こどもの日に親が考えること
こどもの日が祝日なら、父の日や母の日も祝日にして良いのではないか。いやこどもの日は端午の節句、男の子を対象としているのなら桃の節句である3月3日も休みにすべきだ。いやそれなら月と日がゾロ目になる日は毎月休みにすべきか。いやどうせなら毎週4連休にしてほしい。
…なんてことを考えてしまうのは「10連休の人も多いようです」というニュースを見て悔しくなってしまったからだろうか。4連休じゃ足りない。もっと休みたい。
今年のゴールデンウィークは前半と後半に分かれていることもあって、我が家は例年のように実家に帰るのはやめて家族4人で過ごしている。遠出するわけでもなく1日単位で予定を立てて過ごすスタイルである。
昨日は名探偵コナンの映画「100万ドルの五稜星」を子どもたちと観に行ってきた。コナンの新作が出るたびに子どもたちが観たいというのでここ数年一緒に観に行っている。
私は子どもたちの前では立派な大人を演じているので、毎年「別に興味ないけど君たちが観たいならしかたがないな」というスタンスで同行するのだけど、映画館から出る時には「あの場面すごかったな!」「あれってどういう意味かな?」と何なら子どもたちよりも興奮してしまい、子どもたちに「パパってコナン好きだよね」という生暖かい目で見られるところまで恒例になりつつある。
今作のコナンも面白かった!
特にヘリコプターのコンビが笑わせてくれて最高だった。
プリキュア、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、コナン…となんやかんやで子どもたち二人が小さい頃から毎年一緒に映画館に行ってるが、二人ともそろそろお友達と遊びに行くお年頃なので来年あたりからもう一緒に行ってくれないかもしれない。
ああそうなったらどうしよう。友達の分もパパがお金を払うから!とお願いしたら仲間に入れてもらえるだろうか。それがダメならチケットを予約する際にこっそり後ろの席を取ってバレないように一緒に観るしかないか。
それはさておき今日は次女と大阪梅田のアニメイトにお出かけである。
何やら推しのキャラクターがいてそのグッズが欲しいらしい。小学生にしてもう推し活に目覚めたのか。
アニメイトのようなキャラクターグッズショップ?に私もこれまで行ったことがなかったので、果たして小学生を連れていっても良いお店なのか、もっと大きなお友達向けの大人な感じのお店ではないのか、と勝手なイメージを膨らませて警戒していたのだけど、実際行ってみると普通に感じの良いお店だった。
客層は8割くらいが女性で、小中学生らしき子の姿もある。
むしろ私のようなおっさんがいると目立ってしまうくらいの爽やかな雰囲気である。
ホッと安堵して店内に入る。
娘が早速目当てのグループのコーナーを見つけて「あったー!」と飛んでいった。しばらく「うわーこの子もいるー!」と楽しげにグッズを見て回っていたのだけど、そのうち「なかった…」と言いながら戻ってきた。どうやら推している子のグッズが見つからなかったらしい。私も一緒に探してみたのだけど、そもそもキャラの見分けがつかず断念。店員さんに聞いてみると人気があるキャラのため完売してしまったようだ。
少ししょんぼりしている娘に、前日の映画の興奮がまだ燻っていた私から「代わりにコナングッズを買ってはどうか、この二人なんて良いんじゃないか」とヘリの二人を提案してみたのだが、「代わりとかそういう話ではないのだ」と諭されてしまった。我が娘、いつの間にやら正しい推し活作法らしきものを身に着けている。
まあ家からそんなに遠くもないのでまた次の機会に賭けよう、と気を取り直し、しばらく他のグッズを見て回ったりガチャガチャを引いたりして楽しんだ。
帰りの電車に揺られつつ、娘の推しキャラのグッズがどこかで手に入らないものかとスマホで調べる。娘はすっかり気を取り直しているようだが、今日のおでかけのメイン目的だったので私としても手に入らなかったことが心残りだったのだ。
絶対手に入ると思っていたものが手に入らないというのは辛いものだ。ここはパパが大人のリサーチ力を発揮して見つけてやらねばなるまい。
という意気込みで探してみたらリサーチ力を発揮するまでもなく普通にアマゾンに売っていた。
早速次女を喜ばせようと「あのキャラのグッズ、ネットで買えるよ?買っちゃう?」と提案してみたのだが…なんと断られてしまった。
うそやろ?
自分が欲しかったものを親から買ってあげると言われたら断らんやろ?
わーい買って買って!ってなるもんやろ?
「今日は他のものも買ってもらえたしいい。次の検定で合格したら買って」ってどれだけ良識ある子に育ってしまったんだ君は。
こどもの日だけ休みなのはズルい、ゾロ目の日を全部祝日にしろ、なんてバカなことを考えている親とは大違いではないか。
妻の教育のおかげなのか、それとも日頃の私の行動が反面教師的な教育になっているのか。
まあ両方ですかね…と電車の窓越しに空を見上げ、そっとスマホを閉じた。とにかく娘が良い子に育っていて何よりである。
我が子の成長を感じて喜び…そして自分の成長を感じず嘆く…これもまた毎年の子どもの日の恒例になりそうだ。