「煙に巻こう」鼻行類
"鼻行類という名前がまさに示すとおり、その共通の特徴は鼻が特殊な構造をしていることである。鼻は一個のこともあり、多数存在する場合もある"架空の著者により1961年に発刊された本書は、単なるパロディに留まらない、個々の動物記述が客観的、冷静で想像の翼を広げさせてくれます。
個人的には、すっかり世界中の秘境や謎がグーグルアースなどの科学の発展で丸裸になりつつある今、かって南洋ハイアイアイ群島で発見されたとされる鼻行類の多様な生態を、学術的な考察と豊富な図版で紹介している本書は、失われつつある、あるいは真偽に拘らない知的好奇心やユーモアを刺激してくれて何だかホッとさせてくれる読後感でした。
動物好きな?誰かに。また、かって持っていた冒険心や世界への関心を取り戻したい誰かにオススメ。
PS:この本はひと昔前にメディアでも結構取り上げられたみたいなのですが。大丈夫。今の人はあまり知らないと思うので、「え、オススメ?鼻行類かな?」とかすれば、中途半端な視線は釘付け。決して場の主人公にはなれませんが、中二病的な人として「なんかあの人変わってるよね?」そんな評価は維持できます!ええ!私の様に!