他者の支援をしたい。地域に限らず私にできることを。
株式会社PLASTのリハビリモンスター芦屋で施設長として働く理学療法士の衣川圭祐さん。弊社の代表や常務がPLASTを立ち上げる前に在籍していた病院での同僚にあたり、PLASTとは付き合いの長いスタッフの一人です。予防分野への興味や支援への想いから、株式会社PLASTのリハビリモンスター神戸(以下、リハモン神戸)の立ち上げに関わり転職。その後、リハモン芦屋の立ち上げにも関わり、現在は同施設の長として在籍されています。今回、転職の経緯やPLASTでのご活躍、これからどのようなことをしていきたいかをお聞きしました。
人生の先輩方との繋がりから予防事業の立ち上げに関わる
―まずはPLASTをどのように知って転職に至ったかをお聞かせください
大きなきっかけとしては、PLASTの社長と常務と知り合いだったことです。私はお二方がPLASTを立ち上げる前に在籍していた病院の部下なんです。なので、PLAST立ち上げ時点でも交流があって、私がPLASTへ転職する前から色々とお手伝いさせていただきました。様々なイベントをお手伝いさせていただく中で、予防特化と言いますか、要支援専門のデイサービスをやろうと考えているんだっていうお話を聞いた時に、面白そうだなっていう印象があって。興味があったらやらないか?とお誘いをいただいたので、是非やらせてくださいという流れで転職しました。
ー今から考えるとPLASTとの付き合いはとても長いですね。色々とお手伝いしていたというのはどういった内容でしたか?
PLAST立ち上げ時にはプラスト新長田という半日型のデイサービスがあって、土曜日も営業していたので平日は病院に勤務しながら土曜日はアルバイトとしてPLASTで働いていました。また、近隣の施設で行うイベントにスタッフとして一緒に参加したり、治療会をしたり、日曜日の午前中には自費診療の治療をしたりとか、色々関わらせていただきましたね。本格的にPLASTに在籍はしていませんでしたが、PLASTができてからずっと関わりを持たせてもらっていました。
―転職に至った理由として予防特化施設の立ち上げのお誘いを受けてとおっしゃっていましたが、病院時代から転職は考えていたんですか?
考えてましたね。やっぱり、今の社長もそうだし、常務もだし、すごくお世話になったのもあって、理学療法だけでなく社会人としてのことも含めて本当にいろんなことを教えてくれた存在で、この人たちとはずっと一緒に仕事したいなっていうのは当時からあったので。
転職までの経緯としてですが、ちょうど私が臨床4年目に入った4月頃に神戸市で総合事業制度が始まる話があったんです。そこで、PLASTでは予防特化の通所サービスを同年12月に始める話を聞いたので、そこに向けて転職準備をしたっていう感じです。だから、病院勤務をしながら休みの日に毎週ミーティングをさせてもらったりして、どういうコンセプトでどんな事をしようかとみんなで話しあっていましたね。その話し合いからできた施設が”リハビリモンスター神戸”です。
利用者さんへの支援の想いをもとに、予防分野にかけるセラピストとしてのプライド
―ここで予防特化通所型デイサービスのリハビリモンスターについて教えてください。
大雑把な説明をすると、自分の体のことを学びながら運動できる場所です。 僕の中での予防の概念は、患者さんや利用者さんが自分自身の体の状況について、自分で理解して、こういうところが良くないからこういう風にしたらいいんだっていうのを理解することから始まるのかなと。それが予防につながるのかなと思ってます。
利用者さんにそのようなご理解があると、 例えば自分の体に何か起こった時に、こういう風にやった方がいいって言われてたな、自分の体はこうだからこうしたらいいって言われてたな、みたいなのを利用者さんが覚えていれば自分で対処できるから、 自分自身の体のことを知ってもらうっていうのが、まず予防の第1歩かなと。
なので、なるべく僕ら理学療法士や作業療法士がいて、カラダの評価をして、あなたの体は今こういう状況で、こういうところがこうなってるけど、こういう風にしていったらこうなるかもしれないよ、だからこの運動しましょうね っていうのが学べたら、それが予防なんじゃないかなって。リハビリモンスターで提供する予防のリハビリを考えた時から、この考え方が自分の軸になっていて今もそれは変わっていません。
―あくまで助言者ということですね。
そうですね。理学療法士が直接的に介入しなくてもカラダのケアにつなげていけるところで、しっかりとした療法士としての存在意義を持ってサービスを提供できる場所になっています。
リハモンでは現状個別治療を行わない中で、理学療法士が在籍する意味について、何が役割になるのかなって考えたら、やっぱり評価・分析の説明と運動の提案かなと。リハモンを立ち上げる時点で、療法士の役割はこれだと思っていたので。
―言葉にするのは簡単ですけど、従来の理学療法士の役割とは少し違う印象なのですが、対応に難しさはなかったですか?複数の利用者を同時で対応することも難しい印象です。
そうですね。リハモン神戸に関しては、スタッフ1名に対して8人であったりと多数の方を同時に対応することがあったので、やっぱり全員に目を向けるじゃないけど、満遍なくっていうのはすごく難しくて、疾患別といいますかクラス分けをしましたね。そうすることで利用者様にとってより良く関われた部分は多かったと思います。
―クラス分けのようにシステム構築も含め実質施設長業務も行っていたんですよね?
そうですね。実質そういった立場で仕事をさせていただくことが多かったですね。管理業務も基本全般やってて、振り返れば月末の業務だったりとか、サービス提供における請求業務だったりもそうだし、ケアマネさんとの連携で情報共有とかもさせてもらってました。もちろん、施設内でのプレイヤー業務もやりつつで大変でしたけど色々経験させてもらいました。
今でこそリーダーとはこうあるべきみたいな指針をPLASTでは掲げてありますけど、当時はなくて売上の目標設定もスタッフとのコミュニケーションの取り方も試行錯誤で、、、部署内では一番若くて一回り以上年齢の違うスタッフと関わっていく中で、当然ね、お子ちゃまだったので気は遣いましたよ。笑 でも、皆さんにとても良くしていただいて今があります。
―現在はリハモン芦屋で勤務されていますが、その経緯は?
リハモン神戸で社長のもと実質施設長として仕事をしていた中で、今後は自分が施設長をやりたいという認識はありました。その頃から、徐々にリハモン神戸の認知度が上がり、全国展開を見据えての店舗展開の話がありました。そこで、リハモン芦屋の初代施設長に就任予定だった水田さんとやりたいことの方向性が一緒だったので、一緒に挑戦させていただく流れでリハモン芦屋に異動となりました。その頃は水田施設長のもとでスタッフとして業務に従事しましたが、立ち上げスタッフとして自分も主導となる施設のため、立ち上げに関しては色々と提案させていただきました。
最初はリハモン神戸と同じような形にしたいなと思ってたんですけど、リハモン神戸は要支援の認定を受ける前段階の事業対象者に該当するお元気な方が利用されることも多いんです。なのでリハモン神戸では集団運動等の内容を行えるのですが、芦屋では制度の兼ね合いでリハモン神戸のように事業対象者へのサービス提供はできなかったんです。なので、自ずと介助が必要な人も多くリスクもあってリハモン神戸のように完全に集団で行うよりは、少人数をグループとして安全面の管理をしながら効率的な運動を行えるシステムが必要でした。
そのシステムを考えるためにリハモン芦屋の立ち上げにあたって、スポーツジムとか集団で運動をやってるような場所にいっぱい見学に行ったんですよ。関東までも遠征しましたね。
見学している中で、 サーキット方式で3人1組でいろんな種類の運動を行なっていく一般のフィットネスがあって、これやったら3~4人1組で同じ時間で10人ぐらいが適した運動ができるのかなと思い提案し採用していただきました。
なので、リハモン神戸とリハモン芦屋ではシステムの違いがあって、地域の特性に合わせて運動の内容や提供方法の選択も必要で、芦屋ではサーキットトレーニングを中心としたサービス提供を行っています。
キャリアアップを経て、施設長として今後の展開にかける想い
―現在施設長をされてますが、どのような経緯でリハモン芦屋の施設長になりましたか。
ゆくゆくはリーダー(施設長)も目指していたので面談の際に施設長に気持ちを伝えたことがあります。そのタイミングで教育ラダーも配備され、キャリアアップ研修という制度も展開されたので、一期生として参加しました。非常に勉強になる内容でマネージメントに必要なことを学べましたね。聞いたことのあるワードは多くありましたけど、業務の中で実践していくことの重要性に気づきました。
研修を受けたのちリーダー昇格の課題に対しては、どのようにリハモン芦屋を盛り上げていくかを考えて答えを出しました。苦労もありましたがチーフと役員のフォローもあり最終的に理解を得たことで、リーダーに昇格できました。
個人的に思うのは、昔からの付き合いだから上にとか、経験があるから上にとかじゃなくて、ちゃんとこの会社としてはこういう基準で役割を与えますっていうのがラダーやキャリアアップ研修ができたことで明確になったのは、すごく良いことだったと思います。若手たちもキャリアアップを目指しやすくなるし、とる行動が明確にもなるだろうし。仕事に対するモチベーションも変わるだろうし。
―プラストのいいところですよね。キャリアアップに関しては、他薦もあれば立候補し易いシステムもありますし、挑戦しやすい環境ですね。
確かに!なんかやりたいなって思ったことが、割とこう実現しやすいというか、個人的なレベルのこともそうだし、部署レベルのこともそうだし、いろんなことにチャレンジさせてもらえる環境だなと思います。
その代わり、チャレンジさせてもらう時に準備しなきゃいけないことっていうのは、ちゃんと提示してくれるし。企画書に関しても、色々と助言をいただいてこのレベルに達したらやっていいんだよっていうのもある程度わかるし。 なんかそういった、企画・提案・実行っていうプロセスが、たくさん経験できていろんなチャンスが掴めるというか。プラストで働くなら、やりたいことに挑戦して欲しいですね。
―最後に今後の展望についてお聞かせください。施設をどうしていきたいとか、個人的にどうなっていきたいかなど。
施設で言うと、芦屋市内ではありがたいことにすごく評価を得ていて、 ケアマネさんとの良好な信頼関係も築けている実感はありますね。本当にこう、紹介する優先順位としてリハモン芦屋が高くなっている感じはすごくあるので。実際にリハモン芦屋のどういうところが良いかっていう話を聞いた時に、やっぱりその利用者さんついての報告書が丁寧だったりとか、いろんなことをちゃんとね、専門家の目線で評価して報告してくれるのがすごく嬉しいっていう意見が多いです。
これは今まで、私と水田さんがケアマネさんと地道に連絡を取って様々な事をやってきたからだと思っています。今後は、この作業を直属のスタッフが担っていかなきゃいけないから、まずは外部との関わり方をいかに考えられるかが鍵になってくるかなと。
例えばうちのスタッフが報告書を書いたりケアマネさんに連絡をした際に、外部からの評価が下がらないようにしないといけないし、水田さんや衣川さんの方が頼れると印象が残ったらダメなわけで。そうならんために、施設スタッフが、私たちがやっていた普段の外部との会話内容とか書いてる報告書とかを見て、学んでほしいなと思ってて。仮に僕がぱっといなくなったとしても、その一定の信頼感というか今まで作ってきたこの信用っていうのが崩れないようにしないといけない。もちろんその施設の売り上げを上げていくのもそうだけど、次を担うスタッフも信頼を得られるように育成していかないといけないなっていうのは思ってます。
実際、利用者さんが体験に来られる際にケアマネさんも一緒に来てくれて、利用者さんにリハモン芦屋のスタッフはみんなさん丁寧でね、こんな報告とかもしてくれんのよとか、こんな資料くれたりするからね、みたいに利用者さんに勧めてくれたりとか地域包括のケアマネさんからも、やっぱりこまめな連絡だったりとか、評価・分析だったりとか、すごく助かっているという声はいただいているので、やっぱりこれは大切にしていかないといけないし、自分だけじゃなくてどの施設スタッフが同じことをやっても同じ質が保てるようにしないといけないと思ってます。
―今後の展開はどのようなことを考えていますか?
会社としてだけでなく、私の個人として他者を支援していきたい気持ちも含めて展開を考えたいです。 通所だけじゃなくて在宅での支援として訪問リハビリの展開であったり、利用者さんだけでなくセラピストを志す学生さんの就職支援も含めて考えていきたいんです。学生さんが持っている将来の不安に対して、プラストみたいに病院以外の働き方もあるんだよと伝えたいですね。そのためのイベントも行ってきましたし。会社で展開している内容だけでなく、私から出来る支援を広げていきたいです。
▼リハビリモンスター芦屋
総合事業の予防特化通所型デイサービス。
主として要支援認定を受けた高齢者が利用し、理学療法士による専門性の高い指導を70分というコンパクトな時間で受けながら運動を行う。関わる利用者さまだけでなく、利用者様の家族や以前利用していただいていた方にもご参加いただけるイベントも行っている。