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学力差が激しい教室で個々にどう対応しますか?!
教室、特に算数の授業(中高なら数学や英語など)子どもの学力差が激しいため、それぞれ個々の子どもへの対応に苦慮していませんか。
教育系オンラインサロンTeacher’s Bridgeが目指す授業づくりは、
3つの「フレーム+切り口」です。
3つのフレームとは「ビジョン」、「戦略」、「戦術」
これに授業の題材からどこを「切り口」にしてくかです。
*3つのフレーム+切り口に関する動画
https://youtu.be/GKm9vLgJUOs
この授業の「ビジョン達成」のための「戦術」面での工夫。
もっと言えば、「戦術」の中で、子供たち個々の学力差にどう対応するか。今回は「複線型」の「戦術」についてお話します。
1 小学校2年生算数「長い ものの 長さの たんい」を事例に
ここでは小学校2年算数科「長い ものの 長さの たんい」(大日本図書)の1時間目の授業を事例に取り上げます。
この単元では、長いものの長さの表し方としてmの単位について触れ、長さの単位mやcmの関係を理解させます。
1時間目では、
ビジョンが「長さの単位mについて知り、1m=100cmの関係を理解する。また、ものの長さを、mやcmの複名数で表すことができる」
戦略は「100cm以上の長さの場合」の学習問題
切り口は「あたらしい単位mの概念」です。
この授業では以下の問題文があります。
教室の後ろにある こくばんの よこの長さは、30cmの6つ分でした。
こくばんの よこの長さは どれだけですか。
2 課題解決の時間差を埋めるための複数の戦術(手だて)
この問題を解く場合、
A:30cmの6つ分を出すのが困難な児童。
B:30cmの6つ分をすぐに出せる児童。(180cm)
C:すでに1m=100cmを理解していて180cm=1m80cmと答えを出せる児童。
この3つの習熟度のグループに分かれます。
普通に問題を解くと、
すぐに答えを出せる児童と、
30cmの6つ分をどう解釈するか困難な児童が出ます。
こうした場合、早く解けた児童が、まだ答えを出していない児童に対して教える。
協働学習だと、30㎝の6つ分が180cmということが明確にならないままに、気が付いたら1m80cmという答えになっていた。
という場面が想定されます。
そして最後は教師が「1m=100cm」とまとめる。
これではAのグループは1mのイメージがわかない可能性があります。
そこで、以下のようにグループごとに「戦術」を立てます。
Aグループには、
30cmのものさしなどを使い視覚的にイメージを起こさせ、30,60,90と口で言わせて180cmを見い出させる。
Bグループには、
180cmの他に別な言い方はないか、教科書を見て調べさせる。
Cグループには、
なぜ180cmが1m80cmなのか説明を書かせる。
こうして時間差を埋めます。
さらに、解答の評価を「差別化」させます。
180cmと答えが出たら「OK!」、1m80cmと書けたら「NICE!」
説明文を書く段階では書いた内容によって、「Great」「wonderful」「perfect answer」など差別化させます。
児童は、教師から少しでもいい評価を得たいために答えの「アップデート」に躍起になります。
3 複数の戦術から一つにまとめる
そして、全体で確認する場面では、
30cmの長さの棒状の紙を6つに並べます。
そしてAグループでやったように口頭で一つ一つ言わせて確認させます。
そこで180cmであることがわかるのですが、
Cグループの子が「1m80cmという言い方もあります」と答えます。
私からすれば「待ってました!」で、
「何その1m80cmって?!」と聞き返します。
そうすると問題解決段階ですでに説明をした子たちがノートを手に説明をします。
あとは説明文でも「差異」がありますので、意図的に差していき、
「perfect answer」の子で完結させます。
ちなみに「perfet answer」の子は図解で説明をすることができました。
こうして「深掘り」をしていく中で、
100cmを越えた場合「1m」という言い方があると、新しい単位「m」について教科書で確認しまとめます。
Aグループの子は視覚的に「m」の概念を理解させます。
BやCのグループの子は「深掘り」によって探究したことを整理させます。
これが次時以降、
1mのものさしを用いて長さを測定したり、
長さの単位をmやcmを自在に使えたりする「布石」となります。
4 学力差に対応した学習指導
本時では2年生算数を事例に取り上げました。
この授業に関わらず、
教室には学力差が激しいのは全国どこでも存在します。
この学力差を埋めて、1時間を有効に使うには、
〇それぞれの学力差に応じた「達成目標」を設定する。
〇「評価」を差異化し、さらに上の評価を得たいという意欲をもたせる
(これは1年間を通じて育てます)
ぜひ今回の実践を参考に授業づくりを試みてください。
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