歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる
"コンセプトは、歴史の流れのなかで失われた、あるいは失われつつあるレシピを資料・文献をもとに再現し、その料理から各時代の食文化や人びとの生活を感じていただこう、というものです"2017年発刊の本書は古代オリエント・ヨーロッパの歴史再現料理プロジェクトをまとめ、新鮮な驚きを与えてくれる良書。
個人的に歴史好きだったり、レシピ本も好きなので手にとってみました。
さて、そんな本書は夢で見た中世やルネサンス宮廷で開かれていた【華やかな饗宴を(実際に)開催したい】と考えた著者が音楽と再現料理で【時代旅行と世界旅行をいっぺんに擬似体験する】と始めたイベント『音食紀行』の数年間の成果をまとめたもので。本書ではオリエント&ヨーロッパ世界に存在した、8つの時代の歴史料理を8章で紹介。各章前半で5品のレシピを写真と共に誌上コース料理よろしく掲載した上で(=本書全体で計40レシピ)後半では当時の【食文化やマメ知識】紹介した料理の【背景や再現過程】を解説してくれているのですが。
メソボタニアのギルガメシュとエンキドゥ、古代ギリシャのソクラテスやスパルタの兵士たち、共和制ローマのカエサル、ルネサンス時代のレオナルド、王政フランスのマリーアントワネットといった神話や歴史上の人物たちと【同席して食事をしている】ようなイメージが浮かび、とても面白かった。
また、著者が良い意味で料理の再現過程に厳密さを求めず、入手困難な食材は【手に入れやすい代替品で】また現代人の口に合うように【味付け自体も変えたりしている】のが、とても柔軟で。自分も人を招いてイベント的に歴史料理再現をしてみようかな?と思わせてくれるのも良かったです。
歴史好き&料理好きな方、また食生活から歴史を捉えてみたい方にもオススメ。