「腐女子のための物語」赤と黒
ぼくの物語はこれで完結だ。何もかも、ぼく一人の手柄だ。自尊心の権化のような女に愛されることができたんだし"同時代的には【7月革命を予言した】後世からは【史上初のサラリーマン小説】とも言われる本書は、実際の事件を下敷きにしつつ、矛盾だらけの主人公、ジュリヤンの存在がとにかく魅力的。
個人的には、大人数のミュージカルの様なバルザックの【ゴリオ爺さん】と真逆の様な印象で、ナポレオンに憧れ続ける策士気取りの美少年ジュリヤンに【永遠の中二病】コードギアスのルルーシュが何故か被って仕方がなかった。(うん。キャラクター在りきの小説の始まりですね。これは)
ナポレオン失脚後の空気を感じたい誰か。辻褄合わせは兎に角、インテリ美少年成り上がりものが好きな誰かにオススメ。
PS:後半の展開が?と思うけど、それすら勢いで終わらせるのが作者、いやイケメン力か。あと結局「赤と黒」ってなに?と意味深なまま未消化で終わらすのもなんか良い。(てか、コードギアス、せっかくキレイに終わっていたのに続編大丈夫か?)