見出し画像

大失敗に終わった名作・傑作SF映画[7選]

こんばんは ぷらねったです
個性的で魅力あふれる内容にもかかわらず 興行的大失敗に終わってしまったSF映画たち
今回は「大失敗に終わった傑作SF映画」というテーマの第3弾として そんなSF映画を厳選して紹介していきます


1.ラブ&モンスターズ (2020年)

監督は マイケル・マシューズ
製作費は 3000万ドル
それに対する興行収入は 約30万ドル
モンスターに支配された地球を描く アメリカのSFアドベンチャー映画です
広告費などを除いた単純計算でも 2970万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

ある日 地球に接近する小惑星が発見されます
小惑星の衝突を回避するために世界各国は協力し ミサイルを用いて破壊することに成功しました
しかし ミサイルに使われていた化学物質が地上に降り注ぎ 地球上の生物の遺伝子に影響を与えてしまいます
これによって 地球には不気味で巨大なモンスターが出現しはじめ それらは人間を喰らい 世界は崩壊
それから7年後 生き残った人類はモンスターを避け 地下で生活することを余儀なくされていた...というストーリーです


南アフリカ出身のマイケル・マシューズが監督をつとめ 製作には「リアル・スティール」などのショーン・レヴィがクレジットされています
本作品はコロナウイルスの影響により アメリカでも一部でしか劇場公開されず これが興行的失敗の直接的要因になっています


日本国内で劇場公開はされず Netflixによって2021年に配信が開始されました
ポストアポカリプス的な世界設定ながら 終始楽天的な明るい雰囲気で 若年層にも受け入れられるであろう見やすい作風が印象的です
作中では 主人公ジョエルが安全な地下シェルターを飛び出し 犬のボーイと共に 7年間会えていないガールフレンドのエイミーに会いに行く 冒険物語が描かれます


さまざまな姿にデザインされたモンスターが素晴らしく 独特の世界観を生みだしています
このモンスターの他には人間と会話できるロボットなども登場しますが これらが評価されたのか 第93回アカデミー賞では視覚効果賞にノミネートされています
同じくポストアポカリプス世界を描いた2013年のゲーム「The Last of Us」に影響を受けたと思われ 本作品の主人公であるジョエルという名前は 同ゲームの主人公の名前でもあります


そんなこの映画は 何をやってもうまくいかない主人公ジョエルに次々と試練が訪れるような 笑って泣ける物語です
モンスターが蔓延る 新たなポストアポカリプスの世界観を生みだした 本作品
斬新でありながら『スタンド・バイ・ミー』など さまざまな作品へのオマージュも感じられる 傑作SF映画となっています


2.ルネッサンス (2006年)

監督は クリスチャン・ヴォルクマン
製作費は 1800万ドル
それに対する興行収入は 約180万ドル
ほとんどモノクロのアニメーションで描かれる SFアクション映画です
広告費などを除いた単純計算でも 1620万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台は2054年 未来の世界
パリの世界的な医療会社である"アヴァロン"から 超有望な女性研究員のイローナが誘拐されます
どんな手を使ってでも対象を見つけるという評判をもつ バルテルミー・カラス警部は イローナの姉であり 誘拐される直前に彼女に会っていたというビスレーンに接触
様々な人と関わりながら捜査を進めていくカラス警部でしたが やがてイローナが研究していた驚愕の技術を知ったあとで それをアヴァロンが狙っていることが判明する...というストーリーです


製作費は 1800万ドル
本作品は フィルムノワール映画や 「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」などに大きな影響を受けて 約6年を掛けて制作されたといいます
独創的な映像の雰囲気は この映画でしか観れない感触で表現されています
フィリップ・K・ディック原作で2006年に公開された傑作「スキャナー・ダークリー」をご覧になったことのある方は 映像のイメージがしやすいかもしれません


最初は見慣れない映像に戸惑いを感じますが 慣れた時にはすでに世界観へ引き込まれている...そんな作品です
スピーディーな映像で描かれるカーアクション,ガンアクションが魅力的で 異世界のような空気を醸し出しています
しかし 映像のかっこよさと引き換えに 映画の内容は伝わりにくくなっていると感じるのが 正直なところです


撮影時には キャストがブルースクリーンの前でモーションキャプチャスーツを着用し 実際にシーンを演じました
その映像をデジタルモデルに変換したキャラクターが コンピューター内に作られた3次元空間に配置され この特殊な映像が生まれたそうです
また フランスの自動車メーカーであるシトロエンが製作に協力していますが 2054年がどのようになっているかを想像して この映画のために特別に車をデザインし それを提供したといいます


観たことのないような 斬新な映像で表現された 本作品
アニメーションによるかっこいい雰囲気を楽しむことのできる モノクロのSF映画となっています


3.ファイナル・カット (2004年)

監督は オマー・ナイーム
製作費は 1000万ドル
それに対する興行収入は 約360万ドル
死後に流される映像をテーマにした SFスリラー映画です
広告費などを除いた単純計算でも 640万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台は近未来
約5%の人々は 生まれたときから脳に埋め込んだ"ゾーイ"というマイクロチップに 生涯見てきた世界を映像として記録し 死後に編集された映像は 遺族らの前で行われる追悼会で流されていました
ゾーイで捉えた映像の敏腕編集者であるアランは 大物弁護士の依頼を受けますが かつての同僚にそのチップを譲るように脅される...というストーリーです


製作費は 1000万ドル
「レナードの朝」などで知られる 名優ロビン・ウィリアムズ主演で レバノン生まれのオマー・ナイーム監督によって映画化されました
作中では"ゾーイ"と呼ばれる倫理的な問題も抱えるマイクロチップが存在し メインテーマとして描かれています


このゾーイと呼ばれるインプラント式のマイクロチップは 埋め込まれた人間の人生すべてを記録してしまうため これを装着された人物は 常に監視されたような状況下に置かれます
これが人の生き方に大きな影響を与えるとして 反対運動も起きているというのが 作中の設定です
ゾーイを通して撮影された映像は編集され 本人の死後に行われる追悼会において 遺族らの前で流されますが この映像を編集する役目を担うのが主人公のアランです
彼は選んだ映像をつなぎ合わせ ストーリー仕立ての作品に編集する...そんな仕事を さまざまな葛藤を抱えながらこなしているのです


そんなアランの過去にまつわる謎を追いかけるような物語となっていますが 作中で漂うレトロフューチャーな雰囲気が魅力的で 映像編集用のデバイスなどもかっこよく 見どころがあります
映像演出も魅力的で 時おり 個人的に大好きな「ブレインストーム」に近い空気感もあります
そして1995年の「ジュマンジ」に続いて"アラン"という人物を演じるロビン・ウィリアムズの演技や存在感は素晴らしく 作品のイメージを決定づけています
少しこじんまりした脚本なので あまり派手なストーリーを期待せず 雰囲気を楽しんで観るのがおすすめです


一風変わった特殊なディストピア設定で描かれる 本作品
U-NEXTにも配信されていますので 気になる方は ぜひ観てみてください


4.スペース・トラッカー (1996年)

監督は スチュアート・ゴードン
製作費は 推定2500万ドル
それに対する興行収入は 約160万ドル
アメリカ・イギリス・アイルランド合作のSFコメディアドベンチャー映画です
広告費などを除いた単純計算でも 2340万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

フリーランスの一匹狼であるジョン・キャニオンは銀河から銀河への物資輸送を担う いわば宇宙のトラック運転手です
ある日彼は 貨物受け取りのギャラをめぐってクライアントともめた結果 地球までの極秘運送を請け負う事になります
そこには故郷へ帰りたがっているシンディと 居合わせた新進気鋭のトラック運転手 マイクもいて 彼らは同乗する事になりました
そしてその後しばらくして スペーストラックに積んだ荷物の正体が判明する...というストーリーです


「イージー・ライダー」ではバイクを駆ったデニス・ホッパーが主演し「ZOMBIO/死霊のしたたり」や「ロボ・ジョックス」などで知られる スチュアート・ゴードンによって映画化されました
アメリカでは一般の劇場で公開されず テレビ放映やビデオ発売のみとなった作品です


本作品は 少年時代の宇宙探検への憧れの気持ちを基に『地球上で起きているのと同じような 古い企業が生みだす不正な利益,汚職,貪欲さ』をイメージして制作されたといいます
作中では 宇宙の運送屋をめぐる ちょっと下世話なコメディが描かれ「カウボーイ・ビバップ」以前の映画ながら その世界観には共通する雰囲気を感じる部分があります


スチュアート・ゴードン監督は 1992年の「フォートレス」が成功を収めたことで 大きな製作費を獲得することができたといいます
2500万ドル掛かっているだけあって ユニークな美術面はかなり見ごたえがあります
おもちゃを巨大化させたような宇宙船や小道具をはじめ 衣装デザインなどもかなりおもしろく 視覚的な魅力は抜群です

ロボットについてはソニーの犬型ロボット「AIBO」でも知られる 日本のイラストレーター空山基がデザインを担当し その他スクリーミングマッドジョージ,韮沢靖などがデザインに参加したとされていますが この辺りについては詳しい情報が見当たりませんでした

ちなみに製作期間中 今作の主演であるデニス・ホッパーは 自身が監督もつとめた「イージー・ライダー」の現場でリップ・トーンからナイフを突きつけられたと公言したため リップ・トーン側から名誉棄損の訴訟が起こされたそうです 
※リップ・トーンの役は最終的にジャック・ニコルソンが演じた


そのためデニス・ホッパーの代理人が 本作品でデニス・ホッパーと対決する悪役のオファーをリップ・トーンに持ち掛け『2人をスクリーン上で戦わせる』という解決策を提案していますが リップ・トーンはもちろん拒否
この際『主役であれば訴訟の取り下げを検討した』ともされていますが 実に不毛な争いです


それはさておき...子どもの夢を具現化したようなデザインで生みだされる ユニークな世界観が印象的な 本作品
ポップコーンを食べながら観たいような 愛すべきSF映画となっています


5.パンドラム (2009年)

監督は クリスチャン・アルヴァート
製作費は 3300万ドル
それに対する興行収入は 約2000万ドル
ドイツ・アメリカ合作のSFホラー映画です
広告費などを除いた単純計算でも 1300万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台は2174年
地球は荒廃し 選ばれた者たちだけが宇宙船エリジウムに乗り 移住予定の惑星タニスへ出発
やがて船内での冷凍睡眠から目覚めた2人のクルーでしたが 彼らはほとんどの記憶を失っていました
何もかもが謎の状況で 他のクルーがどこにも見当たらない中 船内を捜索すると"何か"が現れる...というストーリーです


本作品は デニス・クエイドと ベン・フォスターのダブル主演で映画化されました
映画のタイトルである『パンドラム』とは 本作品オリジナルの言葉であり 宇宙で引き起こされる架空の精神病を意味します
作中で描かれるのは 宇宙船を舞台にした謎めいた物語であり ホラー映画のテイストになっています


脚本がかなり凝っており 記憶喪失,謎の生命体,人間同士の争いなどの要素が組み合わさり 斬新な部分はそこまでなくとも とにかく物語の展開が早く テンコ盛りの内容になっているので 娯楽的に楽しめます
製作にクレジットされたポール・W・S・アンダーソンによる「バイオハザード」,「イベント・ホライゾン」などが好きな方であれば きっと楽しめるのではないかと思います
また セットデザインはかなり気合が入っていて 巨大な宇宙船という設定に忠実な説得力がありますが 撮影にはベルリンの放棄された発電所なども使用されたといいます


元々本作品は 脚本のトラヴィス・ミロイが廃工場でビデオ撮影をおこない 低予算で製作することを予定していたそうです
しかし この時点での脚本がポール・W・S・アンダーソンらの注目を集め クリスチャン・アルヴァート監督に脚本が行きわたり 当時監督自身が構想していた脚本と融合することで 物語が完成されたといいます
続編と前編も構想されていたそうですが これは興行成績の不振もあり 現時点では実現していません
しかしカルト的な人気によってFacebook上にコミュニティーが存在し 続編のサポートも行われているようです


それはともかく...U-NEXTでも視聴可能な 本作品
娯楽的に楽しめる 傑作SF映画となっています


6.イベント・ホライゾン (1997年)

監督は ポール・W・S・アンダーソン
製作費は 6000万ドル
それに対する興行収入は 約4200万ドル
同監督が「モータル コンバット」の続編や「X-MEN」,「X-ファイル ザ・ムービー」,「エイリアン4」の監督オファーを蹴って作りあげた オマージュだらけのSF映画です
広告費などを除いた単純計算でも 約1800万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台は2047年
救助艇ルイス&クラーク号は 海王星へと向かっていました
旅の途中 ウィリアム・ウェアー博士からクルーたちに 海王星への航海の目的が初めて明かされます
その目的とは『7年前に忽然と消息を絶った宇宙船イベント・ホライゾン号の探査と 乗組員の救助』でした
イベント・ホライゾン号は機密扱いの存在であり 光の速さを超えるスピードで空間を移動する 人類初の深宇宙探査船でしたが 以前行方不明となり 7年ぶりに突如 海王星の付近に姿を現したのです
そしてクルーたちは イベント・ホライゾン号が消息を絶った後の通信に 助けを求める音声が含まれていることに気づく...というストーリーです


本作品では 1998年の「ソルジャー」で知られる ポール・W・S・アンダーソンが監督をつとめました
同年に公開予定だった映画「タイタニック」の製作が遅れた影響で公開予定日が前倒しになり 製作開始から10か月で完成されたと言われ 初期段階では 1987年の映画「ヘル・レイザー」の監督でもある ホラー作家のクライヴ・バーカーの助言もあったといいます
タイトルの“イベント・ホライゾン(Event Horizon)”とは 作中に登場する宇宙船の船名であり 相対性理論の概念の一つである「事象の地平面」という言葉の英語表記です


内容としては『スタンリー・キューブリックのシャイニングなど 好きな映画のオマージュをたくさん入れて 宇宙船を舞台にしたホラー映画を作ろう!』という製作陣の気持ちが伝わってくる映画です
元々の仮題タイトルはズバリ『The Shining in Space』だったそうで 例えば「エイリアン」,「惑星ソラリス」そして仮タイトルにも含まれていた「シャイニング」など いろいろな名作映画をごちゃ混ぜにしたような内容になっています


そんな"悪魔的宇宙映画"である本作品に関しては 科学考証は気にしていられません
なかなか気合いの入った宇宙船のセットの中で 特に終盤のB級度合いはすさまじく ラストシーンまで落ち着くことなく楽しませてくれます
当初の130分バージョンでは あまりにもグロテスクな内容に対して試聴した人々や製作スタジオが引いてしまい 約30分がカットされたことに加え グロ表現のレベルが下げられました
再編集の時間が十分でなかったようで ポール・W・S・アンダーソンは"10分ほどカットし過ぎた"と考えているそうです
また 興行成績としては大失敗に終わりましたが パッケージ発売後にカルト人気化したため 一時期はディレクターズカット版が構想されました
しかし 状態の良いオリジナルのフィルムがどこにも残っておらず 再構成が不可能だったため 製作が断念されました


過去にはテレビシリーズの製作中という話もありましたが 現時点では公開されていません
娯楽的なホラーに振り切った内容になっている 本作品
宇宙船を舞台にした オマージュ満載の傑作カルトSF映画となっています


7.ストレンジ・デイズ/1999年12月31日 (1995年)

監督は キャスリン・ビグロー
製作費は 4200万ドル
それに対する興行収入は 1700万ドル
ジェームズ・キャメロン原案の 破滅的な社会を描いたSFスリラー映画です
広告費などを除いた単純計算でも 約2500万ドルほどの損失を生みだしてしまいました
以前も紹介させていただきましたが 内容を追加して再度紹介させていただきます

舞台は1999年12月31日の ロサンゼルス
元警官のレニーは 娼婦のフェイスとお近づきになりましたが 懲戒免職になり フェイスにも去られてしまいました
その後は"スクイッド"と呼ばれる 記録した他人の五感を体験できる闇ソフトを使ったり ソフト専用ディスクの売買をしながら生活しています
そんなある日 フェイスの友人であり ディスクの提供者であるアイリスが助けを求めてやってきて「フェイスも危ない...」とだけ告げて去っていく...というストーリーです


本作品は ジェームズ・キャメロンによる原作小説を基に制作された映画です
「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」などで知られる レイフ・ファインズが主演しています
元々は ジェームズ・キャメロンが監督した「トゥルーライズ」と合わせて1億ドルの製作資金が用意され「トゥルーライズ」には7000万ドル 本作品には3000万ドルが振り分けられたそうです

また 監督のキャスリン・ビグローはジェームズ・キャメロンの元妻ですが 本作品の製作時点ですでに離婚が成立している状態でした
しかしながら ジェームズ・キャメロンは脚本・製作にクレジットされており
広範囲に渡る編集作業も担っていたそうですが 編集者組合に加入していなかったためにクレジットされなかったといいます
...それはさておき 映画の内容も魅力的です
冒頭の 主観視点によるスピード感あふれる映像から 一気に作品の世界へ引き込まれます


作中に登場する"スクイッド"というソフトは 情報を記録したディスクを挿入することで他人の五感を体験できる設定であり これは 偉大なるダグラス・トランブル監督の「ブレインストーム」の要素を強く感じさせます
ジェームズ・キャメロンによる内容の構想開始は1986年だったと言われており 彼はダグラス・トランブルの後継者とも言える活動をしてきていることに加え 作中には映像演出の類似性もあるので「ブレインストーム」の影響を受けていたのは明らかだと思います
しかし 単なるダグラス・トランブルの引用では終わらず 主観視点での映像をはじめとしたカメラワークが終始光っています
この主観視点の映像の撮影の準備やリハーサルだけで 1年以上を要したという気合の入りようです

終盤では 2000年の始まりを祝って大騒ぎする群衆を映す かなり大規模な街のシーンもありますが これは実際にロサンゼルスで撮影され 10ドルを前払いした1万人が参加し 非番の警官50人が雇用されたそうです
また いわゆる"レイブ"と呼ばれるダンスパーティーのプロモーターによって テクノをフィーチャーしたイベントがプロデュースされたといいます
この大規模過ぎるシーンの撮影だけでも75万ドルが費やされたとされており これは土曜の夜9時からはじまり 翌日の午前4時にまで及んだそうで 中にはエクスタシーの過剰摂取で入院した者もいたそうです

黒人差別などの社会問題を取り入れ 複雑で謎めいた脚本も魅力的な本作品は145分という長尺であり 見ごたえがあり過ぎると感じる部分もありますが 全体的にかなり気合の入った内容です
具体的な説明は少なくても 時おり見える治安が崩壊した街の様子からは アナーキーな世紀末感が漂っています
敢えて例えるならば ポール・バーホーベン並みにアグレッシブだと感じる過激なシーンもあり 女性監督としての視点なのか "かっこいい女"と"ダメな女"の対比を描いているようにも感じました
また 名曲「While the Earth Sleeps」の流れるかっこいいエンディングも見どころです


その他の見どころとしては 美術面のデザインには「ブレードランナー」などでも知られるシド・ミードがクレジットされており 作中の闇ソフト"スクイッド"のデザインを担当しています
ちなみに "Strange Days"というタイトルは アメリカのロックバンド Doorsの曲名が基になっているそうです
元警官とは思えない 軟弱な主人公に 感情移入してしまう部分もある 本作品
2000年を迎えるカオスな世界を退廃的に描いた 傑作SF映画となっています


あとがき

今回は「大失敗に終わった傑作SF映画」というテーマでのSF映画紹介でした
素晴らしい内容であっても 理不尽な理由によってうまくいかなかった映画は 後からでもしっかり評価を受けてほしい...そんなことを願っています
そんな映画を見つけたら また紹介させていただきたいと思います
最後までご覧いただき ありがとうございました

いいなと思ったら応援しよう!

ぷらねった【SF映画チャンネル】
個人で活動しております。 ご支援いただける方はぜひお願いいたします◎