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ほとんど知られていないタイムトラベルSF映画[4選]

こんばんは ぷらねったです
未来と過去を行き来する 凝った脚本が魅力的な映画たち
今回は「必見...タイムトラベルの隠れた名作・傑作・カルトSF映画」というテーマで そんなSF映画を紹介していきます

1.プロジェクト・アルマナック (2014年)

監督は ディーン・イズラライト
タイムマシンをテーマにした アメリカのSF映画です

高校3年生で発明家を目指すデヴィッドは 名門MIT(マサチューセッツ工科大学)への入学が決まりましたが 法外な学費を払うために 母が家を売却しなくてはならない状況であることを知ります
そこでデヴィッドは妹や友人に協力を依頼し 亡き父であり発明家であったベンの所持品を調べつつ 奨学金を得るために自らの研究の様子を撮影していました
そんな中 亡き父の作業場でタイムマシンの開発計画書"プロジェクト・アルマナック"を発見したデヴィッドは 仲間たちと共にタイムマシンを組み立てることになります
完成したタイムマシンを使って過去へと向かうデヴィッドたちは実験を繰り返しますが 様々なトラブルに見舞われることに...というストーリーです

製作費は1200万ドル
「パワーレンジャー」で知られる ディーン・イズラライトが監督をつとめました
製作には「トランスフォーマー」シリーズなどで知られるマイケル・ベイがクレジットされており 主演したのは「スカイライン -奪還-」などのジョニー・ウェストンです
日本では劇場未公開ですが 日本版DVDがリリースされている映画でもあります

作中では 学生たちがタイムマシンを組み立てて 過去に遡る物語が描かれます
発明家を目指す高校生が 亡き父が遺した設計図を基にタイムマシンを完成させ 過去に遡った学生たちが制御不能な状況に陥る...そんな タイムパラドックスなどのテーマを扱った物語です
当初はタイトルの候補として「Welcome to Yesterday」というものもあったそうですが そんなこの映画の会話シーンでは「タイムコップ」や「ターミネーター」の話が出てきたりして タイムトラベル映画への愛情が伝わってきます

この映画は架空のドキュメンタリー いわゆるモキュメンタリーの一種であり"ファウンド・フッテージ"と呼ばれる手法で演出されています
これは例えば モキュメンタリーの中でも有名な 1999年の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のように"ドキュメンタリー作品が撮影者ではない第三者によって発見されて公開に至った"という設定の映画が分類される映画です
そのためカメラワークがかなり特殊なのが特徴になっており 映像の切り替えも独特で 手持ちカメラで撮影したような動きになっている上に VFXもなかなかよく出来ていて 映像面での見どころがかなり多いです
学生が主人公という共通点もあって「クロニクル」が好きな方には特におすすめしたい作品です

ちなみに 監督のディーン・イズラライトのいとこは「世界侵略: ロサンゼルス決戦」や 2015年の「ミュータント・タートルズ」の監督として知られるジョナサン・リーベスマンです

そんな アメリカ映画としては比較的低予算ながらも かなりの奮闘を感じる本作品
凝ったモキュメンタリー映画が好きな方にはぜひ観てほしい 傑作SF映画となっています


2.ジャケット (2005年)

監督は ジョン・メイバリー
謎のジャケットをテーマにした アメリカのSFスリラー映画です

主人公は 1992年の湾岸戦争で頭部に銃撃を受け 重傷を負った元軍人のジャック・スタークス
彼は後遺症で記憶障害を持ち とある事件に巻き込まれたことによって 犯罪者専門の精神病院に送られてしまいます
そこで謎のジャケットを着せられ 実験的な矯正治療を受けることになったジャック
しかし やがてジャックが目覚めると 15年後の2007年にタイムスリップしていたのであった...というストーリーです

製作費は 2900万ドル
トム・ブリーカーとマーク・ロッコの原作小説を元に制作されました
監督をつとめたのは 1984年のペット・ショップ・ボーイズのシングル曲「ウエスト・エンド・ガールズ」のミュージックビデオでも知られる ジョン・メイバリーです
製作にはジョージ・クルーニーに加え「ソラリス」や「コンテイジョン」のスティーヴン・ソダーバーグもクレジットされています
主演したのは「アステロイド・シティ」や「スプライス」そして「戦場のピアニスト」などのエイドリアン・ブロディで 素晴らしい演技を見せています

作中では 湾岸戦争後に記憶が錯綜し 謎のジャケットによって未来へタイムスリップしてしまう男の奇妙な物語が描かれます
現在の世界では精神病院に閉じ込められ 人体実験のような仕打ちを受けるジャックという男...そんな彼が 未来の世界で自らに関する謎を解明していくという 2つの世界を行き来する物語です
精神病院のシーンが登場するなど「12モンキーズ」を彷彿させるところもあり 記憶の錯綜やタイムスリップのテーマが混ざり合うような内容になっていて 個人的には大好物な映画です
さらに 予想のつかない展開がつづく上に終盤はじんわりと泣けてくる 素晴らしい脚本になっています

また 実は音楽はブライアン・イーノが担当しているほか 主演のエイドリアン・ブロディの疲れ果てた姿や キーラ・ナイトレイの目力など 俳優陣も素晴らしいです
ちなみに 現実に置き換えれば突拍子もない内容にも感じる本作品は 実話に基づいているとも言われていますが 真偽はわかりません...

例えば「ドニー・ダーコ」や「光の旅人 K-PAX」,「スローターハウス5」などが好きな方には特におすすめしたい 本作品
あまり注目されていない 傑作SF映画となっています


3.バック・イン・クライム 時空を超えた事件 (2013年)

監督は ジェルミナル・アルヴァレス
過去へのタイムスリップを描く フランスのクライムサスペンス映画です
SFかは怪しいところですが タイムスリップを含む内容なので紹介させていただきます

ある朝 フランスの地方都市の海辺において 変死体が発見されます
それは手足を縛られた状態であり なぜか鼓膜が破られていることが判明しました
その頃 現場に急行したリチャード・ケンプ警部の脳裏に浮かんだのは 彼が20年前に担当していた連続猟奇殺人事件のことだった...というストーリーです

製作費は330万ドル
主演したのは「ニキータ」などで知られる ジャン=ユーグ・アングラードであり「ゼロの未来」や「バビロンA.D.」などで知られる メラニー・ティエリーも出演しています

作中では 現在の時間軸で起きた事件と 20年前の事件をつなぐ物語が描かれます
警部を主人公にしたタイムスリップものであり 過去へ遡る旅は"橋から落とされる"という方法で実現されます
特にタイムマシンなども登場しないため この辺りはファンタジー的と言えるかもしれません
また パラレルワールド的な要素も含んでおり 時をまたいだロマンス要素なども大きな見どころとなっています
思わぬ人物との出会いをきっかけに 物語は予想外の方向へと進んでいくのです

そんな今作の撮影は 主にフランスのボルドー周辺で行われました
出演当時 58歳だった主演のジャン=ユーグ・アングラードは 時には55歳 時には35歳を演じています
また 当時32歳だったメラニー・ティエリーは 時には25歳 時に45歳を演じており こういったメイクなどによる外見の変化も見どころです

果たして メインテーマとなる連続殺人事件の真相とは一体どのようなものなのか...知名度こそ低いですが スリリングで謎を秘めた展開で かなり見ごたえのあるサスペンスになっている 本作品
サスペンス好きには特におすすめしたい 傑作タイムスリップ映画となっています


4.TRANSPORT トランスポート (2002年)

監督は デヴィッド・レイ
タイムマシンをテーマにした カナダのSF映画です

舞台はカナダ バンクーバーのダウンタウンイーストサイド
治安の悪いこのエリアで暮らす麻薬中毒者のアートは ガールフレンドのコーディのアパートに到着すると 彼女がドラッグの過剰摂取状態であることに気づきます
その後 病院に搬送されたコーディは昏睡状態に陥ったことが判明
アートはコーディの死を防ぐために 時間を遡って問題を解決しようとする...というストーリーです

製作会社は"Cheap and Dirty Productions"
その名の通り 超低予算で超低画質な映像が この映画の特徴のひとつです
主演したのは デヴィッド・クローネンバーグ監督の「コズモポリス」や 2014年の「ロボコップ」で脇役をつとめた ジェイ・バルチェルです
まるで学生映画のような雰囲気さえ漂っているのですが 脚本にかなり見どころがあるため カルト映画として紹介させていただきます

作中では 退廃的な雰囲気の町を舞台に 1人の女性を助けるための物語が描かれます
ドラッグ中毒によって思考もおぼつかず 彼女のためにタイムトラベルを繰り返す主人公のアート...彼は不器用でありながら とにかく愛情深い人物です
そんなアートは愛する人のために過去改変を繰り返し タイムパラドックスなどお構いなしで話が展開されていきます
コメディ的なシーンも多く含みますが 油断していると終盤で涙してしまう方もいるかもしれません

そんなこの映画は チープな映像にチープなタイムマシンが登場し とにかく低予算をさらけ出したような内容なのですが 不思議な魅力に溢れています
個人的には 作品の持つ雰囲気や登場人物たちのキャラクター含め「レポマン」や「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」に通じるところを少し感じます
また タイムマシンについては古びたチェアに100円ショップの電飾を巻きつけたようなデザインがされており そのチープな造形には要注目です

そのほか オープニングでは個人的に大好きなイギリスのバンド Broadcastの"Colour Me In"という曲が使用されているので ぜひ聴いてみてほしいです

意外にダークな内容で「バタフライ・エフェクト」のチープ版とも言える 本作品
カルトなタイムトラベル映画をお探しの方は ぜひ観てみてください


あとがき

今回は「必見...タイムトラベルの隠れた名作・傑作・カルトSF映画」というテーマでのSF映画紹介でした
これらの映画についてはすでに知っている方もいらっしゃったとは思いますが ぜひ観ていただきたい傑作ばかりです
タイムトラベル映画特集はこれまでに何度もさせていただいていますが まだ観ていない作品で気になる映画があれば ぜひ観てみてください
最後までご覧いただき ありがとうございました

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ぷらねった【SF映画チャンネル】
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