スイーツの香りで脳をだます。フラペチーノよりも甘かった私のダイエット作戦
私はもうダイエットができない体なのかもしれない。
勉強や運動ならば続けていればいつかは成果が出ると信じることができる。だけどダイエットについては何年続けても成果が出る気がしない。
だっていろいろやってるのに体重が三ヶ月前から変わっていないのだもの。
ダイエットを成功できるのは、神に選ばれし限られた者たちだけなの?
それとも私のダイエット神への信仰心が足りないの??
食事の前には「このカツ丼のカロリーがゼロになりますように…」と祈り、体重計に乗る前には「なにかのはずみで体重が5kg減ってますように」といつも祈っているのに。
神よ…あなたは私を見放されたのでしょうか…!
…なんてふざけた神頼みは置いておくとして。
実際のところ体重は減っていないしそれはそれで困ったことなのだけど…今回に限ってはダイエット失敗の原因ははっきりしている。
スイーツの食べ過ぎだ。
スイーツ欲ってな…爆発すんねん
私の脳はスイーツ欲に侵されている。
スイーツ欲とはその名の通り、スイーツを求めてしまう欲求。
最近何だか無性にスイーツが食べたくなっちゃうの…というような生易しいものではない。ひとたびそれが爆発すれば、ダイエット中だろうが何だろうが「ワタシハ、スイーツヲ、タベネバナラナイ…ゼッタイニ!」という謎の使命感に支配され、目についたスイーツをすべて平らげるまで止まらなくなってしまう。強すぎてとても抗えない欲求なのである。
一例として、つい先日私がスイーツ欲爆発に見舞われた際の一連のツイートをお見せしよう。
秋のスイーツ祭りに翻弄され、乱心気味のツイート。
これはまあしかたない。ダイエットとは誘惑との戦いだ。9月って急にいろいろおいしそうなスイーツが出回るから。
どれだけ誘惑に負けそうでも、食べさえしなければ問題ないのだ。
しかし既に私の頭の中ではスイート欲が爆発していた。
食べちゃってる。次の日に早速1つクリアしちゃってる。
達成感すら漂う、罪悪感のかけらも感じさせないツイート。
クリアしなきゃいけないのは秋のスイーツ制覇ではなくダイエットなのに、もうスイーツしか見えていない。
次の日も。
家族の人数(4人)を超える数のドーナツを買い、少なくともそのうち2つは食べたことが伺えるツイート。
その後も数日も空けずにゴンチャの巨峰まみれを飲み、チーズケーキを食べ、ビアードパパの新作を買いに走り…とスイーツを貪りつづけた。
その結果、数カ月かけて下げた体重がたった数日ですっかり戻ってしまったのだ…。
このようにひとたびスイーツ欲が爆発すると、前日までダイエットを頑張っていた人でも我を忘れてスイーツを貪り食い始めてしまう。
そんな恐ろしい欲求なのである。
スイーツ欲爆発を防ぐ作戦
このままスイーツ欲が暴れるままに身を任せていては、ダイエットなんて成功するはずがない。むしろ体重の過去最高記録を更新してしまう可能性の方が高い。
よし真剣に考えよう。
スイーツ欲を満たすには、スイーツを食べるしかないのだろうか?
欲求が生まれるのも解消されるのも、脳内の話だ。
脳が「スイーツが足りない!」と判断すればスイーツ欲が爆発するし、「十分にスイーツを食べた」と判断すればスイーツ欲は落ち着き、まともな人間に戻れる。
それならば実際にスイーツを食べなくても、あたかも食べたかのように脳に錯覚させればスイーツ欲は解消できるのではないか。
そこで閃いたのが「甘い香りでスイーツ欲を満たそう」大作戦だ。
嗅覚への刺激というのは他の刺激と比べて脳に影響を与えやすいと聞いた。
例えば癒やされる香りを嗅げば、それだけでストレスは低減し、疲労が回復するらしい。
ならばスイーツを食べなくてもスイーツの香りを嗅ぐだけでスイーツ欲をある程度満たすことができるのでは?…という作戦である。
香りがまるでスイーツな低カロリー食品を探せ
香りだけで脳が騙されてくれるかちょっと心もとないので、何かしら食べる体を取りたい。香りは高カロリースイーツ、でも食べたら低カロリーな食品を探して試すことにした。
低カロリーのスイーツとしてまず思いつくのは、蒟蒻畑などのこんにゃくゼリーだ。1つが26kcal。
フルーツの香りもするし、あの食感がたまらない。私はクラッシュされたものよりもかみごたえのある大きいものの方が好みだ。
しかし残念ながらスイーツ感という点においてちょっと物足りない。
スイーツというのはもっとこうチョコだとかクリームだとか、これ絶対カロリー高いよね…と罪悪感を感じさせるものでなければならないのだ。
そういう意味では蒟蒻畑の中でもフォーグルメシリーズが理想に近い。
プリンの味で28kcal。すばらしい。
難点はなかなか売っていないということと、味のバリエーションがまだ少ないということ。ガトーショコラ味とかチーズケーキ味とかバニラアイス味とか出してくれたら最高なのだけど。
続いて考えたのが高カカオチョコレート。高カカオはダイエットに良いと聞いたことがある。そしてチョコのあのカロリーを感じさせる香り。確実にスイーツ欲を満たしてくれるだろう。
1つ5gでおよそ30kcal。小さい…!!
1粒で満足できるなら問題ないのだけど、1つだけでやめられる気がまったくしない。気づいたら10個は食べてそうだ。10個食べれば300kcal。フラペチーノとほとんど同じカロリーじゃないか。
同じなら大好きなフラペチーノを飲むわ。
そんな自問自答やら本末転倒やらもありつつ、たどり着いたのが「フレーバーコーヒー」だ。
フレーバーコーヒーというのは、コーヒーに様々な香りを加えたものである。香りを加えているだけなのでカロリーはブラックコーヒーとほぼ同じ。
カルディで見つけたのだけど、ちょっとこのラインナップを見てほしい。
パンケーキにモンブラン、チョコバニラ…。スイーツで人気のカフェなの?というくらいの高カロリー感漂う素敵なラインナップ。
チョコバニラフレーバーを飲んでみたら、味はブラックコーヒーなのに香りはまるで甘いクリームがたっぷりかかったチョコドリンク。150kcalくらいの甘いスイーツを食べたかのような罪悪感があるのに、実際はたったの6kcal。蒟蒻畑の1/4という破格の低カロリーだ。
まさに求めていたものである。
ゆっくり時間をかけてフレーバーコーヒーを飲みながら、その甘い香りを吸い続ければ、きっとスイーツ欲も消えてなくなるにちがいない。
作戦は成功…?さっそく忍び寄る破綻の予感
それから数日。
フレーバーコーヒーを飲むようになってからスイーツ欲は爆発していない。
フレーバーコーヒーのスイートなスイーツの香りとコーヒーの味は、まるでカフェでケーキセットを食べているかのような気分にさせてくれる。
毎日ケーキセットをいただいてるのに太らないなんて最高ですわ。
でもね。
人というのはたとえ最初は満足していてもそれに慣れてしまうとさらに多くを望んでしまうもので。
パンケーキの香りのコーヒーを飲んでいたら当然そこから想像は膨らんで、カフェでクリームたっぷりのパンケーキを食べている姿を想像してしまうわけで。
そんな時にふっと頭をよぎる
「本物が食べたい…」
というフレーバーコーヒーの存在意義をひっくり返すような気持ち。
もちろんそんな気持ちがよぎるたびに頭を振り「ダメダメ!そっちに行ってはダメ!」と自分に言い聞かせている。それはこの作戦におけるタブーだから!
なんせスイーツが食べたくなる気持ちを香りでごまかしているだけなのだ。本物のスイーツの見た目や味、舌触りには当然かなわない。しかしこの作戦を続けるなら、その事実には気づかないふりをしないといけないのである。
作戦が破綻しちゃうから。またスイーツ欲爆発しちゃうから。
もちろんそんなことは分かっている。いくら私でもほんのちょっと前にした失敗をまた繰り返すようなことはしない。
だからふと気を抜いた時に…自分がコメダ珈琲に突撃してパンケーキだけでなく安納芋スイートポテトシロノワールやらスイートポテトジェリコまで貪っている姿がやけに鮮明に思い浮かぶようになってきたのは…もちろん気のせいにちがいないのである。
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