マガジンのカバー画像

もぐら録

15
紫原明子さん主催のもぐら会にて執筆したエッセイ、「日々の問い」に対する回答や、生活をしながら考えた自分のテーマに対する思考の記録です。
運営しているクリエイター

#日記

GoTo女の一人旅、輪郭を取り戻す旅

GoTo女の一人旅、輪郭を取り戻す旅

決めた。行こう、瀬戸内海。

コロナウイルスが猛威を振るい未だ多くの人が移動を自粛する中、もう居てもたってもいられず一人旅をすることに決めた。 都合の良い解釈なのはわかっているけれど、呼ばれているような気がしたのだ。瀬戸内国際芸術祭の舞台にもなる、直島および周辺の島々。穏やかな青い海、気持ちの良い風、島の自然に溶け込むように存在するアート作品達が待っている、あの場所へ行かなければ。

こんなにも一

もっとみる
愛を教えてくれた、桃のこと

愛を教えてくれた、桃のこと

スーパーの店頭に桃が並ぶ季節になった。うやうやしくこちらを見つめるピンクと白のグラデーションの丸。私の一番好きな果物だ。

実家で暮らしていた頃、この季節になるとたまに母が食後に桃を剥いてくれた。ひとつの桃を母と弟とわたしの3人で分ける。美味しい水々しい果肉部分は弟とわたしに同じくらいの量だけ。母は種の周りについた果肉の部分。

小さい頃は、母も同じくらいだけ桃の取り分があるように見えていたけれど

もっとみる
直線的な時間と円環的な時間

直線的な時間と円環的な時間

先日、会社で賞をもらった。
「良い仕事を賞賛する」という趣旨のイベントで、社内では最も誉れ高い賞、ということになっている。全社員の前で自分のやった仕事をプレゼンしてナレッジ共有されると同時に審査され、受賞者が決まる。今期から営業とスタッフが異種混合戦になってしまったせいでスタッフにとっては不遇・・・と思っていたけれどスタッフで唯一表彰してもらうことができた。

過去、諸先輩が表彰されてきたのを見て

もっとみる
炎上商法と、想像力

炎上商法と、想像力

「え、プロモーションだったの、あれ。」
Twitterでは選挙に京アニ、吉本にと情報が溢れかえる中、パワハラセクハラを訴えていた若い女性の投稿がレペゼンの炎上商法だったとの情報が目に飛び込んだ。

このプロモーションは本当に趣味が悪いし最悪だし許せないと思っていることを前提として、若い人たちが賞賛してしまう背景を考えた。それは多分、パワハラセクハラのリアルな実感がないからなのではないかと思った。

もっとみる