日本の若者は不幸じゃない
"クラスターによって人と盛り上がりなどを共有し、コミュニケーションが生まれ、いつもと違ったけっして不幸ではない日々が始まることを私は願っています。"2011年発刊の本書は、でんぱ組.incプロデューサーとアルファブロガーの共著にて、毎日を楽しくするヒントやエールに満ちています。
個人的には、いわゆる『ゆとり世代』の方々ともお話しさせていただく事から世代理解を深める為、また共著者の1人である福嶋麻衣子のプロデューサーとしての活躍に注目させていただいている事から本書を手にとったのですが。
直接的には『朝まで生テレビ!』に2010年にテレビ出演した時の『若い人たちはちっとも不幸じゃない!』発言が話題になったことを受けて書かれているとはいえ、それだけに留まらず【現代アートの世界への苛立ちと撤退】その上での新たな挑戦として【ライブバー運営、アイドルマネジメントへ】と向かった事には(私は本なので道は違いますが)共感と、また『ちょい』『クラスタ』『学園祭ビジネス』といった、現在30代のゆとり世代が引っ張っているカルチャーを理解するのに役立ちました。
また本書の後半では、いにたにまさきによる『お台場ガンダム』『AKB48』『けいおん!』『ラブプラス』といった、数年前に流行した若者文化について【地域コミュニティを駆動させるコンテンツ】としての可能性について丁寧な解説を加えてくれているのですが。記憶に新しい『君の名は』でも起きたような、当たり前の現象となった【聖地巡礼】についてなど、こちらはこちらで、あらためて説明、補足してくれているような楽しさがありました。
ゆとり世代、そして今流行しているコンテンツへの理解を深めたい誰かへ。またでんぱ組.incファンの方にもオススメ。