健康診断の読み方(中性脂肪・コレステロール)
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🌼健康診断について
受けてホッとしたりドキッとしたり、健康診断は体の通信簿のようなもの。でも、数字が並んでいるだけだとわかりづらいこともありますよね。
数値の見方がわかれば、もっと自分の体のことを理解できると思います!
今回は、数回に分けて、生活習慣病の項目にフォーカスした健康診断の説明を行っていこうと思います!
第3回は、中性脂肪とコレステロール((((oノ´3`)ノ
こちらの基準値を参考にしています。
各医療機関によって採用している基準値が異なるため、お手元の健診結果と基準値が違う可能性がありますが、大きな差はないので問題ありません。
🌼中性脂肪
食事からとれる脂肪のほとんどが中性脂肪です。食べ物から得た中性脂肪は、血液に乗って全身の細胞に届けられ、細胞を動かすエネルギーとして使われます。体にとって必要不可欠な栄養ですので余った分は脂肪細胞に蓄えられます。血液中の中性脂肪が増えると、善玉のHDLコレステロールが減少し悪玉のLDLコレステロールが増加するため、血管が詰まったり血栓ができたりして動脈硬化が進む恐れがあります。
要注意 29以下…栄養失調の可能性があります。食欲がない日が続いている場合は一般の内科へご相談ください。
基準範囲 60~119…特に問題ありません
要注意 150~399…満腹まで食べる習慣のある人、お酒の飲みすぎがある人、夕食の時間が遅い人、エネルギー量が夜に偏っている人は中性脂肪が高くなる傾向があります。
異常値 400以上…毎日お酒を飲む人や夜遅くに沢山食べる習慣のある人は中性脂肪が異常値になることがあります。中性脂肪が400を超えると、脂肪を消化する酵素を出しているすい臓が急性炎症を起こす危険がありますので、早めに内科を受診してください。食べ過ぎ・飲みすぎがある人で、「なんか最近おなかがチクチクするなあ」と感じている人もすい炎を起こしている場合がありますので、早めに内科を受診しましょう。
🌼LDL(悪玉)コレステロール
悪玉なんて可哀そうな名前がついていますが、本来は細胞膜・ホルモン・胆汁の材料になる身体にとって大切な栄養です。食事から摂れるコレステロールはほんの20~30%で、大部分は肝臓で作られています。身体にとって必要な悪玉コレステロールですが、余ると血管の壁に入り込む性質を持っているため、動脈硬化を促進させてしまいます。また、悪玉コレステロールは数が増えすぎると小型化する性質もあるため、さらに血管壁に入り込みやすくなります。悪玉コレステロールと中性脂肪がどちらも高い方はより動脈硬化リスクが高いといえます。
要注意 59以下…肝硬変や肝機能低下、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症に伴ってみられる場合があります。また、やせていて、あまり物を食べない方、下痢が続いている方はLDLコレステロールが低くなる場合があります。
基準範囲 60~119…問題ありません
要注意 120~179…すぐに治療は必要ありませんが、脂っこいもの・甘いものをよく食べる方、野菜・豆類・魚を食べる習慣が少ない方、運動不足の方は生活習慣の改善が必要です。
異常値 180以上…一度内科を受診し、お薬の治療が必要かどうか相談してください。すぐに内服治療ではなく、3か月間の生活改善に取り組んで下がるかどうか確認するのも一手です。数値が高いため、コレステロールを多く含む食品は食べ過ぎに注意しましょう(卵は1日1個まで、レバー・脂身の多い肉・たらこなどは食べる頻度を減らす)。
女性の方へ…女性は閉経に伴ってホルモンバランスが変化し、LDLコレステロールの上昇や骨密度の減少が起こりやすいため、野菜・魚・豆類を積極的に食べるようにしましょう。併せて骨を強く保つために小魚・乳製品(牛乳コップ1杯/日orヨーグルト1杯程度)も摂取するといいですよ。また、1日30分早歩き程度の運動を習慣にすると、LDLコレステロールの上昇を抑え、骨粗しょう症予防にもなるのでおススメですよ!
遺伝的にLDLコレステロールが高い方へ…肥満でなく、ほかの検査項目は異常がないのにLDLコレステロールだけ高い場合は遺伝的に高くなりやすい体質の可能性があります。ご両親や兄弟もLDLコレステロールが高かったり、家族に心臓の病気で亡くなった方はいませんか?遺伝の場合は生活改善で下げることは難しく、ほかの人よりも心筋梗塞・狭心症を発症しやすいというデータもありますので、内服治療を検討してみましょう。
🌼HDL(善玉)コレステロール
血液中をめぐり、余ったLDL(悪玉)コレステロールを回収する役割を持っています。主に肝臓・小腸で作られており、数が少ないと動脈硬化の危険が高くなり、特に冠動脈(心臓の筋肉に酸素と栄養を送るための動脈)が詰まりやすくなります。運動すると数が増えることがわかっています。
異常値 29以下…低栄養・肝臓病・がん・甲状腺の病気・遺伝などで二次的にHDLコレステロールが低くなる場合があります。また、肥満・糖尿病によりHDLコレステロールが作られにくくなって、異常値を示す場合があります。この場合は肥満・糖尿病の治療で改善が見られます。
要注意 30~39…血液中の中性脂肪が増えると、善玉のHDLコレステロールが減少し悪玉のLDLコレステロールが増加するため、肥満・運動不足・中性脂肪が高い方はこのような数値になる場合があります。食事のバランスを見直し、1日20~30分程度の運動を取り入れることで数が増えますので、ぜひやってみてください。
基準範囲 40~119…問題ありません
異常値 120以上…HDLの中に入ってるコレステロールを使うためのたんぱく質が欠損している場合(遺伝的疾患)がほとんどですが、ほかにも、長期的に大量のアルコールを飲んでいる場合や、原発性胆汁性肝硬変がある場合にHDLコレステロールが高すぎるという異常をしめすことがあります。動脈硬化を起こしやすいため、まずは動脈硬化の進み具合を調べる必要ありますので、頸部エコーや動脈硬化検査が受けられる内科の受診が必要です。
🌼あとがき
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
気になる数値はありましたか?
明日は血糖値・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)について説明していく予定です!
明日もぜひご覧ください♪(*^-^*)
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