花粉症の意外な秘密 - がん予防に効果的?驚きの健康効果とは~「Dr.ナグモの栄養外来ch」より
はじめに
花粉症といえば、春の訪れとともに悩みの種となるアレルギー症状ですが、実はその花粉症がある意外な健康効果をもたらしているということをみなさんは知っていますか?
こちらのがん専門医である南雲吉則先生(ナグモクリニック総院長)の動画では、その花粉症がもたらす健康効果と、独自の花粉症対策について紹介がされています。
増加傾向にある花粉症
そもそも現在の日本にはどのくらい花粉症患者がいるのでしょうか?
近年の調査によると、20数年前までの花粉症患者は全人口の約30%でしたが、その10年後には40%、そして現在はなんと約50%の人々が花粉症になっているという驚きの調査結果が報告されました。
このまま増加が続けば、10年後には60%、20年後には70%と、ほとんどの人が花粉症になる恐ろしい時代が来るかもしれないと南雲先生は警鐘を鳴らしています。
花粉症とがんリスクの意外な関係
しかし、そんな花粉症が驚くべきこと健康効果をもたらしていることが近年の研究で判明いたしました。
それは、がんリスクの低減です。
2015年に東京大学の研究グループが行った調査によると、花粉症を持っている人たちの全疾患の死亡リスクが43%も低く、がんの死亡リスクに関していえば52%も低いということが明らかになったのです。これは驚きですね。
さらに、アレルギー全般を持つ人たちに関する2012年の論文では、20年後に命に関わる脳腫瘍になるリスクが50%も減少していたことが報告されています。
また、2015年の論文では喘息持ちの人は膵臓がんのリスクが36%低いことが判明しており、アトピー性皮膚炎の人は大腸がんのリスクが14%低くなっているということも判明したのです。これらはいったいどういうことなのでしょうか?
花粉症と免疫の働き
実は、花粉症持ちの人は免疫が活性化している状態にあります。
これにより、花粉だけでなく、同時にがん細胞を攻撃する可能性があるとされているのです。
そのためそれががん細胞の排除に役立ち、がんリスクの低減に繋がっているのだと考えられているようです。
花粉症との共存を目指して
このようなデータから、南雲先生は花粉症を治そうとするのではなく、共存していく考え方が大切だと述べています。
花粉症の症状は花粉が体内に侵入した際に、免疫システムが過剰に反応して起こるものです。花粉症は別に私たちに悪さをしようとしているわけではないのです。
ですから、花粉症と共存するための対策をとることが重要なのだと南雲先生は提唱されています。
花粉症の解決方法
とはいえいくら共存が望ましいとはいえ、花粉症が辛いという事実は変わりませんよね?そんな花粉症に対する独自の解決策も南雲先生は紹介しています。
花粉症のシーズンになると、当然ながらマスクを着用いたしますが、この時にマスクの中にティッシュペーパーを挟んでそこに鼻水をダラダラと流すというのです。これにより花粉が鼻の奥に入るのを防ぐことができます。これを「鼻うがい」もしくは「鼻洗浄」と言います。
また、鼻が詰まっているときには口から呼吸することで、口の中に花粉がトラップされ、口の粘膜で花粉に対する「減感作」と呼ばれる免疫の慣れが生じます。これにより鼻水が止まり、薬を飲まずに花粉症の症状を軽減することができるとされています。
おわりに
私たちにとっては辛く苦しい花粉症ですが、それでもそんな花粉症には良い側面もあるということが分かりましたね。
したがって、花粉症は苦しいだけの悪者だとネガティブに捉えるのではなく、がんリスクを低減させる良い側面もあるんだとポジティブに捉え、花粉症と共存し、楽しく健康的な毎日を過ごすことが大切なことなのかもしれません。
この記事で紹介した内容について、さらに詳しい解説が知りたい方は、がん専門医である南雲吉則先生のYouTube動画をご覧ください。
動画では、花粉症とがんリスクの関係や、対策方法について分かりやすく解説されています。今回の記事で学んだ内容をさらに深めることができるでしょう。