広がる食の言葉
菜食主義になる人たち
感度の高い人たちのあいだでは、ベジタリアンが(なかでもストイックなビーガンが)このところずっとトレンドですね。
ベジタリアンは世界中になんと5億人ほどいるそうです。
いくつかの国のベジタリアン人数はこう。
↓
アメリカ:2,000万
イギリス:300万
イタリア:400万
オーストラリア:250万
カナダ:300万
台湾:300万
ドイツ:800万
ベジタリアンやビーガン宣言をしたセレブリティがいることも、こうしたトレンドの要因になってるといえるでしょうね。
<例>
レオナルド・デカプリオ
ノバク・ジョコビッチ
ナタリー・ポートマン
アリアナ・グランデ
(敬称略)
ちなみに2019年のアカデミー賞では、昼食会の料理や授賞式前に出された料理がビーガン料理だったことが話題になりました。
ベジタリアンやビーガンの中には、流行に関係なく
もともとベジタリアン
昔からのビーガン
という本格派もいますし、
「ベジタリアンはかっこいい」
「ビーガンはおしゃれ」
というある種のファッションとして実践している人も少なくありません。
でも、まだ一般的にはベジタリアンやビーガンは
トレンディなのかもしれないけど特殊な人たち
という印象なのではないでしょうか。
菜食主義をやめる人たち
ベジタリアンやビーガンが世界的に増えているいっぽうで、じつは
ひそかにベジタリアンをやめてしまう人
も、少なくありません。
こっそり検索すると
ベジタリアンやめました
ビーガンやめました
という告白ブログがいろいろ出てきます。
「脱ベジタリアン」を宣言したなかにはこんな人たちも。
アン・ハサウェイ
アンジェリーナ・ジョリー
グウィネス・パルトロー
(敬称略)
ベジタリアン(とくにビーガン)を実践するのは、けっこう大変。
とくに日本ではそう。
まず、外食したくても入れる店がとっても少ない。
いやでも自炊することが多くなります。
そのために食材を買おうとして近所のスーパーマーケットに行っても、ベジタリアン食材やビーガンフードにはなかなか出会えません。
専門の店に行くか通販に頼るしかない。
昨今は、ビーガンのコンビニができたりしてるけど、そういう店に行くしかない。
さらにもっと困るのは人間関係。
ベジタリアンやビーガンであることをカミングアウトしたら
トレンディなのかもしれないけど特殊な人たち
という扱いになりかねないから。
友達で集まって一緒にご飯を食べることになっても
自分だけベジタリアン
というシチュエーションがよくあって、気にしないでねと言っても周囲も気を遣うし自分も居心地が悪い。
家族の中で自分だけベジタリアンというのも居心地がよくありません。
そんなのがいやで、ベジタリアンであることを隠さなくてもいいはずなのに
秘密にして生活したりする。
そういう状態が長く続くと疲れてしまい、ある日とつぜん
ベジタリアンやーめた
ビーガンやーめた
ということになる人も出るでしょうね。
遠慮しなくていいのに遠慮してしまう。
だからやめたいという人の気持ちも分かる。
プラントベースなら大丈夫?
そんな中で
「植物性料理」
「プラントベース」
という言葉は救世主のようになると思うんですよね。
この言葉にはゆるくてオープンなイメージがあるから。
トレンディなのかもしれないけど特殊な人たちという印象を
与えることもないから。
ビーガンでなくてもベジタリアンでなくても植物性料理を
楽しめばいい。
隠す必要はないしやめる必要もない。
遠慮もしなくていい。
みんなを巻き込む言葉だと思うんです。
▽
世の中に
ベジタリアン料理店
ビーガンコンビニ
は増えてほしいけど、そのままではあまり増えないかも
しれません。
だって「ベジタリアン」「ビーガン」という言葉は、普通の人々を
ひきつけるものではないから。
普通の人は自分も関係があるとは気づかないから。
お店を開く側も「ベジタリアン料理」「ビーガン料理」を名乗るのは客を限定することになるし勇気がいるでしょう。
でも「植物性料理」「プラントベース」という言葉だったら、
ベジタリアン限定
ビーガン限定
のような印象がなく、普通の人でも
「たまには野菜料理を食べようかな」
「今日は野菜多めでいこうかな」
と思ったときに気軽に入れます。
もちろん
野菜好き
豆好き
キノコの好き
雑穀好き
の人も入れます。
一気に対象者が増え、市場も大きくなるように思います。
早くそうなってほしいから「植物性料理」「プラントベース」の広がりに期待しています!!