ボールのようなことば。
"それでも、ぼくはこのボールを投げたいのだ。投げたボールが、みんなのところを転がって、そこでまた、新しいたのしみの輪がひろがっていく。そんなことを夢みているわけだ"『ほぼ日』の糸井重里のことばを若い世代に届けたい。と2012年に厳選され編まれた本書は【世界が確かに言葉で出来ている】事を感じさせてくれます。
私的な話で恐縮ですが、私にとって本を読む理由の1つは『美しい言葉を知る事』。何故なら美しい言葉を知ってさえすれば、例え何が起きても堪えられると思う。それは自分を取り巻く日常『世界』の多くが結局の所【言葉で構成されている】からだ。などと考えているわけですが。
"ことばの達人"糸井重里の膨大な原稿やWEB、SNSで発信されたことばの数々を表紙や挿絵に『鉄コン筋クリート』『ピンポン』で知られる漫画家の松本大洋の美しいイラストを挟みながら構成した本書を眺めながら、つくづくその事を実感させられました。
たかが言葉、されど言葉。
それでもことば、確かなことば。
糸井重里の様々な感情を下書きにして浮かび上がったことばの数々に頷いたり、はっと気づかされたり、励まされたり【どこから読み始めても、どこを開けても確かな280ページ】素敵です。ロングセラーとなるのも納得です。
若い世代に贈りものとして本を探している誰かに、また世代問わず、それでも『世界にほっとしたい』誰かにオススメ。
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