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経験者には、ある種の色のようなものが見えて来る

全国の高齢者施設ではあちらこちらでクラスターが発生している。
ニュース記事で見るよりもそこにお勤めされているスタッフが書いているブログを読む方がよほど実情が分かる。

あるところでは小規模多機能で20名近くも発生。
本当にお辛いことだと思う。

しかし、こういう時に人間性というものが出る。

さささーっと頭を働かせる者、さささーっと感染セットを運び出しセットする者。報告するもの、ご利用者のご状態をチェックするもの。ばたばたとそれぞれの動きをする。施設なら廊下にテーピングをして感染領域、非感染領域、注意領域。赤、青、黄色でテーピングをする者たち。無数にも見える蓋つきゴミ箱を正しい位置に置く者もいる。

そんな中で異彩を放つのは、ただ怒っているだけの人。
誰のせいだ、かれのせいだ、対策がなっていないだのと、色々口だけ動かしつつ、入っていけない感染領域にガウンなしで入って来たり、ガウンを装着したままブルーの領域に出ていたり、もっと酷いやつは鼻マスク。

ウイルスに色がついていれば、この何もしない人が一番濃く染まっていることだろう。

各所の現場で起こる出来事、見かける人々の話を聴いていると、そういう人ってどこにでもいるのだなと思う。

守るべき者が一致していない。

責任とか体裁とかではなく、命を見詰める場面のはずだった。

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