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【東日本編】 アートに泊まれる・アートと過ごせる 宿泊施設 5つ
「Go Toトラベルなんてなくても、出かけられるものなら旅行に出かけたーい!」という旅行好き・アート好きのみなさーん。長距離の移動がなかなか叶わず、一方では観光業の苦境も耳にして もどかしい日々ですね… わたし自身も美術館めぐり・旅行が趣味ですが、昨年は計画を立てつつ諦めた目的地が多数…
「移動ができるようになったらもう一度訪問したい」「まだ行ったことがないので行ってみたい」 アートも楽しめる宿泊施設をピックアップしてみました。【東日本編】【近畿地方編】【中国・四国・九州編】の3回に分けてご紹介していきたいと思います。
【東日本編】
1) 白井屋ホテル(群馬県)
2020年12月に、群馬県前橋市にオープンしたホテル。江戸時代から300年続き、森鴎外、乃木希典などの多くの芸術家や著名人に愛されたものの、2008年に廃業した「白井屋旅館」を建築家・藤本壮介さんがリノベーション。
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館内の共有スペースには、レアンドロ・エルリッヒ、リアム・ギリック、ライアン・ガンダー、杉本博司さんといった世界的に有名なアーティストの作品が並ぶほか、宿泊者のみが見学できる宮島達男さんのインスタレーションの小部屋も。
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客室にも1部屋ずつ異なる作品が展示され、「作品と一緒にすごす一日」を体験することができます。
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さらに今月、現代美術作家・杉本博司さんと建築家・榊田倫之さんによる「新素材研究所」の手がけた特別個室「真茶亭」も完成したとのこと。
近隣には、商業ビルをリノベーションした美術館・アーツ前橋や、岡本太郎さんによる幻の作品 ≪太陽の鐘≫ もあり、周辺の散策も楽しいホテルです。
▼宿泊したレポートを寄稿しました。
2) 大黒屋(栃木県)
栃木県の板室温泉にある創業約470年老舗旅館。「老舗」といったイメージとは裏腹に、旅館の入り口にかかる暖簾から館内の廊下、さらに庭にまで、「もの派」の代表作家の一人・菅 木志雄さんの作品をはじめ、たくさんの現代アート作品が展示されています。
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250点以上もの菅木志雄さんの作品を常時展示する「菅木志雄 倉庫美術館」は、宿泊者以外でもツアー形式で鑑賞することが可能です。
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館内のギャラリー「大黒屋サロン」で月替りで若手作家の展覧会を開催するほか、大黒屋が支援する作家の作品を展示・販売する「しえんギャラリー」、貸しギャラリーとしてなど「○△□ギャラリー」、旅館の内外でも多数の作品が楽しめます。
常設の「何回来ても変わらずに再会できる作品」と、ギャラリーでの「訪れる度に新しく出会える作品」があって、繰り返し訪れるの楽しみもある旅館です。
▼宿泊したレポートを寄稿しました。
3) 光の館(新潟県)
現代アーティストのジェームズ・タレルが、谷崎潤一郎の「陰影礼賛」にインスピレーションを得て、大地の芸術祭 越後妻有アート・トリエンナーレ2000において発表した作品が、宿泊施設として公開されています。
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屋根がスライドし、開かれた天井から“空”を見ることが出来る部屋や、光ファイバーによって水中には光が満たされる浴室など、施設全体が光と空間を題材とした作品になっています。
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作品として、3家族がこの館で一晩交流することをアーティストが望んでいるため、少人数の場合は複数グループで同泊になるといった、ちょっと変わったシステムも。(料金は組数割制)
日中は見学だけも可能ですが、せっかくなら、一日、ゆったりと変わりゆく光を楽しみたい施設ですね。
4) KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS(東京都)
「アートの収蔵庫」と「ホテル」の融合という、ユニークなコンセプトのホテル。館内のスペースを6つのギャラリーが「見せる収蔵庫」として利用し、宿泊者はそれを鑑賞することができます。(CLEAR GALLERY TOKYO、KOSAKU KANECHIKA、NANZUKA、Yoshimi Arts、VOILLD、YUMIKO CHIBA ASSOCIATES)
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収蔵庫=バックヤードという普段は立ち入ることができない場所、なんだかわくわくしますね。
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1Fエントランスに面したギャラリーは、2021年4月からコマーシャルギャラリー「GALLERY ROOM・A」として運用され、また、2022年6月からは1Fのレストランもカフェsafn° (サフン)として運営され、宿泊者以外が楽しめるスペースもあります。
ちなみに、このTHE SHARE HOTELSの系列では、「KUMU 金沢」、「HATCHi 金沢」、「HakoBA 函館」など、土地の特性や建物の特徴を活かし、地域ごとに異なるスタイルでアートを取り入れたホテルが運営されているようで、こちらも気になります。
▼宿泊したレポートを寄稿しました。
5) パークホテル東京(東京都)
東京の汐留メディアタワー・25 階アトリウムからはじまるパークホテル東京。25階のフロント・ロビーの他、30~34階までの客室フロアの回廊等でアート展示が通年で開催されています。
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ユニークなのは、2012年から2017年まで「アーティスト・イン・ホテル プロジェクト」というプロジェクトを開催。アーティストが実際にホテルに滞在し、「アーティストルーム」としてそれぞれの部屋を改装。31階の「アーティストフロア」の客室は、すべて、アーティストの世界感が伝わる、世界にひとつだけの独創的な部屋となっているそうです。
また、毎年「ART in PARK HOTEL TOKYO」というアートフェアを開催。(2020年はCOVID-19の影響で中止) ホテル客室をギャラリーに仕立て展示することで、自宅でのアートコレクションをイメージしやすくするなど、こちらも面白い取り組みですね。
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あぁ…そこでしか観られない作品を観たり、ホテルや旅館に泊まってリフレッシュしたりしたいなぁ…なんて思ってしまいますが。私は都内在住ですが、こんな遠出できない時にこそ、気になっていても普段は泊まる機会のない都内のホテルに宿泊して、外出せずにのんびりと客室で過ごしてみるのも良いかもしれないなと思いました。
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※その他の地域の記事はコチラから
【近畿地方編】
【中国・四国・九州地方編】
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COVID-19が収束したら行きたい、全国の面白そうな美術館もまとめています。
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