明け方前に、読書感想文は #片岡義男 さん
#片岡義男 さん
夜中に、いきなりこんなものを書き出したのには、訳がある。
わけなんて言える類のものでもないけれど。
56歳のおやじが、バーボンのソーダ割りを飲みながら、夕ご飯の代わりに、ホットサンドイッチを食べたこと。サンドイッチではなくて、本当はスライダーをつくりたかったのだけれど、バンズが無かったから、ワイトブレットでホットサンドイッチになった。これをつまみにやってたら、溶けたチーズとパスタラミが癖になり、トニックウォーターが無くなっても、水にすればいいのに、ロックで飲み続けた事に起因する。そこから、バスタブに湯を張る気持ちになって、老眼鏡と古い本をお供に。
ゆにつかり、活字を追い続けた あれ、この話 あれ、この関係 あれ、この本、あれ、この作家の本音は
コロナ渦で会話が減る中で、僕の脳みその中の僕は、風呂の中で饒舌にまくしたてた。
でも、風呂からあがり、血管が収縮するとともに、饒舌なもう一人の僕は静かになる、いつもそうだから、と、思いながら 既に僕は身体を拭きながら、ラップトップの電源を入れていた。
そうして、ようやく描きはじめたもの
だから、酔っ払いの、それも極めて危険な風呂上がりに書いた戯言まして心筋梗塞の既往症の持ちの僕が書いている。
さあ、本題です。 僕の、片岡義男さん好きは、多分、度を超えている。そんな、片岡さん作品の感想。どの作品の感想というわけではない。
片岡さんの作品を読み出したのが高校の時だから、そう、もう既に40年だろうか。今夜、ふと、もう一人の僕が言い出したのは、こんなことだ。
片岡さんの作品の多くは、あの一大ブームの中で文庫本は、角川文庫の素敵すぎる表紙デザインや、タイトルの付け方から、僕ら男性読者がそのターゲットになったという認識だった。さらに、映画化されたのが、スローなブギにしてくれ、湾岸道 と言うように、一つのイメージが出来上がった。まあ、それでも、僕自身は、自分なりのイメージが他に出来たのだけれど。
そう、今夜バスタブの中で思ったこと、それは、片岡作品は、実は女性に向けて書かれたのではなか? という結論に極めて近い疑問だった。なぜなら、この本が、語りかけてくる内容のA面だけを、僕ら男性はありがたがり、折角のカップリングがあることに気付けていなかったのではないだろうか。なぜ、男はB面の存在に気付かないかと言えば答えはシンプルで、見たくないのが心根にあるからだ。一方で、女性なら、B面を受け入れた上で、A面も読める。そのB面とは、男が望む女性像とは、一線隔てるものであり、女性の多くは、このB面に深く共感する。本は良い、例えば映画ならば、例えば、ドラマならば、カップリングが出来ないからだ、表現できる容量が本に比べてはるかに少ないから、描くならAかBだ、だとすると、B面だけを描いた映画やドラマに、女性は手を上げない、なぜなら、Bが好きなのは、男女が共存するこの世の中では、挙手表明しても、何の得も無いのだからだ。けれど、このB面こそが、片岡作品において、登場する女性たちが輝く本質になっているのだから。だからA面だけを読んでいる男性が受ける物語とは異なり、女性こそが、真の理解者になるうるものだと強く思ったわけだ。
例えば、小説に登場する男性陣は、一見 冷たかったり、横暴であったり、身勝手だったりするけれど。傍目にには、女性達は気の毒、振り回されている、という場合がある。実は彼らをひきつけて離さない魅力的な女性なのだ。#煙が目に染みる 折角の休暇日本中を一人で振り回される女性 #こころまち バイク雑誌の投稿欄に、後ろに乗せてくださいと書いた女の子。いきなり現れた若者のバイクで泊りがけの旅に出る。渡された嘘の住所は、結局誰のためか、あの女性の成長と長い月日を振り返れば、好都合な男ではなかったか。 #巨大な月曜日 に登場するサーフィンを覚えたての中の良い女性二人 若い彼女達も得たものが大きいし、若くは無い素敵な女性達も、翻弄される出来事が実は嫌では無い。
そして、中には、そのまま男たちを翻弄する女性が登場する。例えば、ホテルストーリーの彼女達。けれど、よくよく読み解くと、彼女達は彼女達で、決して書かれているそのまんまとは、違う伏線を持っている。簡単に言えば、ばれていない嘘は、嘘ではないという事に繋がるからだ。だれも、傷つかず、気づ付けず、自由に泳ぐ彼女達が、本当に奔放で自由なのか、と聞くと、それもまた違うと思ってしまう。これ、汝の敵は内面にある みたいなものといえるかもしれない。そひて、 #ある種の素敵なことがら この最高傑作に出てくる男性も、熟睡する女性の一例 この作品を、おそらく女性は素直にスキだとは言いにくいだろう。
こんな、物語の数々、短編の中には、3つ4つのトラップがあり、そのトラップは謎解きではなく、読者へのプレゼントだ。気付く気付かないは読者次第で、これが、A面にもB面にも存在する。
けれど・・ まあ、男性という僕が書くとジャンダー問題になるか・・
なので、片岡作品は、実は、少なくない女性ファンに支えられて来たのではいないだろうかとも思っている。けれど、そのだれもが、本を手にするきっかけがあった幸運な女性かもしれない、それは、もしかしたら、きっかけの提供が難しかったのかもしれない。
でも、彼女たちは、B面が読める人々だから、したたかに、手にしていたのかもしれない。
まだ手にしていないならば、いまからでも、充分に楽しめる筈です。
余談ですが、片岡作品では フルサイズのステーションワゴンも2.8ℓのクーペも、車は常にパーソナルな乗り物であり、何処かに行くにも2台で移動するケースが良くあります。これは、車を含めた個が尊重される訳ですね。 また時には、病気さえも物語の小道具になる D7のワルツ
酔って書いた内容ですが
ぜひ、読んでない方は
ご試食くださ
あ、バスタブの中でもう一人の私がB面の存在に気付いた理由
あらためて書く日がくるかもしれません。
片岡義男.com こちらはサイトのご紹介です。
※勝手にリンク貼りました 問題あればご指摘下さい。
以下は書籍です