2022年03月選 letter to the other side of friends /評
letter to the other side of friends 評
3月のビーレビには192作品の投稿があったみたいだけれども、清らさのある作品は『letter to the other side of friends』だけだった。
いくつかの作品は、清らかであろう、清らかな作品を書こうとされたのだろうと読めるものはあったけれども、清貧はその清貧を意識した時点で清らかさはどこかへ逃げてゆく。作者はきっと自己の奥底にある清らかさにとても無自覚で、ようご君という親友へ手紙を書く行為のなかで自分は清らかで「ありたい」とそう自分に言い聞かせたんだと思う。
『letter to the other side of friends』は清らかな内容ではない。私が読んで感じた清らかさはその手紙の文面に薄っすらと滲む汗のことで、おそらく本当の紙のお手紙には汗の雫が落ちてる。他者を変えるなんておこがましいし、こちらの妄想でしかない。でも、その妄想が自己を変えて、飛び散る汗に親友は神を感じるだろう。