml
2020.3.24 2,770ml
■血液ガス(動脈血中酸素濃度)
2016.5.17 70 酸素なし
2017.8.21 86 酸素なし
2018.12.10 67 酸素3L
2019.6.6 48 酸素なし
②病気がわかるまで
2009/12に1か月間、咳が続いたため翌月に近くの病院を受診しました。レントゲンに影があり紹介状により大きな別の病院でCT撮影をしその画像(すりガラス陰影)等から特発性間質性肺炎(非特異性間質性肺炎「NSIP」の可能性がある。)と診断されました。
③初期の治療
2か月に1度の受診で通常の風邪の症状の薬だったと思います。
年月不明 気管支肺胞洗浄1回目を実施。
2012/2 外科的肺生検(胸腔鏡下肺生検)。
2013/5 ステロイド剤のプレドニン10mg処方開始
2015/4 気管支肺胞洗浄2回目を実施。
2015/5 身体障害者手帳4級1種交付。
2015/7 病名が慢性過敏性肺炎へ変更、また睡眠時無呼吸症候群の診断と治療のためCPAP開始と、2か月1度の受診から毎月受診へ変更。
2015/10 障害年金支給開始(障害等級2級)。
④特発性肺線維症へ
最初に特発性間質性肺炎と診断されたときは、その中に数種類ある非特異性間質性肺炎「NSIP」の可能性があると診断されました。その後、病状や検査の結果等から慢性過敏性肺炎に病名が変更になりました。
担当医師の話では病名の診断については、例えばリトマス試験紙で酸性やアルカリ性のように明確に判断できるようなものではないそうです。間質性肺炎と慢性過敏性肺炎は症状等に似ている部分があるので診断が難しいそうです。
現在は、高分解能CT(HRCT)画像で蜂巣肺(ほうそうはい)を確認の他、いろいろな所見、病状より病名が特発性肺線維症(特発性肺線維症「IPF」は特発性間質性肺炎の中の1種です。)へ変更になりました。
2016/5 特発性肺線維症に病名変更。
2016/6 ピレスパ処方開始。
2016/6 特定医療費(指定難病)受給者証交付(上限20,000円) 。
2016/12 特定医療費(指定難病)受給者証(上限10,000円) 。
2017/8 ピレスパの副作用によるめまいが強かったためオフェブ処方へ変更。
オフェブの薬価が1錠6,676円と高額のため通常の健康保険証での3割負担だと毎月の受診と薬代で1か月に150,000円くらいになります。その他に在宅用医療機器の使用代金もありますが、それが特定医療費(指定難病)受給者証のおかげで上限の10,000円の支払いのみで済むため、診察を受けられて薬を買うことができて本当に助かっています。
⑤在宅酸素療法へ
呼吸器機能低下により自発呼吸(自然呼吸)では空気中の酸素を肺から血液に取り込む量が不足するため、家庭用の酸素濃縮装置により高濃度の酸素をチューブで鼻から直接吸います。
酸素濃縮装置は空気中にある約80%の窒素と約20%の酸素から窒素を除去して酸素を取り出す仕組みです。液体酸素を補充するようなことはなく家庭用の電源があれば使用できます。
2018/5 安静時1L/分、労作時2L/分で在宅酸素療法開始。酸素ボンベではなくバッテリーやコンセント電源で使用できる携帯型の酸素濃縮装置。職場ではコンセント電源の使用許可を得て使用。
↑ハイサンソポータブルα(CPAP接続不可能)
TEIJIN Medical Web 帝人ファーマ株式会社
(リンク先で「はい」を選択)
https://medical.teijin-pharma.co.jp/zaitaku/product/hi-portable-a/index.html
2018/10 炎症を起こしている両肺のうち、より進行している左肺を臓器移植希望登録済。
2019/1 職場産業医面談で病状より仕事を休むよう指示があり翌日より1年間病気休暇を取得。その後年次有給休暇の残りを消化し現在まで休職となる。
2019/4 安静時3L/分、労作時5L/分に酸素流量変更。今まで使用していた酸素濃縮装置ハイサンソポータブルαの連続最大酸素流量が3Lのため連続最大酸素流量7Lまで可能な酸素ボンベとサンソセーバー5に変更。
↑サンソセーバー5
TEIJIN Medical Web 帝人ファーマ株式会社
(リンク先で「はい」)
https://medical.teijin-pharma.co.jp/zaitaku/product/saver5/index.html
それに合わせて家庭用の酸素濃縮装置ハイサンソ5Sを新たに設置。
↑ハイサンソ5S
TEIJIN Medical Web 帝人ファーマ株式会社
(リンク先で「はい」)
https://medical.teijin-pharma.co.jp/zaitaku/product/hi-5s/index.html
⑥電動車椅子使用へ
酸素ボンベとサンソセーバー5の使用に変更になり、外出時は必ず鉄製の酸素ボンベを引いて歩くことになりました。
使い始めた頃は自分で引いて数百m歩くことが出来ていましたが、だんだんその距離は短くなり酸素吸入5Lで50m歩くだけでもspo2が60.70台に落ちるようになりました。
既に肺の機能が半分ほどに落ちている状態の私には少しの移動でも息苦しくなります。それで呼吸器疾患で電動車椅子の使用が可能か役所の障害福祉課、地元の福祉介護用品業者に相談をしました。
2019/6 電動車椅子使用開始。呼吸器疾患でも使用可能なため電動の操縦ができるか使ってみて大丈夫だったので業者から借りて使用。また個人用としての購入に必要な手続きを開始。
2019/7 呼吸器リハビリ開始、週に2回病院で酸素吸入5Lでのエアロバイク。担当医師の指示により脈拍120以下でspo2が90以上になる軽い負荷での運動。
2019/8 障害年金等級変更で2級から1級へ。
2019/10 個人用として電動車椅子を購入。地方公共団体から9割補助があり1割負担の約60,000円で購入。
⑦10年後生存率10〜20%に残った
2010/01〜2020/01の10年を生き延びることが出来ました。ひとまず10年持ちこたえられて良かったです。それでも進行が止まっているわけではなく少しずつ、緩徐に進んで10年が経ちました。
でもその間は、夜明けの来ない夜はなかったです。支えてくれた家族、医療従事者、友人、職場、社会に助けられて感謝しています。悩んだ日もある、哀しみにくじけそうな時も、あなたがそこにいたから生きて来られた。
(松田聖子「瑠璃色の地球」より一部引用)
2020/09 呼吸器リハビリに行く前に酸素吸入5Lで自宅にてシャワーを浴びた後にspo2が45、脈拍155になり座って安静にして4分後正常値に戻ることがあった。
spo2が50台になったことは過去2回ありましたが40台になるのは初めてでした。常時酸素吸入5Lでも少し動けばspo2は80.70.60台にはすぐに下がります。
下記はパルスオキシメーターとスマホアプリが連動できるもので記録したspo2が40台に実際に下がった時のものです。グラフの上がspo2と下が脈拍ですが、青緑色のspo2の線がグラフの下限の80を大きく下回って下の脈拍のグラフの更に下がspo2の40台と言うわかりにくい表示です。
↑酸素飽和度メータ「パピッとパルスオキシメータ」PLS-01BT(Bluetooth®機能付きモデル)
株式会社カスタム「NURSE ANGIE」
(リンク先で「はい」)
https://www.nurse-angie.jp/medical/products/PLS-01BT.html
2020/10 毎月の診察時にシャワー後のspo2が45になったことから安静時3L、労作時5L、入浴時7Lに酸素流量変更。今まで使用していた酸素濃縮装置ハイサンソ5Sの連続最大酸素流量が5Lのため最大酸素流量7Lまで可能なハイサンソ7Rに変更。
↑ハイサンソ7R
TEIJIN Medical Web 帝人ファーマ株式会社
(リンク先で「はい」)
https://medical.teijin-pharma.co.jp/zaitaku/product/hi-7r/index.html
⑧最後に
2020年12月、50歳になり約10年を改めて思い返しながら記録を整理してみました。時系列で事象の内容を主に記載しました。約10年の病気の進行による身体への負担はかなり大きいです。
特に記載はしていませんが、本来はこれに加えて難病や障害者への個人、職場や社会の考え方の相違による精神的、対人的、物理的な負担も加わってきます。これもまたかなり大きいですね。
毎年、去年と比べてどうかと思い四季を感じていますが実感として進んでいるのがわかります。残念ながら約10年間で出来ることが少しずつ減っています。特に近年は減る量が多いですね。
だからこそ、あきらめたらそこで試合終了ですよと思います。大事なのは明日へ向かおうとする意思だと思っています。ネガティブ思考、無駄無駄無駄無駄無駄ァァァー!
(「SLAM DUNK」、「ジョジョの奇妙な冒険」より一部引用)
ただ、どれだけ明日に希望を持って生きながらえたとしても、移植待機者は移植されないと自分の身体では限界があることは良くわかっています。日本は移植が少ない国のようで、大金を払って海外に渡って移植を受ける場合もあるらしいですね。
現在の医学では病状の進行を遅らせる薬はあっても治療出来る薬は無いので、最終的には移植に頼るしかないのが現実なのです。
結局は、臓器提供意思表示カードに記入してくださる方がいるおかげで明日への希望と命がつながっています。
皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク
https://www.jotnw.or.jp
唯一救いがあったとすれば、この病気になったのが我が子ではなく私だったことだけです。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
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