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寄り添うことで気づいたこと
今日は、あるご利用者さま最後の利用日で、強い認知のある方で、色々なことを学ばせて頂いきました。
とても純粋でとてもしぐさが可愛くて、とってもキュートなおばあちゃん。
ただ、帰宅願望が強くいつもスタッフに
「もう帰りたい」
朝来て、席に着いた時点でそうに訴えることもしばしばあり、ほとんどのスタッフが手を焼いていて、その受け答えに困っていたのは、事実だった。
ある時、生け花の先生をしていたということを聞いたので、生花の入った花瓶を片手に話しかけてみた。
「うん!とっても綺麗!!!だれがやったの?あなた?男の人がやるのは素晴らしい…」
そして噛みあわない会話、まさに無理問答(笑)
でも、構わず盛り上げてすっと寄り添ってみた。
そしたら、今までにない表情を見せてくれた。すごく嬉しそうな笑顔でこんなに饒舌だったのかっていうくらいいろんな話をしてくれた。
無理問答から、ほんと夢中になって話してくれるので、僕は相槌だけで、ずっとその話をきいてさしあげた。
そして、その日は一度も
「もう帰りたい」
って言葉は聞くことはなかった。
逆にお帰りの時間になったら
「あらっ、もうそんな時間?よろしくお願いします。」
なんて丁寧に頭を下げてくれて…
別の日に
花瓶をもたずに会話だけでどこまで寄り添えるか挑戦してみた。
寄り添えば、寄り添うほどに色々な話がでてくる。もう頬と頬がくっつくくらい近づいて会話を盛り上げる。
その時のおばあちゃんの表情は、ほんと楽しそうで最高の笑顔を見せてくれた。その後、そのおばあちゃんが来るのが楽しみでいたのに、、、
それなのに、会話や他のご利用者との交流も増えたように感じた矢先に、突然のご入居でデイサービスの利用が最後に。
今日の出来事なんて、その瞬間に忘れてしまうのに、帰りの時はいつも
「楽しかったわ」
って言ってくれて…
記憶では覚えることはできないけど
感情で覚えてくれているんだと感じた。
今日そんな最後の車越しに
「お元気でね」
ってもう声にもならない声をかけた時に
「あなたは、急ぎ過ぎるからゆっくりゆっくりね!がんばって元気でね!」
って、まるで僕のの性格も全て見えているようなメッセージだった。
この時、寄り添ったことで心と心で会話ができていて、通じていたんだと感じたんだよね。
心の声を聴く、、、
寄り添い傾聴することで心の扉は開くことができると確信した瞬間だった。
色々なことを学ばせくれてありがとう。
心から感謝しています。
そして僕は、その素敵な笑顔を忘れない…