モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
"アメとムチは前世紀の遺物〈モチベーション3.0〉によると、二十一世紀の職場では〈自律性〉〈マスタリー〉〈目的〉へとアップグレードが必要。"2010年発刊の本書は『フリーエージェント社会の到来』やTEDプレゼンターとしても著名な著者による、従来の外部要因。信賞必罰ではなく、内面から湧き出す"やる気"こそが企業にクリエイティブを生み出すと説く意欲的な一冊。
個人的には、働き方改革などで働き方や、それに伴う経営の工夫話が話題になればなるほど、天邪鬼かつ『そもそも働きたくない』私などは【迷走している気がして】興味を失っているのですが。それでもビジネスマンの端くれ!手にとってみました。
さて、そんな本書は【単調な仕事】においてはアメとムチは大きな成果をあげることができたけれど、【クリエイティブさが求められる仕事】においては、逆に成果が下がってしまうことを科学実験や豊富(すぎる?)事例紹介で説明した上で、ここ数年のティール組織話にも繋がる【自律性、成長実感(マスタリー)目的】を大切にした経営や生き方の大切さであることを【親切丁寧な巻末付録付き】で紹介しているわけですが。
ビジネスマンにとっては『気持ち良い言葉』が並んでいるので、タイトル通りに『やる気!』はドラッグ的にテンション高く上がるものの、冷静に考えると。【当たり前の事を当たり前に述べている】とも感じてしまった。
また、何でも【どちらか一方】が正解ではなく【表と裏が混在状態】なのが事実に近いと思うのですが。【社員の内部要因を重視する】のは確かに組織のクリエイティビティを刺激するかもしれませんが一歩間違えるとそれは【やりがい搾取ブラック企業】になるかもしれませんし。
そもそも【単調な仕事】自体、イメージ的に悪く言われてますが。クリエイティブな刺激はなくとも社会的には必要な【インフラを支える仕事】の多くはむしろ【単調さを維持する必要性がある】わけなので。アメとムチの有効性を否定するような展開は単純すぎるのではないか?とモヤモヤしてしまった。
クリエイティブやイノベーションといった言葉が好きな方へ、またビジネス的な話題の一冊としてオススメ。
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