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あまり知られていない...UFOが出てくるSF映画[4選] ①

こんばんは ぷらねったです
正体不明で夜空に浮かぶのは 円盤型の未確認飛行物体
今回は「あまり知られていない...UFOが登場するSF映画」というテーマで そんな作品を紹介していきます


1.E.T.と警官 英題:THE SHERIFF AND THE SATELLITE KID(1979年)

監督は ミケーレ・ルーポ
実は「E.T.」の2年前に公開された イタリアのSFファンタジー映画です

舞台はアメリカ ジョージア州ニューナンの町
UFOが出現したという噂が出回る中で 保安官のスコット・ホールは 遊園地で一人の少年を発見しました
その少年は自らを"H7-25"と名乗った上に宇宙から来たことを話し その証拠として光線銃を使った物体移動や 時間の逆行を実演してみせます
しかし そんな中で空軍が少年の存在に気付き 光線銃を奪おうと画策しはじめる...というストーリーです

本作品で監督をつとめたミケーレ・ルーポは 60年代から80年代まで コメディやクライム映画中心に活躍した人物です
宇宙人を演じたのは「未知との遭遇」で3歳の少年バリーを演じたケイリー・ガフィー
宇宙人を守る保安官を演じたのは 元水泳のオリンピック選手でもある バッド・スペンサーです
音楽については イタリアの兄弟デュオであるGuido & Maurizio De Angelisが担当しており この映画のテーマソングはラジオでヒットし 何度も流されたそうです

作中では とある宇宙人の少年と 彼に同伴することになる保安官の物語が描かれます
主人公の保安官ホールは乱暴な一面ももちますが"地元を守る心優しき大男"といったキャラクターで 例えば「ハリーポッター」シリーズのハグリッドなどを連想させます
彼は悪人を容赦なく痛めつけ 宇宙からきた少年を父親のように守るのです
宇宙人の少年がもつ謎の光線銃は様々な性能をもち 例えば物体を移動させたり 時間を巻き戻したり...馬に光線を当てれば馬と会話できるようになったりします


全体的に 子どもでも観れる気楽な雰囲気になっており ギャグも多数盛り込まれています
かなりの低予算だったことが推測される内容であり UFOを含む特殊効果の登場シーンはかなり少ないです
元プロボクサーのジョー・バグナーも出演していますが 彼による保安官らとの殴り合いのシーンも ひとつの注目ポイントでしょう

例えば「マッドマックス」や「ターミネーター」などのパクりで生まれた映画に関してもそうですが 特に80年代頃のイタリア製SF映画と言えば ハリウッドの大ヒット作への便乗でも有名です
今作についても 邦題からすればほとんどの方が「E.T.」の大ヒットに便乗して製作された映画だろう...という印象をもつと思います
しかし実は本作品は「E.T.」の2年前に公開されており これについて個人的には驚きました
時期的には「スター・ウォーズ」と「未知との遭遇」の大ヒット後と言える時期の公開作品であり 当時7歳の子役であるケイリー・ガフィーが出演していることもあって「未知との遭遇」から連想したのが本作品だったと思われます
イタリア映画でありながら 物語の舞台はアメリカのジョージア州ニューナンであり 主な撮影も同地区で行われています

ちなみに この映画の原題についてはイタリア語なので読めませんが
※「Uno sceriffo extraterrestre... poco extra e molto terrestre」
Google翻訳で調べてみると「地球外の保安官...ちょっと特別でとても地球っぽい」という意味のようです(謎)
英題は「The Sheriff and the Satellite Kid」であり 直訳すれば「保安官と衛星少年」でしょうか
まさかの続編として 1980年の「Everything Happens to Me」が存在し こちらにも引き続きケイリー・ガフィーとバッド・スペンサーが出演しています

そんな「E.T.」を先取りしたような内容であり コミカルな雰囲気で楽しく観ることができる 本作品
イタリア製のおもしろいSFファンタジー映画になっているので 機会があればぜひ観てみてください

2.ロズウェル (1994年)

監督は ジェレミー・ケイガン
タイトル通り あのロズウェル事件をテーマにしたアメリカのSF映画です

1947年7月4日 アメリカ ニューメキシコ州ロズウェルの砂漠に 正体不明の飛行物体が墜落しました
ロズウェル空軍基地の情報将校であるジェシー・マーセル少佐らはその残骸の調査を開始しますが それは驚異の復元力を持つ 見たこともない素材で製造されていました
アメリカ空軍はUFO墜落事故という公式見解を発表しますが すぐにこの発表は国防省によって取り消され 気象観測気球の墜落事故であったと訂正されてしまいます
それから30年が経った1977年 かつての仲間と再会したマーセル少佐は真実を明らかにしようと行動をはじめる...というストーリーです

本作品は アメリカのケーブルテレビ局であるショータイムによるテレビ映画であり UFO研究家としても知られるケビン・D・ランドルとドナルド・R・シュミットの著書『UFO Crash at Roswell』を基に映画化されました
監督をつとめたのはスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮をつとめたSFテレビシリーズの「TAKEN」にも関わった ジェレミー・ケイガンです
主演したのは「ヒドゥン」や「ツインピークス」シリーズなどで知られる みんな大好き(?)カイル・マクラクランであり 彼は当時35歳ながら 推定70歳代の退役軍人と その人物の若き頃を演じています
「デッドゾーン」や「ファイナル・カウントダウン」などでお馴染みのマーティン・シーンも出演しており SFファン的には嬉しいところです

作中では 1947年に起きたとされている かの有名な"ロズウェル事件"にまつわる物語が描かれます
1947年と1977年の世界を舞台に カイル・マクラクラン演じるジェシー・マーセル少佐が真実を追い求める...そんな 回想シーンを多く含んだ内容です
終盤では かなりはっきりと宇宙人の姿も描写されており 出来栄えもなかなか香ばしく 大きな注目ポイントと言えます

この映画の基になったロズウェル事件の概要としては"ニューメキシコ州ロズウェルで墜落したUFOが米軍によって回収 その後国によって隠ぺいされた"といったものであり この事件が真実なのか それとも捏造されたのかについては 未だに盛り上がりを見せることもあります

カイル・マクラクランが主演ということもあるのか 序盤では「ツインピークス」のような音楽も聴こえてきますが この音楽は「エイリアン3」や「スフィア」などで知られる エリオット・ゴールデンサールによるものです

そんなこの映画は 例えロズウェル事件が捏造だったとしてもフィクションとして楽しめる内容です
一応原作含め"実話に基づいている"ことになっているため その点ではSFと言えるかは微妙という意見もあると思いますが マクラクランファンの方含め ぜひ観てみてください

3.アースライト/君は星になった 原題:THE RETURN (1980年)

監督は グレイドン・クラーク
UFOをテーマにした アメリカのSFミステリー映画です

舞台は1955年
巨大な宇宙船が はるか彼方の宇宙から地球のニューメキシコ州に到着
その宇宙船を目撃したのは いつも星空を見上げていた少年と少女でした
その美しさに茫然としていると 突然宇宙船からビームが放たれ この体験は2人に大きな謎を残していきました
それから25年経ち 少女は科学者 少年は警察官となり 当時の記憶も薄れていました
しかしある日 奇妙な牛の遺体損壊事件をきっかけに 彼らは25年間続いた謎の答えを知ることに...というストーリーです

製作費は 75万ドル
本作品は劇場公開されず 本国アメリカでも主にビデオ発売された映画です
「世界が燃えつきる日」で知られる ジャン・マイケル・ヴィンセントが主演しました

作中では 子どものころに遭遇したUFOと 大人になってから起きる奇妙な事件の繋がりに関する物語が描かれます
冒頭からUFOがしっかりと登場し「未知との遭遇」を彷彿させますが 低予算ながらも この冒頭のシーンの特殊効果の出来や雰囲気は素晴らしいです
謎めいたストーリーが良い雰囲気を醸しだしていますが「ザ・フライ2 二世誕生」でも知られるジム・ウィート,ケン・ウィート兄弟らによる脚本がうまくいかなかった部分も感じ すこしもったいない印象も受けます
とはいえ冒頭と終盤の特殊効果に関しては見ごたえがあり UFO登場シーンだけでも観る価値があると思っています

撮影は3週間ほどで終わったとされ 爆破シーンが想定よりもはるかに大規模なものになったため 火災が発生したそうです
この火災によって ロケ地となった町の電線の一部が焼け焦げ 停電が2時間続いたため グレイドン・クラーク監督は大金を支払わされたといいます
また 主演のジャン・マイケル・ヴィンセントは撮影当時 アルコール依存症の問題を抱えていました
その影響でヴィンセントが仕事に来ない日には 他の俳優陣が予定にない撮影をおこなったりもしたそうです
このことに責任を感じていたのかは分かりませんが ヴィンセントは犬に襲われるシーンのスタントを自分で行い バイクに乗るシーンの大部分も自分で演じたといいます

そんな あくまでコアなSFファンの方向けといえる 本作品
UFO登場シーンの特殊効果に特に注目したい 80年代のカルトSF映画となっています

4.ヴァスト・オブ・ナイト (2019年)

監督は アンドリュー・パターソン
とにかく会話のシーンが続く 不思議なSF映画です

舞台は1950年代 アメリカのニューメキシコ州にある田舎町
電話交換手として働くフェイは 高校で行われているバスケットボールの試合を観たあと 自らの職場へと向かいます
しかし そこで電話回線から鳴り響く奇妙な音を耳にすることになり このことを境に 周囲で奇妙な出来事が起きはじめる...というストーリーです

製作費は70万ドル
本作品は アメリカの新鋭 アンドリュー・パターソンにとって長編映画監督デビュー作となった作品です
元々低予算のインディーズ映画として製作された作品をAmazon Studioが買収した経緯があり Amazon Prime Videoでも公開されています

作中では 50年代のアメリカの田舎町を舞台に 高校生の青春を描きつつ ミステリアスな雰囲気で物語が描かれます
レトロな街並みがなんとも印象的ですが これはテキサス州ホイットニーで撮影されたのだそうです



この映画の一番の特徴として 一般的な映画ではあまり見られない 独特の演出方法が挙げられます
例えばナレーションやセリフを通したわかりやすい状況や設定の説明はなく あくまで登場人物たちの会話を通してヒントが語られるような 特殊な構成です
50年代という設定が興味深く"電話交換手"という仕事で扱われる"電話交換機"と呼ばれるレトロな機材が大きな魅力を放っており まるで音楽の機材であるモジュラーシンセのようです
また カットの少ない長回しのシーンが多く カメラワークも独創的です

そんな 既存の映画に対する挑戦的な姿勢を感じる 本作品
89分という短めの尺でレトロな空気感を味わえる 傑作SF映画となっています

あとがき

今回は「あまり知られていない...UFOが登場するSF映画」というテーマの映画紹介でした
気になる作品はありましたでしょうか
無名のUFO映画についてはまだ心当たりがあるので 第2弾以降もお楽しみにしていただければ幸いです
最後までご覧いただき ありがとうございました

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