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他人の力を借りて自分の世界を広げる。

映画「水曜日が消えた」を観ました。

授乳しながらささーっと観たので取りこぼした伏線がたくさんあった気がしますが(´-`).。oO

曜日ごとに変わる、7つの人格を持つ多重人格の男性の話です。

私としては、ラストがとっても意外な終わり方でした。

多重人格ものって、本来の人格にとって脅威となる人格がいることが多く、

ちょっとホラーなイメージなのですが、

この映画は、最終的に人格同士が仲良くなり、協調して1人の体の中で生きていく話でした。

多重人格を治して本来の自分として生きるというゴールではなかったのです。

観終わってすぐは、

7人の人格のまま曜日ごとに生きるより、

本来の人格(たぶん火曜日)に統合される結末の方が私は好みだなー。

なんて(偉そうに)思ってました。

だってその方が生きていく上で断然便利だし、

行動範囲が増えたりできることも増えるし、

現実的なラストで納得感があると思ったんです。

それに、火曜日ひとりの人格に統合されても、

彼が各曜日の人格の側面も持っていていいと思いました。

というのも、私は、たいていの人は対峙する相手によって、ちょっとずつ人格が変わるものだと思ってます。

少なくとも私は友人毎にテンションや態度、喋り方なんかも変わるし、

知り合った場所が違えばキャラも変わる。

好きな人にはお気に入りで居心地のいい自分が出てくるし、

苦手な人には苦手な私が顔を出す。

だから火曜日の人格に統合されても、ちょっとずつ他の人格が顔を出したりして。

それって不自然じゃないし、寂しくないラストだと思ったんです。

だけどね、エンドロールを観終わるとその気持ちも少し変わりました。

エンドロールでは「その後」の各曜日同士の付箋を使ったやりとりが映されていて、

絶対に図書館に行けない(閉館日だから)火曜日の変わりに、水曜日が本を借りたり返したり、

各曜日が各人格を尊重して、協力し合って一緒に生きていて、

結果的にそれぞれの曜日を超えて、自分の世界を広げることができていました。

この映画は「多重人格」という症状を通して、

他人と一緒に生きることがテーマの話なのかもしれません。

他の人格を「あえて」残した、優しいお話しでした。

#映画感想文

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