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熊野三山結果的にバスの旅|和歌山2015
「ケータイ国盗り合戦」という位置情報ゲームの旅。10年かけて全国600に分かれた位置情報を取得するため、東西南北を、電車・車・飛行機・フェリー・自転車・徒歩で巡りに巡った記録。
加太 友ヶ島は幻
前日に友人らとしこたま飲み、二日酔い状態で始発の新幹線に乗るべく東京駅へと向かう。ところが、どうも時間を間違えているらしく、かなり焦りながら新幹線へと乗り込む。駅で朝食をとるつもりだったが、そんな時間は全くない。
新幹線で新大阪まではほぼ就寝。(このころになると東京大阪間の国盗りはすでに完了している。)新大阪駅で在来線に乗り換え、和歌山を目指す。遠くにあべのハルカスが見えたが、思っていたよりも小さい。。。(遠くからだったから。)
和歌山市に到着。この日は和歌山市内を観るだけなので、大幅な移動はない。とりあえず、友ヶ島という無人島に向かう。友ヶ島は、ラピュタを思わせる、要塞跡などが遺る場所で、今ではファミリー向けの磯遊びなどが楽しめる場所だ。
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最寄り駅である加太駅から、友ヶ島へ渡るフェリー乗り場へと向かう道は、いい感じにレトロな港町だ。また加太駅の駅員さんは、駅員の制服の上に加太の魚を模した前掛けをして、街を盛り上げている。大変かっこよろしい。
20分ほど歩いてフェリー乗り場に到着すると、そこには長蛇の列。なんのことかと様子を伺うと、
乗車券完売。
どうやら、朝一で整理券をもらっておかないと無理らしい。ハイシーズンとはいえ、これは地元民以外には無理ゲーだ。
ということで「友ヶ島なんて、最初からなかった。いいね?」と自分に言い聞かせ、加太駅周辺の散歩へと切り替え、見つけた地元神社の縁日に紛れ込んだ。
和歌山城&和歌山近代美術館 たっぷり
和歌山市に戻ってきたものの、予定よりも大幅に時間が余る。とりあえず、予定を前倒しして、和歌山城へ。
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和歌山城は、野面積みから切込みハギまで、いろんな形の石垣があるのが面白い。戦国初期から江戸時代まで、増改築が繰り返されてきたのがよくわかる。(石垣を見るようになってしまったのは、歴史好きの友人による悪影響である。)
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最近城址があるところで流行りの、おもてなし武将隊的な人が写真を撮っている。看板によると、階段でベビーカーとかを上げ下ろしするのが専門らしい。つまりはオロスンジャー。おそらくは地元の学生だろう彼らだが、楽しそうにやっているのが好感を持てる。
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その他、御橋廊下(斜めの渡り廊下の橋)や、西の丸庭園(上田宗箇作庭の庭園)とかを見てまわる。広々とした敷地に見どころの多い城だった。
・・・天守閣?あんなの飾りですよ。
次に和歌山城近くの近代美術館へ。和歌山県出身の若手アーティストの作品展示が行われている。
雑巾とかの掃除用具を陶芸で作る、とか、電灯とか街の明かりをモチーフにしたスーパーリアル絵画など、なかなか意外と面白い。
和歌山城・美術館を見終わった時点で14時すぎ。友ヶ島に渡れなかった分、時間が余ってしまった。和歌山市近郊に他に見るものもないので、ホテルでゆっくりすることにして早めにチェックイン。
夕食にホテルの隣の近鉄デパートで買った寿司を買って食べる。これはおいしい。さすがデパ地下!ナイス立地!
熊野本宮 神様いる。
翌朝、いよいよ熊野三山をめぐるべく、始発で和歌山駅から紀伊田辺駅へと向かう。紀伊田辺が熊野三山参りの入り口となる駅だ。紀伊田辺駅から、熊野本宮へと向かうバスに乗り込むが、満員に近い。さすが大型連休。
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1時間ほどバスにゆられて熊野本宮に到着。あちらこちらに八咫烏を模したオブジェがあるあたり、それっぽくて素晴らしい。軽く雨が降り始めるが、断固傘は買わないと決意しつつ参拝。
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雨のためもあり、少ししっとりした空気の山の中は、神聖な感じがひしひしと伝わってきて「こりゃぁ、神様ってヤツぁ、いるかもしんねぇな。」と、完全に雰囲気に飲まれたことを思う。
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熊野本宮では、八咫烏のカラス文字で書かれた神符が授与されている。これは大変カッコよろしいので思わず買ってしまう。同時に気がつくことは、熊野三山なのだから、残り二つも買うことになるのだと。。。
速玉神社・新宮 見えない何かと戦う
熊野三山第二のお山である、速玉神社に向かうため、熊野本宮から再びバスにゆられて新宮市内へ。速玉神社に到着したところで、雨が結構な本降り。でもまだ買わない。決意は固いのだ。
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雨もあり、速玉は割と早足で見て回る。本宮に比べて人も少なく、規模もそれほど大きくはないようだ。
神社から新宮駅に歩くが、どうにも思ったより新宮駅は小さいようだ。桃太郎電鉄では、やたらと目的地に選ばれるので、そこそこ大きなターミナル駅を予想していたが、そんなことはなかった。
新宮駅から、次の那智駅までは、およそ1時間ほどの待ち。地方ではあるあるなのだが、このまま待っていると、結構なロスになってしまう。・・・とここで、路線バスを思いつく。スマホで調べた結果、これで那智まで行ければショート可能なことを発見。
どうだ1時間待ちの電車よ、裏をかいてやったぞ。
那智大社 熊野古道をちょろっと
路線バスで那智駅到着。駅前のバス停から、那智山行きのバスに乗り込む。路線バスを駆使したから間に合ったぞ!わはは。と思ってニヤニヤしていたが、どうにもバスは発車しない。
このバス、電車の到着を待っていた。
一人で見えない何かと戦って路線バスを使ったが、結局電車でも変わらないという結果だった。傷心ついでに、いよいよ雨が本降りとなってきたので、観念して傘を買う。
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那智山行きだが、そのひとつ手前、那智の大滝でバスを降りる。三名瀑の一つの名はダテではない。滝はさすがにすごい迫力だった。今まで見た中で最大かもしれない。お金を払えばもっと近くまで、ということだったけど、別に近くで見なくても満足。
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大滝から延々と階段を上って那智大社へ。
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この階段、熊野三山のラスボスにふさわしい段数の多さだ。階段を上りきったとき、下界が雲がかかって見えない。まさに「ありがたいなー」の境地。
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ようやく到着した那智大社を参拝し、下りは熊野古道をおりてみる。世界遺産に登録され、熊野三山を結ぶ古道である。その熊野古道の最後のちょろっとした部分を歩いて「どうだ、熊野古道を歩いてやったぞ」と言うという姑息な手である。
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この辺りで雨が上がりつつあったので、苔むして濡れた林道がやたら神聖に感じる。なおかつ、ちょろっとした部分ではあるが、人も少なく気持ちのいい空間で心が洗われた気分。
結局傘の活躍は那智大社にのぼる階段だけだった。。。
勝浦 特急が心地いい
那智山から那智駅までバスで戻る途中、どうやら那智駅で降りるよりも終点の勝浦駅まで行った方がよさそうなことに気がつく。この日の宿は松坂に取っていたため、勝浦発の特急に乗ろうという算段。バス車内20分で、このルートを見つけ出したNAVITIMEは偉大。
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勝浦は、那智駅よりも規模が大きい港町だ。きっとまぐろのおかげ。特急の時間まで1時間弱あったので近くを散策する。
時間もあることだし、ここで友人らに配るようのお土産買おうか、と思い、お土産物屋へ。那智勝浦らしいお土産を物色してふと思いつく。
「そういえば有楽町に和歌山のアンテナショップがあった気がする。」
調べたらまんまとあった。お土産は東京で買うことにした。
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余裕を持って、勝浦駅から特急に乗り込む。特急車内は空いているし、ほぼ個室だし、程よい疲れでとても心地いい。松阪までの1時間強をゆったり過ごす。
松阪に到着して、ホテルへ。夕食に、近くのイオンで購入したが、前日の和歌山駅前のデパ地下で買ったお寿司と比べると・・・
伊勢湾フェリー 謎の神島
始発で国盗りのため伊賀あたりまで出向き、国を盗って踵を返す。そして鳥羽へ。いつかきた伊勢を素通りし、鳥羽からフェリーで対岸渥美半島へと渡る。つまり国盗り合戦の位置情報目当てである。
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鳥羽からフェリーに乗ると、あまり徒歩で乗る人はいないのか、ほとんど車の人のようだ。またフェリーチケットを買うときに、渥美半島のバスチケットも同時に購入できたので、直行できる。セット券になっているらしく、かなりお得だ。
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フェリーに乗り込んだあと、甲板で風にあたると、やはり気持ちがいい。途中、伊勢湾に浮かぶ神島を見かける。神島=ゴッドアイランドとはすごい名前だな、と思ったが、後で調べると、伝統的な祭事がいろいろと行われているようで、まさに神島だった。
渥美半島の先端に到着し、そのままバスに乗り込む。この辺りは何もないのかと思っていたけど、意外と保養所があちこちにあるようだ。豊橋も結構な都市だから、そのあたりの影響か。
と、旅も終わりかけて、このまま家に帰ろうとしたが、大事なことを忘れていた。
有楽町のアンテナショップで、梅酒を購入。